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Thursday, April 29, 2010

今日の BGM#41

【4月29日特記】 Walkman に入れた曲数が 1,212 になった。昭和以降の日本の歌(「ヒット曲」とは言わない)ばかり。

さて、聴きながらステッパ踏んだ2回分。

  1. YELLOW MAGIC CARNIVAL (TIN PAN ALLEY)
  2. 赤い風船(the Indigo)
  3. ナスなんです(和幸)
  4. 乙女座宮(山口百恵)
  5. 幸せであるように(FLYING KIDS)
  6. プラネタリウム(大塚愛)
  7. マニアの受難(MOONRIDERS)

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Tuesday, April 27, 2010

無題

【4月27日更新】 「信じて諦めずに頑張っていれば夢はいつか必ず叶う」──ここ10年間ほどで、そういう言説が少しずつ幅を利かせ始めてないだろうか。ここのところ、映画とか小説とかでもそういう趣きのものが流行りになっているような気がする。

だが、僕はどうもそういうのが好きになれないのである。

確かに僕もそういうことを信じることの効用は信じる。挫けずにひたすら信じて頑張っている人は偉いなあと思う。ただ、その人がそのことを誰にも言わずに頑張っている分には何の問題もないのだが、それを口に出して、そしてそれが人間一般に拡張されたときに、それはとても危険なことだと思うのである。

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Monday, April 26, 2010

人間ドック考(2010年度版)

【4月26日特記】 今日人間ドックを受けてきた。

去年の今ごろも多分同じことを書いたと思うが、健康診断というのは本当に健康に悪い。

飲まず食わずで血を抜かれて、放射線浴びて、ゲップのでる薬を飲まされながらゲップを我慢しろと命じられ、消化しない液体飲まされてサーカスみたいに宙吊りにされた挙句、締めは下剤である。

ただ、毎年同じようなことを受けていながら、年々進化しているのを感じるのも確かである。

たとえば、心電図にかかる時間は昔に比べて随分短縮したように思う。

それから、腹部のCTスキャンを撮ったのだが、これも一瞬で終わる。確か、この施設は最新式の機械を導入して、従来の何倍かのスピードで撮影できるようになったと書いてあった。

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Saturday, April 24, 2010

マナーの悪い観客に思う

【4月24日特記】 マナーの悪い人というのは、まあ、どこにでもいるものである。ただ、いっぺんにたくさんの人を見ることは少ない。

ところが先日映画『アリス・イン・ワンダーランド』を見に行ったときに、これでもかこれでもかと言わんばかりに、次から次へとマナーの悪い観客が現れて辟易した、と言うよりも、正直びっくりしてしまった。

まず、劇場に来るのが遅い。予告編が始まってから入ってくる観客続出である。

それから、いつまでもぺちゃくちゃ大きな声で喋っている観客がそこかしこに。

そして、照明が消えているのに携帯電話を開く客が隣に。

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Thursday, April 22, 2010

映画『ソラニン』

【4月22日特記】 映画『ソラニン』を観てきた。

評価のはっきり分かれる映画だ。そういう意味で興味深々で見始めたのだが、画は初めから悪くない。

では、本はどうか? 時々笑いを取るべきところで取れていないのが気になるが、時折良い台詞もある。演出は、台詞と台詞の間の沈黙を上手に使っている。例えば終盤の桐谷健太が自転車の後ろに宮﨑あおいを載せて走る長回しなんて、下手に台詞を詰めずに、すっごく良いシーンになっているではないか。

だが、いずれにしても激賞するほどの理由も、斬って棄てるほどの理由も見当たらない。

ただひとつだけ言えるのは、これは宮﨑あおいショーだと思って観るなら(僕も含めて)ファンにとっては堪らない映画であるということだ。宮﨑あおいの魅力は十全に惹き出されている。(宮崎あおい)

ストーリーは単純だ。

アルバイトをしながらバンドでギターを弾いている種田(高良健吾)とその恋人の芽衣子(宮﨑あおい)の話。2人は大学のサークル(軽音)仲間だった。芽衣子は卒業後、別になりたくもなかったOLになり、種田はミュージシャンへの夢を捨てきれずに定職にはつかないままだ。

そして、予告編を見た観客なら、その種田が突然死んでしまい、やがてそのショックから立ち直った芽衣子が彼のギターを持って舞台に立つ、というところまで知っている。ただ、もっと早く死んでしまうのかと思ったらそうではなく、彼が生きている間の2人の思い出や挫折がたっぷり時間をかけて描かれるのである。

そうすることによって、芽衣子が立ち直る困難さをあまりしつこく描かなくてもちゃんと伝わって来るのである。なるほど、そういう手法か、と少し感心した。

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Wednesday, April 21, 2010

『ボックス!』マスコミ試写会

【4月21日特記】 映画『ボックス!』のマスコミ試写会を見てきた。

李闘士男監督である。TVのバラエティの世界では一時伝説的な人物であった人である。映画監督デビュー作の『お父さんのバックドロップ』は観たが、ヒットした『デトロイト・メタル・シティ』は見逃した。今作はもうすぐ公開の『てぃだかんかん』に続く4作目である。

今どきこんなまーっすぐな映画、アホちゃうか、と思った。すごいのである。

冒頭、市原隼人のものすごく綺麗なシャドウ・ボクシングのスローモーション・シーン。汗が金色に輝いているように見えるくらい美しい。当然このシーンは後にもう一度使うのだが、これを冒頭に持ってくるところも巧いし、もう一度使うところも適切だと思う。

ひとことで言ってスポ根・学園もの。ストーリーに大したひねりはない。

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Tuesday, April 20, 2010

4/20 サイト更新情報

【4月20日特記】 サイトを更新しました(このブログのことではなく、併設する私のHPの更新案内です)。

今回も前回同様書評がひとつ、それからレギュラーで更新している言葉のエッセイの新作がひとつです。

書評は川上未映子の『ヘヴン』です。ちなみに川上未映子の作品を読むのはこれが初めてです。

それからエッセイのほうは映画『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』にかこつけたもの。決してこの映画の宣伝のために書いたのではありません。題名を見てふと引っ掛かったのです。

という訳で今回の更新は下記の通り。

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Monday, April 19, 2010

『シーサイドモーテル』マスコミ試写会

【4月19日特記】 映画『シーサイドモーテル』のマスコミ試写会に行ってきた。『スクールデイズ』の守屋健太郎監督の新作。

低予算の割にはかなり良い役者を集めてある。

山奥にあるくせに"シーサイドモーテル"という名の、ボロいモーテルの4室で繰り広げられるコメディ。4つの部屋での騒動がそれぞれ微妙に繋がっているのがミソである。

この映画を楽しめるかどうかの鍵は、最初にこの設定を抵抗なく受け入れられるかどうかだと思う。残念ながら今回僕は全く受け入れられなかった。

これは映画作りの考え方や手際の問題ではなく(手際はむしろ良い)、ひたすら相性の問題だろう。何かにつけて僕とは相性が悪かったのである。ひとつ例を挙げれば、僕とは女性観、セックス観があまりに違っていたからではないだろうか。

そのことを説明するために、今回は少し設定や筋に踏み込んだ記事になると思うので、これからご覧になる方はご注意いただきたい(と言っても、最後の最後まで書いてしまうような野暮なことはしませんのでご安心ください。ただ、あくまで何も知らずに映画を見たいと言う方はここで読むのをお止めください)。

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Sunday, April 18, 2010

CD で持つ愉しみ

【4月18日更新】 今日一日、掃除機をかけている時と仕事の予習をしている時以外、妻はずっと CD をかけていた。僕も別室で自分のことをしていた時間以外は一緒に聴いていた。古いアルバムばかりだ。ユーミンとか竹内まりやとか山下達郎とか。

僕はしかし、いまだに CD を買う。レンタルやダウンロードが主流の時代になって、もちろん僕もそういうものは利用するのだが、しかし、いまだに CD でほしいものは CD を買う。

今日、妻がかける CD を聴いていて、ふと CD を持っていることのメリットが解った。それは CD にはパーソネルが書き記されていることである。

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Saturday, April 17, 2010

映画『アリス・イン・ワンダーランド』

【4月17日特記】 映画『アリス・イン・ワンダーランド』を観てきた。ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演(でもないか?)のディズニー映画である。

次々に華麗で刺激的な映像を展開してはくれるものの、ストーリーとしてはかなり浅くて、「ああ、面白かった」という感じで映画は軽く終わってしまう。別に何かが残るわけでもない。

しかし、「元が荒唐無稽なおとぎ話だから仕方がないじゃないか」と考えるのは実は誤りで、僕は浅くて軽いのは日本人の観客のほうではないかと思う。裏返せばこの原作があまりに深くて重すぎるために、日本人にはその真価が解らないのではないかという気がしてきた。

ふんだんに盛り込まれている言葉遊びの要素も我々にはごく一部しか解ってないし、恐らくは原作をそのまま活かした部分と、ティム・バートンがかなり独創的に変えてきた部分があったはずなのだが、じゃあ、どことどこがどうかと言われるとそれも定かには答えられない。

バートンのオリジナルの部分で一番大きな改変は、恐らくアリスの年齢を19歳という、原作よりはかなり上に設定したことだと思うのだが、僕自身の例を挙げれば、そんなことにさえパンフレットを読んで初めて気づくというありさまである。

もちろん、イギリス人ならそんなことは全て解っているかと言うと必ずしもそうではないのかもしれないが、しかし、どこかしら彼らには身体に染み付いた部分があるのではないかという気がする。

こういうのって、日本人で言うと何だろう? 童謡唱歌の類でもないし、忠臣蔵でもないし、かと言ってごんぎつねでもない。いくら考えても、日本でアリスに匹敵するような文学作品は思い出せないのである。

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Thursday, April 15, 2010

雑感:バスの中で

【4月15日特記】 僕は週に一度、母を見舞った日に必ずバスに乗るのだが、その度にバスの乗り方、と言うかエチケットが変わったのだなあと痛感する。毎週乗っているから解っていることなのだけれど、それでもバスに乗る度に世の中が変わったのだなあと改めて思うのである。

何かと言えば、「バスが動いている間は席を立たないように」「バスが停止してから席を立つように」というアナウンスと表示である。僕が乗っている阪神バスにはアナウンスと表示の両方がある。

昔は必ずバスが停止する前に席を立って移動を開始し始めたものである。それはバスが止まった時にできるだけ降り口に近いところまで行っておこうとしたからである。

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Wednesday, April 14, 2010

今日の BGM#40

【4月14日特記】 このシリーズは、僕がステッパを踏みながら SONY の Walkman で聴いた音楽の記録である。いや、記録と言いながら毎回書いているわけではなく、ごく気紛れにここに載せている。

この Walkman には現在日本の歌ばかり 1,100 曲ほど入れている。

そして、以前持っていたステッパは1回30分ぐらい踏んでいて、その1回分のラインナップを書いていたのだが、買い換えて今使っているものは15分使うと休ませて放熱させる必要があるので、この欄では2回分を寄せて掲載している。

で、今日も2回分。

  1. Lady (甲斐バンド)
  2. イエロー・サブマリン音頭(金沢明子)
  3. 金曜日の朝(吉田拓郎)
  4. TROPIC OF CAPRICORN (松任谷由実)
  5. 別れてよかった(小川知子)
  6. Hello, Shoo Shoo (鈴木さえ子)
  7. TIME シャワーに射たれて(久保田利伸)
  8. ヤング・フォーレバー(佐野元春)

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Sunday, April 11, 2010

CX『世にも奇妙な物語』

【4月11日特記】 録画しておいた CX『世にも奇妙な物語』(4/4(日)21:00~23:09)を観た。

この特番は、毎回とは言わないまでも、かなり見ている。それはそもそもこういう企画が好きだということもあるが、それ以外に、新進の有望な脚本家を発掘する楽しみがあるからである。実際、ここで書いていて、後にブレイクした作家も何人かいる。

ところで、今回は20周年スペシャルということで、5つのストーリーが全て CX の何がしかの番組を織り込んだ形になっているという趣向である。先にラインナップを示すと、

  1. 『ニュースおじさん、ふたたび』
    主演:香里奈 脚本:保田良太
  2. 『ナデ様の指輪』
    主演:塚地武雅(ドランクドラゴン) 脚本:大久保ともみ
  3. 『もうひとりのオレ』
    主演:藤本敏史(FUJIWARA) 脚本:丸茂周
  4. 『まる子と会える町』
    主演:西田敏行 脚本:正岡謙一郎
  5. 『台詞の神様』
    主演・脚本:三谷幸喜

例えば、1)では香里奈が『めざましテレビ』のリポーター役である。2)と3)では『爆笑レッドカーペット』、『はねるのトびら』の実際の出演者である塚地武雅と藤本敏史が主人公である。

こういうの、ま、企画としては解らないでもないのだが、結果的には失敗する可能性の方が高い。ただでさえ「世にも奇妙な話」を考えだすという高いハードルがあり、もちろんドラマとしての起承転結も必要なところに、余計な設定を加えて要素が増えすぎ、手に負えなくなってしまうのである。

4)などはリストラされた西田敏行が『ちびまる子ちゃん』の世界に行ってしまうという設定で、ドラマの途中から実写とアニメの合成になる。発想としては「意欲的な企画」という褒め言葉を贈るべきものだとは思うが、実際にはそれほど面白くもない。

んー、何故こんなことしなければならないんだろう? 『世にも奇妙な物語』もネタ枯れ状態ということなのだろうか? こういう「企画もの」にすることによって掘り起こそうという、一種のカンフル剤的な試みなのだろうか?

しかしながら、CX の番組のもともとの出演者、しかもお笑いタレントを主人公にした2)や3)は、如何にも企画を狭めた感じがして、今イチ乗り切れない。

フジテレビにしてこれということは、日本のテレビ局全体がネタ枯れということなのだろうか、とちょっと寂しくなってきた。

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Saturday, April 10, 2010

映画『第9地区』

【4月10日特記】 映画『第9地区』を観てきた。

プロデューサは『ロード・オブ・ザ・リング』3部作監督のピーター・ジャクソン、監督はそのジャクソンの秘蔵っ子と言って良いニール・ブロムカンプであり、この映画は彼の長編デビュー作となった。

発想の面白さが全てである。この設定が固まったときにこの映画の勝利は決定した、などと大げさに言っても構わないのではないだろうか(笑) それだけ独創的な設定である。

南アフリカのヨハネスブルグに巨大な UFO がやって来る。しかし、それは上空で静止したままピクリとも動かない。しびれを切らした南ア政府が UFO に穴を開けて突入してみると、そこには栄養失調でぐったりしたエイリアンたちがうじゃうじゃいた──どうです? なかなか素敵な設定でしょ(笑)

で、仕方がないので政府は、その UFO の真下に難民キャンプ「第9地区」を作って彼らを収容するが、完全にスラム化してしまう。

ともかく見た目も醜く汚らしい(人間からはエビ(prawn)と呼ばれる)し、ゴムとキャットフードが大好きでタイヤに群がったり猫缶の奪い合いをしたりする具合で、周辺住民とのトラブルも後を絶たない。

それでとうとう政府は180万人に膨れあがったエイリアンたちの強制移住を決め、その任務を軍事企業 MNU に委嘱したのであった。そして、その指揮を執ることになったのが特に取柄もない脳天気な社員ヴィカスだった。彼の職務は一匹ずつのエビから移住同意のサインを取ることである。

最初のシーンでマイクのコードが絡まったりする辺りの細かい演出で、この男の無能さがうまく表されている。めちゃくちゃ訛りのきつい英語を話すのは、同じ白人であっても旧宗主国であるイギリス人からは低く見られている「アフリカーナー」であるということらしい。

そのヴィカスがエビたちの掘っ立て小屋で正体不明の液体を浴び、その後彼の身体はだんだんエビの姿に変容して行くのである。

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Thursday, April 08, 2010

『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』マスコミ試写会

【4月8日特記】 映画『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』のマスコミ試写会に行ってきた。

まず驚いたのは、これはよくあるシリーズ第2作ではなく、前作の人物・設定・ストーリーをきっちり引き継いだ正真正銘の続編であるということ。もちろん前作を見ていなくてもほとんど解るようには作ってあるが、悪いことは言わない、先に第1作の DVD を借りて見ておいた方が良い。

先に第1作を観ておくと、何故市川が自分の元生徒の浅野を「さん」付けで呼んでいるのか、とか、そもそもゼブラーマンのパワーの源は何なのか、みたいなことが判って、この新作に入って行きやすいだろう。

しかし、それよりも何よりも、このシリーズの荒唐無稽さ、と言うよりもむしろあほくささに慣れておいたほうが良いという意味もある(笑) 

前作と同じく、監督・三池崇史、脚本・宮藤官九郎のコンビである。クドカンだと言ったら、大体感じ解ってくれるでしょ? 言っとくけど、これ単純なヒーロー物なんかじゃないからね。

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Tuesday, April 06, 2010

『アウトレイジ』完成披露試写会

【4月6日特記】 映画『アウトレイジ』の完成披露試写会に行ってきた。何を隠そう、僕は北野武映画の大ファンなのである。

ただし、決して初期のバイオレンス映画のファンだと言うのではない。例を挙げるなら最近作の『アキレスと亀』のような作品に魅かれるのである。しかし、この映画は紛れもなく『その男、凶暴につき』や『ソナチネ』などの、初期の作品を彷彿とさせる、正真正銘のバイオレンス映画である。

かねてから北野武は「暴力はちゃんと痛いのが分かるように描かなければならない」と言っているが、この映画も例外ではなく、ともかく痛い。まともに目を開けて見ていられないほど残酷でショッキングな映像の連続である。

で、ストーリーはと言えばただただヤクザの不毛な殺し合いでしかない。

なのに、どうしてこんなに深い感慨が残るのだろう? それこそが恐らく北野武の表現力なのである。

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追記:『悪いのはみんな萩本欽一である』

【4月6日追記】 『悪いのはみんな萩本欽一である』(一昨日の記事参照)を観て、ひとつ意を強くしたことがある。

それは、このブログにも以前書いたことがあったかもしれないが、テレビが今後取り組んで行くべきなのは「しっかりと作り込んだコンテンツ」なのではないかという思いである。僕のその思いを、この番組が図らずも補強してくれたような気がするのである。

「しっかりと作り込んだコンテンツ」とは、例えばドラマであり、コントであり、音楽番組である。練り込んだ台本に沿って、的確な演出に従い、入念なリハーサルを重ね、丁寧な編集を経て送り出される番組である。

それはアドリブを排除するという意味ではない。コントや音楽にもアドリブの要素はあるし、ドラマや映画でさえアドリブが入り込む余地はある。それがいけないと言うのではない。ただし、最初から綿密な計画を立てて撮り進めた番組という意味である。

それはつまり、出演タレントのトークの力に頼り、現場でのハプニングを活用して行くバラエティとは一線を画す種類の番組という意味である。

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Monday, April 05, 2010

『ヘヴン』川上未映子(書評)

【4月5日特記】 芥川賞をもらった頃に巷間伝えられたイメージから、もっとはちゃめちゃな設定の、荒唐無稽な文章を書く作家だと思っていた。

たとえば途中で世界が歪んで今までのストーリーがどっかへ飛んでしまい、訳は分からんけどなんか面白いとか、文法も時々むちゃくちゃになるけど妙にイメージだけは的確に伝わってくるとか、勝手に僕はそんな小説を想像していたのであった。

ところが、読み始めてみると、かなりオーソドックスではないか。そうなって来るとそうなって来たで、今度はなんだか無性に物足りない気がしてくる。読者とは真に勝手なものである。

描かれているのは、ひと言で言ってしまうと(本当はひと言で言ってしまっては身も蓋もないのだが)中学校でのいじめの話である。

主人公は斜視の少年。恒常的にいじめを受けている。そして、いつからかその少年に親近感を覚えて彼に近寄ってきた同級生の少女・コジマ。彼女もまた「身なりが薄汚い」という理由でいじめを受けている。

どこにも突飛な設定はないし、ぶっ飛んだ表現もない。いや、むしろ、地に足がついた感じで、オーソドックスに巧い作家であることが解る。

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4/5 サイト更新情報

【4月5日特記】 サイトを更新しました(このブログのことではなく、併設する私のHPの更新案内です)。

今回も書評がひとつ、それからレギュラーで更新している言葉のエッセイの新作がひとつです。

書評はスティーヴ・エリクソンの日本での新作で、これは読むのにかなり難渋しました。ところで前回の『ツイッターノミクス』の書評が久しぶりに「今週のオススメ書評」に選ばれましたので、併せてそれもお読みいただければ幸甚です。

エッセイの方は「はん」と「さん」の使い分けについて。これも twitter がらみで、松尾貴史さんの呟きから得た情報を元に書き始めたものです。

という訳で、今回の更新は以下の通り:

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Sunday, April 04, 2010

CX『悪いのはみんな萩本欽一である』

【4月4日特記】 フジテレビが 3/17 に放送した『悪いのはみんな萩本欽一である』を観た。

関西では放送しておらず、この後も放送の予定があるのかないのか分からなかったので、東京在住の twitter 友だちに録画DVDを送ってもらったのである。

演出はテレビマンユニオンの是枝裕和氏である。

氏は「テレビマンユニオンの」と言うよりも、『誰も知らない』『歩いても歩いても』『花よりもなほ』『空気人形』などの映画監督と言った方が通りが良いのかもしれないが、もともとはテレビマンユニオンでドキュメンタリを撮っていた人で、ドキュメンタリでの受賞も多く、僕も何本かは見ている。

他の人のプロデュースであったなら、僕はこの番組を見なかったかもしれない。是枝氏がこのタイトルで撮ったからこそ、どんなものを撮ったのか興味が尽きず、非常に大きな期待を持って観たのである。

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Saturday, April 03, 2010

『ゼブラーマン』

【4月3日特記】 借りてきた DVD で映画『ゼブラーマン』を観た。公開時には「哀川翔主演100本記念作品」とか言われても全然興味が持てなかったのだが、次回作では仲里依紗がゼブラクイーンを演じるとのことで、「こりゃ、観んといかん」となって、まず予習である。

で、観てみて、「はあ、こんな映画だったのね」とびっくり。単純なヒーロー・アクションものだと勝手に思い込んでいたのだが、全然違う。ああ、脚本書いてるの宮藤官九郎ですもんね。なるほど!

主人公は気弱なために生徒を叱ることさえできない小学校のダメ教師(哀川翔)。彼の唯一の趣味がコスプレ。しかも、それは人気番組の人気ヒーローなどではなく、彼が小学校時代に見ていた『ゼブラーマン』という番組で、なんと視聴率 1.8%で7話で打ち切りになったという超マイナー作品。

で、こそこそコスプレ姿で街を歩いていたら、ひょんなことから犯罪現場に出くわして悪と戦う羽目に。ったって、格好だけは一人前でも屋根から落ちたり転んだりでまともに戦えるような男ではない──はずが、なんだか知らんが勝手に体が動いて強いの何の!

おまけに戦ってる相手の正体は地球侵略を企む緑色のエイリアンだという奇想天外の筋で、話の中に主人公の幻想やら夢やらも混じってくるので一体どこまでが現実でどこからが妄想なのか、見ていてもよく解らない。

しかし、そのエイリアンの捜査に真剣に当たる自衛隊が描かれているので、どうやらエイリアンは現実らしい。ただ、捜査に当たってる自衛官(渡部篤郎)自身はやる気がないと言うか不真面目と言うか・・・。

とにかく脱力コメディとシリアスな対決シーンが交互に出てくる、なんとも言えない作品である。

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Thursday, April 01, 2010

『ヒーローショー』完成披露試写会

【4月1日特記】 映画『ヒーローショー』の完成披露試写会に行ってきた。井筒和幸監督である。

『みんな、はじめはコドモだった』の時にも思ったのだが、ここ何年かはすっかりワイドショーのガラの悪いコメンテーターのおっちゃんというイメージしかないのに、映画人としての感覚は全然錆びついていない。ワイドショーでしか知らない人は、こんな映画を見せられたら腰を抜かすのではないだろうか。

世間ではリメイクとか焼き直しとか、あるいは既に他の媒体で大ヒットしたものの映画化とか、そんなものばかりがはびこる中で、こんな風にしっかりとオリジナルのストーリーを練り上げて撮影してくるところが本当に立派だと思う。

テンポが良い。ストーリーに隙がなくて飽きさせない。カメラアングルなどに凝り過ぎることなく、どちらかと言うと短目のカットを重ねて、けれん味なく畳みかけてくる。

ストーリーは単純である。──若者同士がけんかになる。負けたほうが助っ人を頼んで報復にくる。今度はやられたほうが別の助っ人を頼みに逆襲する──。報復の連鎖である、悪循環である。いや、単なる循環ではなく、負のスパイラル、アリ地獄である。そしてとうとうのっぴきならない事態になってしまう。

そういう構造はストーリーの初めのほうですぐに見えてくる。ある意味、監督が何を描こうとしているのかが簡単に伝わり過ぎる感じさえある映画である。そう、不毛をありのままに描こうとしているのである。

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