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Sunday, March 07, 2010

ドラマW『その時までサヨナラ』

【3月7日特記】 WOWOW から録画してあったドラマW『その時までサヨナラ』を観た。

このところ映画もドラマWも録るだけ録って全然見ないまま相当な数が溜まってしまった。漸く暇を見て1本消化。ちなみにこれは2月14日に放送されたものだ。

原作は山田悠介の小説。僕は読んだことない作家だが、『リアル鬼ごっこ』や『親指さがし』などのベストセラーがあるらしい。

主人公は森悟(北村一輝)。別居中の妻・亜紀(清水美沙、昔は「美砂」だったのにいつ改名したのか?)が幼稚園児のひとり息子を連れて福島県に旅行中に列車の脱線事故で死んでしまう(息子は奇跡的に無傷)。

仕事上の大トラブルでボロボロになっているところに、今まで顧みたこともない家事と育児がのしかかってきて、悟は自暴自棄になってしまう。そんな時、亡妻の職場の後輩で春子と名乗る女性(栗山千明)が勝手に家に入り込んで勝手に家のことをやり始める。不思議なことに息子はすぐに懐いてしまった。

──ここまで見て、どうもトーンのはっきりしないドラマだ。

僕が山田悠介という作家のことを全く知らなかったのも大きな原因だが、一体このドラマがラブ・ストーリーなのか犯罪ドラマなのか、それとも単純なホームドラマなのか、あるいはある種の幻想譚またはホラーなのか、その辺のところがよく見えてこない。

でも、それを知らずに観たのが正解だったと思う。どの手の話か見当がつきながら見たら、きっと一番謎の部分も早くに見破ってしまっていただろう。

ただ、やっぱり描かれるドラマの雰囲気があまり一定せず少し見にくい面があるのも確か。カメラが一生懸命頑張って凝った画作りをしているのが微笑ましいくらいだが、なんかそういうことが不必要な緊張感を産んでしまっていたような気がする。

結局この話はどうなるんだろ? 結局「男も家庭のことを顧みなさい」みたいな拍子抜けするほど単純な教訓を残すだけの作品ではないだろうな、と途中からは少し警戒しながら観たのだが、ま、そんなことにはならなかった。

ただ、ケツが重いね。もう少しさっと終われなかったかという気もする。ただ、あのぐらい引っ張ったから最後に少し余韻が出たのかもしれない。

脚本は旺季志ずかという人。日本放送作家協会の創作テレビドラマ脚本懸賞で佳作をもらい、その後『特命係長・只野仁』などTVシリーズもたくさん手がけている。

監督は初山恭洋という人。ググッても『ナースのお仕事』の監督補くらいしか出てこず、ひょっとすると初監督作品かもしれない。

もうちょっと明確な色を押し出せたらもっと良いドラマになったと思う。ま、良い話ではあるが…。ついこの間、鎖鎌女子高生をやっていた栗山千明がこんな役をするようになったのかとちょっと驚いた。

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