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Monday, May 03, 2010

一体どうしたら良いんだろ?

【5月3日特記】 最近文意をほとんど取れない読者というものが存在するのではないかと気づいて、ちょっと恐ろしい気がしている。

例えば僕が、

「○○さんは馬鹿だけど、めちゃくちゃ良い奴だ」

と書いたとする。まあ、そんなことは実際には多分 Web 上には書かない類の言説ではあるけど、分かりやすく説明するためにこの例を使おう。例えば僕がこの○○さんと実生活で懇意にしてたとすれば、twitter でそんな風に呟くことはあるかもしれない。

すると突然こういうレス(twitter なら「リプ」)が飛んでくるのである。

「あなたは何故、学歴だけで判断して他人の人格を全否定するのですか」

仰天するでしょ? 嘘だと思うでしょ?

でも、僕は何度かこういう例を経験しているのである。実際の例を書くわけには行かないのでかなりデフォルメしてはいるが、まさにこういう、「とんでもなく外してる」と言うしかないような反論が 飛んでくるのである。

ホームページであれブログであれ、Web 上に自分が書いたことがトラブルを招くことはある。幸いにして「炎上」というほどの惨事を招いたことはないが、僕も何度か痛い目には遭っている。

それは大抵は自分の書き方が悪かったせいである。あるいは、そもそも Web 上で取り上げるにはあまりに微妙で相応しくない話題を選んでしまったからである。なんであれ、それは自分の責任なのだからこれは諦めがつく、と言うか、諦めるしかない。トラブルの中でうんざりはしているが、どこかに吹っ切れている自分がいるのも確かである。

あとは誠意を持って言葉を足すべきところは足し、もし訂正すべきところがあるのであれば潔く訂正し、詫びるべきところは詫びるしかないのである。

しかし、上に挙げたような例の場合、これは諦めがつかない。対処にも迷うのである。

このクレームは、まず馬鹿=低学歴という風に勝手に狭い意味に規定している。そして、後半を全く読んでいない。

僕が書いたのは譲歩構文である。「確かにAではあるが、しかしBである」。AはBを際立たせるためのレトリックである。○○さんを手放しで褒めるより、前半で少し足を引っ張っておいてから後で持ち上げる方が説得力があるのである。

ところが、この読者の方はそういうところを全く読んでくれていない。「馬鹿だ」まで読んだところでカチンと来てクレームを書き始めたということなんだろうか? 僕にはよく理解出来ない。だからどう対処して良いかもよく解らないのである。

『下流志向』の中で内田樹さんが、最近の若い人は本を読んでいて解らないところがあっても平気でそのまま読み飛ばしていて、虫食いのまま放っておくのが彼らの読み方である、みたいなことを書いておられたのを思い出して、背筋が寒くなった。

もしそうなら、僕が正しい書き方をしているかどうかは、彼らにちゃんと伝わるかどうかと無関係なのである。僕がどんなに腐心してことばを選びことばを尽くしても、彼らがその部分を読んでくれる保証さえないのである。僕はそれを知って愕然とするのである。

僕を攻撃したのは、単に途中まで読んでカチンと来たからではなく、ひょっとするとその前提として「こういう輩は学歴至上主義の差別主義者に違いない」という思い込みがあったのかもしれない。

実際、そういう先入観を前提に怒って書いて来られる方もたまにあるが、単にそういうことであれば、丁寧にこちらの思いを説明すればやがて意は通ずる。むしろ最後には「勝手に思い込んで非難してしまい、申し訳ありませんでした」みたいなメールをもらったりすることさえある。

ところが、まれにある上のような例では、もうなんともしようがない。僕がいくら誠意を込めて返答しても「お前みたいな奴は死ね」みたいな反応しか返ってこない。僕の文意は取ってもらえない。

これは落ち込むよね。一体どうしたら良いんだろ?

さとなおさんはかつて、そういうのは中学や高校のクラスに必ずひとりはいた変なヤツだと思って捨て置けば良いみたいなことを書いておられたが、僕にはどうしてもそういう風に割り切る気になれない。

何故なら、自分こそがその「クラスに必ずひとりはいた変なヤツ」だという思いがあるから。いや、それは「変な」の意味合いが違う、と言われるかもしれないが、いずれにしても変なヤツを切り捨てることは自己否定に繋がる気がするのである。

僕は一体どうしたら良いんだろ?

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