『ゼブラーマン』
【4月3日特記】 借りてきた DVD で映画『ゼブラーマン』を観た。公開時には「哀川翔主演100本記念作品」とか言われても全然興味が持てなかったのだが、次回作では仲里依紗がゼブラクイーンを演じるとのことで、「こりゃ、観んといかん」となって、まず予習である。
で、観てみて、「はあ、こんな映画だったのね」とびっくり。単純なヒーロー・アクションものだと勝手に思い込んでいたのだが、全然違う。ああ、脚本書いてるの宮藤官九郎ですもんね。なるほど!
主人公は気弱なために生徒を叱ることさえできない小学校のダメ教師(哀川翔)。彼の唯一の趣味がコスプレ。しかも、それは人気番組の人気ヒーローなどではなく、彼が小学校時代に見ていた『ゼブラーマン』という番組で、なんと視聴率 1.8%で7話で打ち切りになったという超マイナー作品。
で、こそこそコスプレ姿で街を歩いていたら、ひょんなことから犯罪現場に出くわして悪と戦う羽目に。ったって、格好だけは一人前でも屋根から落ちたり転んだりでまともに戦えるような男ではない──はずが、なんだか知らんが勝手に体が動いて強いの何の!
おまけに戦ってる相手の正体は地球侵略を企む緑色のエイリアンだという奇想天外の筋で、話の中に主人公の幻想やら夢やらも混じってくるので一体どこまでが現実でどこからが妄想なのか、見ていてもよく解らない。
しかし、そのエイリアンの捜査に真剣に当たる自衛隊が描かれているので、どうやらエイリアンは現実らしい。ただ、捜査に当たってる自衛官(渡部篤郎)自身はやる気がないと言うか不真面目と言うか・・・。
とにかく脱力コメディとシリアスな対決シーンが交互に出てくる、なんとも言えない作品である。
これはもう如何にも宮藤官九郎という感じの作品である。そして、もうひとつ言うと、如何にも宮藤官九郎が三池崇史と組んだという感じの作品である。
哀愁があって、バカバカしくて、勇気をくれるが、脱力してしまう。カッコいいのか情けないのか分からない、全く新しいタイプのヒーローものであった。
果たして、新作もこういうテーストなんだろうか?
そう言えば、主人公が勤める小学校の生徒の母親(鈴木京香)が突然ゼブラナースになって登場し、ゼブラーマンのもげた右腕を元に戻すという、顎が外れそうなシーンがあったが、このゼブラナースの変形が次回作で仲里依紗が演じるゼブラクイーンなんだろうか、などといろいろ興味は尽きない。
次回作も同じ監督・脚本のコンビである。まあ、こういう脚本は宮藤官九郎にしか書けないよね。
ははは、笑てなしゃあない。と言いつつ、楽しみ。
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