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Tuesday, February 23, 2010

『ダーリンは外国人』試写会

【2月23日特記】 映画『ダーリンは外国人』の業務試写会に行ってきた。小栗左多里の原作は最初の巻だけ読んでいる。

で、原作を読んだ者が心配するのは、あの細切れの漫画が一本筋の通った2時間の映画になるだろうか、ということだろうと思う。少なくとも僕にとってはそれが最大の焦点だった。

そういうこともあって、映画は2人が結婚する前から始めている。原作にはなかった(2巻以降に書かれてたりするのかな?)交際時代を描くことによって、結婚というゴールをクライマックスに据えたドラマ作りをしようという魂胆である。

でも、この試みはあまりうまく行かなかったのではないだろうか? 結局原作の味を打ち消してしまったのではないだろうか? 原作漫画は悪く言えば日本語ブームに乗っかってベストセラーになったわけだが、映画も恥ずかしからずにその構造に思いっきり乗っかって、日本語蘊蓄ギャグ100連発みたいな形にしたほうが良かったのではないかと思えて仕方がなかった。

となると、これは企画自体が失敗ということになる。

ただ、どうなんだろう、これがあの漫画の映画化であると思うのではなく、また、外国人を夫に選んだ女性の物語でさえなく、単に若い女性の結婚を描いたドラマであると、そこまで割り切って見たらそんなにひどい映画ではない。

小栗左多里に扮したのは井上真央である。可愛い魅力的な女優である。

ダーリンのトニーを演じたのはまだあまり名の売れていないジョナサン・シェアだが、この人は日本語が達者なのは言うまでもなく、原作のトニー像を残しながら、一方で原作のトニーよりも遥かに爽やかでカッコいい。これは女性ファンがつくのではないだろうか。

そして左多里の両親が國村隼と大竹しのぶという、もはや日本を代表する男優と女優と言っても過言ではない2人である。大変良い芝居を見せてもらった。

ただ、無理やり構築してしまったストーリーはやや安直・安易の感があり、映像のテンポも少し悪い印象がある。もう0.5~1秒早くカットを切り替えても良いのではないかという気がした。

監督の宇恵和昭はCM出身。CM出身の人って大体瞬発力はあるのに2時間の映画に構成するのが下手だったりするものだが、この映画は最初からその特性とは逆方向に走り出してしまったような気がする。

むしろ、15秒/30秒の映像作りの経験で培われた瞬発力(本当にそういう力が備わっているとしてだが)を活かして、原作にあるようなトニーの日本語に対する素朴すぎて笑える疑問と、それに苦し紛れに答える左多里との抱腹絶倒のやり取りみたいのものを前面に押し出すほうが、作戦としては良かったような気がする。

映画は1時間40分ほどであるので、あまり飽きないうちに終わるのだが、何故もう30分かけてでも原作にあったような言葉の面白さを追及しようとしなかったのかがちょっと不思議。

まあ、でも、ゼクシィの読者なんかには好感を以て捉えられるのではないかな。

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Comments

拝見させて頂きました。今日ある番組でジョナサンと井上さんのラブシーンがあると聞きましたがどの程度ですか?娘を連れていきたいので…

Posted by: コウ | Saturday, April 03, 2010 at 00:51

> コウさん
ラブシーン? はて、そんなもんありましたっけ?という感じです。キスシーンも確か1回しかなかった(記憶違いだったらゴメンナサイ)ような気がしますし、全体としてお子さんに見せるのが憚られるような映画ではなかったという印象なんですが…。多分大丈夫だと思いますよ。

Posted by: yama_eigh | Saturday, April 03, 2010 at 10:44

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