物は壊れる、人は死ぬ
【3月16日更新】 CD や DVD は意外に破損しやすいものである──僕にはそういう実感があるのだが、皆さんは如何だろうか? 事実僕は「何枚も」とは言わないが「何枚か」の CD/DVD をダメにしている。
ただ、今までに壊れたのは自分で音楽や様々なファイルを保存した CD/DVDであった。今回初めて市販された音楽 CD が聴けなくなって、はあ、素材ではなくてこういうソフトウェアもぶっ壊れるんだ、と少しショックを受けた。
どういう過程で壊れたかと言うとそれはよく解らない。気がついたら壊れていたのである。どういう過程で壊れているのを発見したかと言うと、CD から PC に取り込もうとしたら全く認識してくれなかったのである。
それは薬師丸ひろ子のシングルCD『時代』だった。いつ、何がきっかけで購入したのか明確に憶えてはいないが、僕は中島みゆきのオリジナルが好きではなかったので、薬師丸バージョンが発売されて初めて買う気になったということだけは間違いない。
で、何回かCDプレイヤで聴いたはずだ。そして、その後 PC に取り込んで Walkman に転送し、それからは一度も触っていない。
今回古い Walkman に入っていた局がたくさん死んで、改めて取り込もうとしたらこの有様である。盤面を見ると円周方向に小さな傷が2つある。しかし、引っ掻いたことも落としたこともなく、ずっとCDラックに収まっていたのにどうしてこんなことになるんだろうか?
いずれにしても、何度かトライしたが CD ドライブが全く認識してくれないのでお手上げである。やむなく捨てることにした。
CD という代物が世に出て来たときには、「こんなに素晴らしい媒体があるのか!」と感動したものだ。レコードは何度か聴くうちに雑音が混じってくる。カセットテープに録音しておいてもいずれ伸びてしまって音が歪んでくる。それに対して CD は全く雑音もないし劣化もしない!
ずっとそう思っていたし、大筋でそれは間違いではない。
ただ、物は壊れる、人は死ぬ、というのは自然の摂理である。
そして、デジタル信号は劣化しない代わりに読めないとなると全く読めない。かつての家庭には映りの悪いテレビがあちこちにあったが、デジタルになると映りの悪いTVというものはない。それは綺麗に映るか何も映らないかである。
音楽 CD は綺麗に聞こえるか何も聞こえないかである。映画 DVD は映画が観られるか何も観られないかである。データ CD/DVD はデータが読めるか読めないかである。
フラッシュメディアは1000回書き換えると読めなくなると言うし、あまりに長い間放置しておくとやはり読めなくなると言う。
贅沢を言うつもりはない。せめて僕が死ぬまでの間持てば良いのである。結局のところ、大切な音楽や映像は何で保存しておけば良いのだろうか?
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