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Monday, February 01, 2010

映画館の階段

【2月1日特記】 一昨日『ゴールデンスランバー』を観に行ったのは TOHO シネマズ西宮 OS だった。ここは去年オープンしたばかりのシネコンでとても心地よい。

昔の映画館というやつはこんな良い環境ではなかった。

つまり、概ねフラットな床に安物の椅子が据え付けてあるのが大抵だったし、少し傾斜が付いていたとしてもごく緩やかなスロープで、おまけに前後の列を互い違いになんかしていなかったので、前に背の高い人に座られたら悲劇だった。

ところが、最近の映画館はとてもきつい傾斜が付いたすり鉢状の観覧席になっていて、中には前後の列を半人分ずつずらしてある場合もあり、仮にプロのバスケットボールの選手が前に座ったとしても邪魔に思うことはないだろう。

きつい傾斜をつけると自ずと天井は高くしなければならないし、建築の手間も経費もかかるのだろうと思う。それでもそういう構造にするのは少しでも心地よい環境で映画を観てもらおう(そのことによって自館に客を呼び込もう)とする心懸けで、観客の方からすると至れり尽くせりである。

で、昨日の話に戻るのだが、僕が入場して行くと、僕の2人前におばあさんのお客さんがいて、「どっこいしょ、よっこらしょ、ああ、しんど、どっこらしょ」と言いながら階段を登っている。

何かと思えば、どうやら足が弱ってきているようで階段が辛いのである。一歩ごとに「どっこいしょ」と声を挙げ、「ああ、しんど」と喘いでいる。

上から3段目ぐらいまで上がったところで周りの人にそこが自分の席であることを教わって、「ああ、しんど、息きれるわ。ハァハァハァ」と座った後もまだ息も絶え絶えである。

「ほんまになあ、83にもなってこんなとこへ連れてこられるとは」云々と不平が口を衝いて出る。彼女を連れてきた家族はトイレか売店にでも行っているのか姿が見えない。

83と言えばウチの母とほぼ同い年である。なるほど、母を連れてきたら恐らく同じことになるだろう(もっともウチの母は認知症で記憶が持たないので、もう映画を観るのは無理なのだが)。

──そんなことがこのおばあさんを見るまでわからなかったのである。同い年で、同じように足腰が弱ってきている母がいながら、それを想像することさえなかったのである。映画館は昔と違って快適になったなあとばかり思って、お年寄りにはこの階段は辛いかもしれんということに思い及ばなかったのである。

劇場を作っている人たちも多分同じだろう。

こういうのって、どうしたら良いんだろう。いや、遅まきながら気がついたのであれば、これから考えれば良いではないか、と言われるかもしれないが、しかし、一体どうすれば解決するのだろう? エスカレータを付けるというのは現実的な案ではないだろう。

かと言って、高さが可動式の床が観客の着席後に動き出すというような大規模なからくりを作るのも非現実的ではないか。

こういうのって、どうしたら良いのだろう?

一昨日からずっとそのことを考えている。答えは簡単には得られない。

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