映画『時をかける少女』2
【3月22日追記】 映画『時をかける少女』に関して、昨日はあまり役者に触れなかったので追記。
この映画の主演である仲里依紗の相手役を務めたのが中尾明慶。子役としてデビューしたらしいのでもう随分芸歴が長いが、僕が最初に彼を良いと思ったのは5年前のTBS『ドラゴン桜』である。優等生の兄を持つ劣等生の双子の弟という結構おいしい役だった。ちょっとオーバー目の演技ではあったが、その分印象は強烈に残った。
その後、同じくTBSの『ブラザー☆ビート』でも味のある役をこなし、一昨年の『ROOKIES』でとうとう花開いた感がある。『金八先生』や『GOOD LUCK!!』もあり、TBSが育てた役者と言っても良いのではないだろうか。
僕も密かに応援していたので、あの顔で今回の主演級の役を得られたことをとても喜ばしく思う。
それから同世代の役者として柄本時生が出演している。柄本明と角替和枝の子どもである柄本佑と柄本時生の兄弟は2人とも非常に達者で、脇役としての使い勝手が良い。今回も小さな役だがしっかりと存在感を残している。
それから、ふたたび主演の仲里依紗と娘時代の仲の母親役の石橋杏奈。この2人についての谷口正晃監督のコメントを是非ともここに転載しておきたい。パンフレットに掲載されていたインタビュー記事からの引用である。
仲里依紗については、
芝居の立ち上がりが早く、テイクは重ねないほうがいい。常に新鮮な芝居を打ち出してくるので、カメラマンや僕は獲物を狙うハンターのような目で彼女を追い続けました。ちなみに、仲さんの演技に関してはアニメ版を意識させる演出は一切していません。
一方、石橋杏奈については、
仲さんとは逆で、テイクを重ねると良くなるタイプの女優さんだと思いました。年齢の割に落ち着いた、オーソドックスなタイプ。(中略)それから、彼女は大林宣彦監督の映画に通じる、奥ゆかしい清潔感がある女優なので、83年版のオマージュに見えるかもしれません。
こういう話ってとても面白い。そして、こういうのを読むとどちらの女優も好きになってしまうのである。
ちなみに仲里依紗は今年21歳、石橋杏奈はまだ18歳である。
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