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Sunday, February 28, 2010

映画『人間失格』

【2月28日特記】 映画『人間失格』を観てきた。

客層がバラバラだ。多分生田斗真目当ての人と太宰文学のファンが混じっている。そして、どれくらいいるか分からないが、僕のように荒戸源次郎を見に来た人と。

(そんなことを考えていたら、荒戸監督がインタビューに答えて同じようなことを言っているのを発見した。監督の見立てでは、生田斗真を始め男優・女優のファンが大半、太宰ファンがその10分の1、荒戸監督を見ようという「奇特な方」はさらにその100分の1)

荒戸映画は『ゲルマニウムの夜』以来である。監督作品となると『赤目四十八瀧心中未遂』以来ということになる。

原作の小説は僕も多分高校時代に読んだ。が、何も憶えていない。ま、今から思えばあんな小説を高校時代に読んでも解るはずがない。太宰ほどの早熟であればまだしも僕では到底無理だ。にも拘わらず解ったような気になっていたんだろうなとは思うが(それが若さだ)。

去年から今年にかけて太宰生誕何年だか没後何年だか知らんが、何本もの太宰映画が制作され公開された。僕はあんまり気に入らない。そんなに凄い作家なのか、という思いもある。高校時代に何作か読んで、その後決して嵌ったりしなかったのはやっぱりあまり好きな作家ではなかったということなんだろうか?

あの自意識過剰ぶりに辟易するのである。いや、それは多分近親憎悪なのかもしれない。ただ、僕は酒も飲めないし太宰のように女にモテたりもしないので純粋な嫉妬心と言うべきなのかもしれない。

まあ、どっちにしても、ほんとにどうでも良い物語なのである。ろくでもない話なのである。だから見ていてちっとも面白くない映画なのである。ひたすらやるせなくなるのである。他にももっと映画化すべき小説はあるだろうに、などと思ってしまう。

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Saturday, February 27, 2010

再聴:和幸

【2月27日特記】 何度か書いているように、古い Walkman がぶっ壊れかけたので新しい Walkman を買ってきて今新たに曲を収集して収録している。

その曲選びの作業の中で手持ちのアルバムを聞き直すうちに、とある2枚のアルバムの凄さを再認識した。

それは和幸の『和幸 ゴールデン・ヒッツ』と『ひっぴいえんど』である。加藤和彦が亡くなったのは何月だったか。あの時にこのアルバムに触れた記事はどれほどあったのだろうか。

このアルバムを聴くと改めて加藤和彦の偉大さと洒脱さに脱帽することになるし、改めて坂崎幸之助の豊かな才能と加藤和彦との相性の良さに舌を巻くのである。

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Friday, February 26, 2010

『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』太田直子(書評)

【2月26日特記】 映画の字幕翻訳者のエッセイである。タイトルを見れば凡そどんなことが書いていあるのかは想像がつく。

字幕というのは単なる翻訳ではなく、限られたスペースに、限られた時間で読める、限られた字数の漢字と仮名で、外国語の意味を日本語の意味に置き換える作業である。そういう厳しい制限の中で繰り広げられる、言わば翻訳の「芸」なのである。

僕自身も洋画を観ていて、「おお、直訳としては邪道だけど、意味と雰囲気を同時に伝える見事な字幕だ!」と感激したり、「ははあ、限られた字数の日本語にするには、こう訳すしかなかったか。なるほどなあ」と納得したり、時には「それは違うだろ」とひとりごちたりしていることがある。明らかな誤訳を指摘するメールを配給会社に送ったこともある。

普段からそういう風に字幕に対する関心が強い人間にはなかなか面白い読み物であった。実は濃霧で飛行機の出発が遅れたときに空港の売店で買ったのだが、一日で読んでしまった。

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Thursday, February 25, 2010

748曲の命運 続報

【2月25日特記】 もう諦めたのである。

前の記事に書いたように、僕が長年愛用してきた SONY の Network Walkman (748曲入り)がぶっ壊れかけていて、その中に新しい機器に移せそうもない曲がたくさんあるのである。

何故移せないかと言うと、それは前の記事のコメント欄に書いたように、前の PC に保存していて今の PC には保存されていない曲が結構あるからであり、また、昔に D/L した曲は今のように「機器への転送:無制限(あるいは10回)」などという曲は殆どなくて、1回しか転送できないものも少なくなく、そういうこともあってバックアップを諦めたのである。

また、このことは前の記事には書かなかったが、手持ちの CD から録音した曲に関して言うとまた別の事情がある。

僕は ハードディスクがまだ極めて小さかった時代に PC を買ったオールドユーザなので、なんであれハードディスクをできるだけ空けておくということが頭にあり、そのため CD という形で既に保持している曲をダブって PC に収めておくことに強い抵抗感があり、それで一旦 Walkman に移してしまった曲は再度ハードディスクから消去していたのである。

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Tuesday, February 23, 2010

『ダーリンは外国人』試写会

【2月23日特記】 映画『ダーリンは外国人』の業務試写会に行ってきた。小栗左多里の原作は最初の巻だけ読んでいる。

で、原作を読んだ者が心配するのは、あの細切れの漫画が一本筋の通った2時間の映画になるだろうか、ということだろうと思う。少なくとも僕にとってはそれが最大の焦点だった。

そういうこともあって、映画は2人が結婚する前から始めている。原作にはなかった(2巻以降に書かれてたりするのかな?)交際時代を描くことによって、結婚というゴールをクライマックスに据えたドラマ作りをしようという魂胆である。

でも、この試みはあまりうまく行かなかったのではないだろうか? 結局原作の味を打ち消してしまったのではないだろうか? 原作漫画は悪く言えば日本語ブームに乗っかってベストセラーになったわけだが、映画も恥ずかしからずにその構造に思いっきり乗っかって、日本語蘊蓄ギャグ100連発みたいな形にしたほうが良かったのではないかと思えて仕方がなかった。

となると、これは企画自体が失敗ということになる。

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Monday, February 22, 2010

『数学ガール』結城浩(書評)

【2月22日特記】 数学は面白い。その面白さの理由(あるいは秘密と言ったほうが良いかもしれない)はたくさんある。

そのうちのひとつは、凡そ関係ないと思われていたものが繋がってくるからだ。例えば有名なオイラーの公式に於いては、それぞれ全く関係のない定義で習ったはずの円周率πと自然対数の底eと虚数iがひとつの等式の中に収まってしまうのである!

この本に出てくる例で言うと、フィボナッチ数列の一般項がちゃんと数式で表すことができ、しかもその数式の中にルート5(5の平方根)が3度も登場するということである。このややこしい式にn=いくつと代入しても見事に答えは整数となり、しかも前項と前々項の和になっているのである!

あるいは、例えば sin x のような単純な関数がテイラー展開することによって、まるで手品みたいに無限次の多項式に置き換えられてしまうのである!

そういう数の神秘をこの本は教えてくれる。そして、そのための言わば狂言回しとして登場するのが3人の高校生である。

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なんで邦画?

【2月22日特記】 最近かなり減ったけれども、今でも時々僕が日本映画が好きで日本映画ばかり観ていると言うと「どうして?」と訊かれる時がある。そんな時、僕は澄ましてこう答えることにしている:

「だって、日本人ですから」

だって考えてもみてほしい。和食が好きで和食ばかり食べていると言う日本人に誰が「どうして?」と訊くだろう? そして、仮にまあ、もし訊かれた場合は、「だって、日本人ですから」で良いのではないだろうか?

ただ、邦画や和食をもっと他の例に入れ替えてみると、もっといろんなことが判ってくる。

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Sunday, February 21, 2010

映画『パレード』

【2月21日特記】 映画『パレード』を観てきた。2月にして早くも今年2本目の行定勲。原作は芥川賞作家・吉田修一の山本周五郎賞受賞作。

やっぱり行定勲監督が得意なのはこういう群像劇なんだよなあ、としみじみ思った。すぐに思い出したのが『きょうのできごと a day on the planet』である。あの映画も見ていてしんどかったが、なんか見終わって捨てがたい感じがあった(ちなみに2004年度のキネ旬38位)。

この映画も途中結構しんどい。そして最後が近づくにつれてだんだん重くなってくる。まるで日本映画の伝統を踏まえたかのような、やや暗めの画面がその重さを増幅する。

見ていて途中がしんどいのは却々劇的なことが起こらないからである。なぜならばこの映画はある種劇的なことが起こらないしんどさを描いた映画だから。そして、終盤になってそのしんどさが重さに転じてくる──そういう構造である。

中心となる登場人物は5人。まず2LDKのマンションをルームシェアしている若者4人:大学生の良介(小出恵介)、無職の琴美(貫地谷しほり)、映画会社勤務の直輝(藤原竜也)、イラストレータ兼雑貨屋店員の未来(香里奈)。そこにある日、男娼のサトル(林遣都)が転がり込んでくる。

ちょうど近所で連続暴行事件が起こっていたので、未来はサトルが犯人ではないかと疑ったりする。僕はこの犯人探しを本筋にしたサスペンスかと思って見に行ったのであるが、全然違った。

良介は先輩の彼女である貴和子(中村ゆり)に惚れている。この貴和子がまた平気で二股かけるような女である。

琴美は同郷の有名若手俳優・友彦(竹財輝之助)と交際していて、撮影の合間に彼が呼び出してくるのをずっと待っている。

直輝はバリバリと仕事をこなし、毎晩近所をジョギングする健康な男。そもそもこのマンションは直輝が恋人だった美咲(野波麻帆)と住んでいた家だった。

未来はいつも酔っ払ってるか二日酔いかのどちらかである。サトルを連れてきたのも酔っ払った未来であったが、未来にはその記憶さえなかった。

そして、サトルが一番謎に包まれた人物である。近所の暴行事件というのもストーリー上ではサトルを謎めいた人物として形容するための最初の道具だったのであるが、その後もよく分からない行動を取り続ける。

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Saturday, February 20, 2010

2/20 サイト更新

【2月20日特記】 本日サイトを更新しました(このブログのことではなく、併設する私のHPの更新案内です)。

今回は書評はありません。定例のことばのエッセイの更新だけになってしまいました。

ここのところ、この2つのコーナーしか更新していないので、我ながら少し淋しい気もしますが、まあ追い追い。

で、今回の更新は下記の通り:

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Thursday, February 18, 2010

『NINE』マスコミ試写会

【2月18日特記】 映画『NINE』のマスコミ試写会に行ってきた。なかなか味わい深い。日本で当たるかどうかはちょっと解らないが…。

構造的にはいささか複雑である。まずイタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニの映画『8 1/2』があり、それを「半歩進めて」ブロードウェイのミュージカル『NINE』が作られた。で、今度はそれを再び映画の世界に「戻した」形になっているのがこの映画である。

この味わいの深さは結局フェリーニに繋がっているというわけだ。

ストーリーとしては、すでに製作発表までしてしまったにも拘らず1字たりとも脚本が書けない名監督グイド・コンティーニ(ダニエル・デイ=ルイス)の苦悩と行き詰まり感を前面に、その背後でグイドの生い立ち(特に母との関係)や仕事と綯い交ぜになった複数の女たちとの情事を描いている。

歌って踊ってのミュージカルと言うよりも要所がミュージカル構成になっているという表現のほうが正確だろう。

前述の通り、元はブロードウェイ・ミュージカルであるとは言え、大元はイタリア映画であり、ヨーロッパの役者がたくさん出てロケ地もイタリアであるためにヨーロッパの香りが非常に強い。アメリカ人はこれをどう捉えたのであろうか?

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Wednesday, February 17, 2010

twitter及び「nifty クリップ」との連携機能

【2月17日特記】 このところ、ココログの新機能の公開が目白押しである。管理画面がいろんな面で改善され使い勝手が良くなってきた。

そして、管理者サイドではなく読者の側から見た大きな変更点としては、昨日からこのブログでも表示されている twitter や「nifty クリップ」との連携ボタンである。

そもそも twitter や「nifty クリップ」を使っていない人には何の意味もない機能であるが、ついったらーにとっては安直な道具になるし、僕は「nifty クリップ」というサービスはつかったことがなかったのだが、こういうボタンがあるのなら使ってみようかなという気にさせてくれる。

使い方は簡単である。と言うか、押してみれば解る。

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Tuesday, February 16, 2010

今日の BGM#37

【2月16日特記】 さて、今回も2回分。ステッパーを踏みながら、今にもぶっ壊れそうな SONY の Network Walkman からシャッフルモードで聴いた音楽の記録である。

  1. FOREVER (Pushim)
  2. 悲しい色やね(上田正樹)
  3. My Revolution (渡辺美里)
  4. 桜ロック(CHERRYBLOSSOM)
  5. 遥か(GReeeeN)
  6. 空に星があるように(荒木一郎)
  7. ストライク(スネオヘアー)

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Monday, February 15, 2010

ちょっとこんがらがってませんか?

【2月15日特記】 ここ2、3日、バンクーバー・オリンピックの日本男子スノボ代表の国母選手の「腰パン&ネクタイ緩め」ファッションを巡ってネット上もまたかまびすしい。

ただ、こういうときに(特に日本では)ありがちなことなのだが、それぞれの人がいろんな軸や観点からさまざまなことを言うので議論が噛み合わないのである。

この国母選手の件について整理すると、巷で云々されているポイントはいくつかある。

  1. ユニフォームをあんな風に着崩すことの是非
  2. ユニフォームを着崩したことをスキー連盟が問題にし、出場停止まで検討するに至ることの是非
  3. 記者会見での国母選手の言動(「反省してま~す」)の是非
  4. 上記2を承けて「国母選手を応援する会」までが自主的に中止されることの是非
  5. そもそも五輪選手の制服の着方にまで規律があることの是非

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Sunday, February 14, 2010

映画『ボーイズ オン・ザ・ラン』

【2月14日特記】 映画『ボーイズ オン・ザ・ラン』を観てきた。

主演は銀杏BOYZのボーカリストであり、田口トモロヲ監督の『色即ぜねれいしょん』でヒゲゴジラ役をやっていた峯田和伸である(その前に同じ田口監督の『アイデン&ティティ』で主演していたらしいが生憎これは観ていない)。共演はケラリーノ・サンドロビッチ監督の『グミ・チョコレート・パイン』でマドンナ役を務めていた黒川芽以である。

そぞろに魅かれるではないか。

と言うのも、『色即ぜねれいしょん』はみうらじゅん原作の、『グミ・チョコレート・パイン』は大槻ケンヂ原作の、ともに青春映画の佳作であったからだ。そういうところからもなんとなく期待感が高まる。

この『ボーイズ オン・ザ・ラン』の原作漫画は大ヒットしたらしいが、僕は全く知らなかった。主人公が29歳であるとは言え、これもまた青春映画と呼んで良いのではないだろうか。

本当に情けない男を描いているのだが、この並外れた情けなさが全ての読者(観客)の目に並外れた普遍性を訴えかけることができるかどうかが鍵だろう。多分、コミックスではそれに成功したのだろう。さて、映画はどうか?

(ここで書くのもなんですが、今回は少し内容に触れすぎている嫌いがあるので、これからご覧になる方は、以下はお読みにならない方が良いかもしれません。いえ、ストーリーの結末を明かしてしまっているというわけではないのですが、ちょっといろんな点に触れすぎているので…)

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Saturday, February 13, 2010

748曲の命運

【2月13日特記】 このブログには何度も書いているが、音楽配信DL/録音再生に関しては僕はiPod / iTunes  派ではなく Sony の Network Walkman / Mora 派である。で、困ったことに、その Network Walkman が壊れかけているのである。

電源を入れても「データベースがありません」と表示されて曲のデータが出てこない。出てこないから曲が聴けないのである。幸い今のところはメニューをコチョコチョいじっていると、そのうち気紛れに Artist メニューだけが出てくるので、かろうじてそこから聴いている。

困ったことだ。近々完全にぶっ壊れるような気がする。1949年から今年までの日本の歌ばかり748曲も入っているのだが・・・。

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Thursday, February 11, 2010

年賀状の整理を考える

【2月11日特記】 今日は年賀状の整理をした。時間がかかる作業なので、休日でないと取り掛かりにくい。そして、お年玉付き年賀はがきの抽選と引換が終わらない内にやってしまうと面倒なことになるので、毎年2月に入ってからの作業になってしまっている。

年賀状の整理と言っても、実は2種類の作業があって、メインは年賀状そのものの整理ではなく、住所録データベースの更新作業である。

──住所等が変わっている人がいないかどうか1件ずつ確認して更新して行く。年賀状のやり取り(と言っても、「取る」ほうは年賀状だが僕が「やる」ほうはクリスマスカードなのだが)の実績を記録する。この実績と他のいくつかの項目を絡めてクエリを作ってクリスマスカードの宛名を抽出印刷しているのである。

「よくまあ、そんな面倒くさいことを。俺にはそんなことやってられないわ」などと、別に勧めてもいないのにそんなことを言い出す人がいるが、これは僕が好きでやっているだけのことで、他人に知ってもらってどうというつもりもないし、もちろん他人に「やってみれば?」という気もない。

ただ、もうひとつの整理のほうは、ひょっとするとお役に立つかもしれない。

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Tuesday, February 09, 2010

封筒の中味と頭の中味

【2月9日追記】 マンションによく「お宅のマンションを売りませんか」というチラシが入っているという話は前にも書いた

これがまた、ペラ1のチラシが裸で郵便受けに放り込まれているのではなく、ご丁寧にもきれいに折り畳んで、封をしない封筒に入れて配られているのである。いろんな不動産会社がこの手のチラシを入れてくるので、それこそいろんな種類の封筒が入っているのだが、もう封筒というだけで「またか」と思ってしまう。

で、中味を確かめて捨てるわけだが、この封筒がなにやらもったいない。封はしてないし、汚れたり折れたり曲がったりもしていない。

何かの時に使えるなあと思って取っておいたのだが、どう考えても使いきれないくらいに溜まってしまった。

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Monday, February 08, 2010

「キネマ旬報」2月下旬号(2)

【2月8日追記】 このブログではこのところ毎年、キネ旬の1-10位の得点を分解してみるという試みをやっている。何人の審査員が平均何点ずつを投じてこの得点が出来 上がったのかという分析である。

ご存じでない方のために書いておくと、キネ旬の審査は各審査員(2009年度日本映画の場合は55人──対前年比7名減)が1位と思う作品には10 点、2位には9点という具合に総持ち点55点を投じて行く形式である。

で、統計学的にちゃんと分析するとなると分散をはじいたりするんだろうけど、とりあえず簡便で見た目も解りやすい方法として「人数×平均点」という形で表わしてみるのである。1点以上をつけた審査員の数×その平均点である。

これをこのように分解することによって、多くの人に受けたのか一部の人に高く評価されたのか、その映画によって微妙なばらつきが見えて来るのである。

さて、早速その計算結果を並べると以下のような形になった。

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Sunday, February 07, 2010

「キネマ旬報」2月下旬号(1)

【2月7日特記】 「キネマ旬報」2月下旬決算特別号が発売になりました。さて、今年も去年と同じ形式で第11位以下の作品を総点検してみましょう。僕自身の2つの記事(12月24日付け1月12日付け)の続編という形になります。

第11位が『のんちゃんのり弁』。これは正直言って驚きましたね。いや、確かに良い映画でした。ただ、少し軽いかな、やや小粒かな、という感じで、とてもこんな上位にランクされるとは思いませんでした。僕が選ばなかったのは、ひょっとしたら前作『いつか読書する日』のあの強烈な重さが頭の中に残りすぎていて、その反動だったのかもしれません。

第12位が『あんにょん由美香』。これは観ようかなと思いはしたのですが、結局パスしてしまった映画です。

第13位『嗚呼 満蒙開拓団』、第14位『ポチの告白』──この2本は全くノーマーク。今以てどんな映画だったのか全然知りません。

第15位は『大阪ハムレット』。これも、おおっ!という感じですね。松坂慶子、岸部一徳をはじめ、子どもたち3人も含めて役者はみんな良かったですが、展開がちょっと単調かなと思って僕は選びませんでした。しかし、それにしても、関西人にしか受けないのではないかと思ったのですが、15位に入ってくるとは立派です。

第16位が『重力ピエロ』。ああ、これが来ましたか。僕も「とても良い監督だ」と思いました。でも、その割にはそれほど「良い映画だ」とは思わなかったんですね。いや、作品にケチをつけようと言うのではありません。映画全体よりも監督の演出の方が印象に残った不思議な映画だったということです。

そして、第17位が『精神』。これもめちゃくちゃ評判になった映画ですが、僕はテーマ的にしんどそうなのでパスしてしまいました。

続いて第18位が『南極料理人』。あ、これってそんな良い映画だったんですか。ワンテーマじゃしんどいのかなと思ったりもして、なんとなくパスしてしまいました。

第19位が『私は猫ストーカー』。これも見てないですけど、まあ、いかにもキネ旬らしい映画が上位に入ってきてますね。ちょっとびっくり。

そして第20位に漸く僕が推した『フィッシュストーリー』が入ってきました。

その結果、前の記事との関係で総括すると、僕が「キネマ旬報ベストテン20位以内に入ってほしい」として選んだ10本のうち10位以内には5本入ったんですが、11-20位が1本だけだったために、最終的にキネ旬の20位以内には合計6本でした。なんとこれは昨年と全く同じ形ではないですか!

そして6本的中というのも3年連続。僕が推した作品は10位以内には割合入るのですが毎年11-20位を大きく外してしまっています。

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Saturday, February 06, 2010

映画『パラノーマル・アクティビティ』

【2月6日特記】 昨日、映画『パラノーマル・アクティビティ』を観てきた。

「15,000ドル(135万円)で製作して全米で1億ドル(90億円)の興行収入を上げた」と話題のホラーである。そして、この宣伝文句となっている事実が全てを物語っている。

つまり、それだけ客が入るくらいだから間違いなく面白い映画なのだ。だが、どんなに手持ちの機材やコネや友情を総動員しても所詮135万円でできることは限られている。135万円にしてはメチャクチャ面白いということで客が殺到したのだろう。

役者は無名。登場人物も少ない。とある一軒家が撮影場所の全て。カメラは1台だけ。そういう環境でとても巧く工夫してはいるが、大金をつぎ込んだ娯楽作品のように次から次へと目が離せないことが起こるわけではない。

だから、途中どうしても単調になってしまう。そこをどうするかが脚本の腕である。同じアングルの同じ画面が続く映画を、どうやって勿体つけるか──そこが却々巧い。

巧く引っ張って引っ張って、最後に唯一の仕掛けらしい仕掛けに持って行く、そのテクニックで持っているホラーである。

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Friday, February 05, 2010

2/5 サイト更新

【2月5日特記】 本日サイトを更新しました(このブログのことではなく、併設する私のHPの更新案内です)。

まずは bk1 に投稿している書評が2つ。

それから、レギュラーで月2回更新している言葉のエッセイの新作です。こちらのほうは twitter での自分のつぶやきからヒントを得て、もう少し掘り下げて整理したものです。

という訳で、今回の更新は下記の通り:

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Thursday, February 04, 2010

『巡礼』橋本治(書評)

【2月4日特記】 実は橋本治の作品を読むのは初めてである。僕の頭にはなんか軽くてポップな読み物を書く人という印象があって、それに抵抗感があって一度も読まなかったのである。若いときは本当にそんな作品を書いていたのかもしれないが、何せ読んだことがないので何とも言えない。

ところが、この小説に限れば、軽くてポップなところなどどこにもない。となると、逆に読んでいてもの足りない気がして来るのだから勝手なものである。

そういうこともあって、最初のほうは読んでいてあまり乗り切れなかった。しかし、いつの間にか小説のリズムに取り込まれている自分がいた。

さて題材は、テレビのワイドショーなどでもよく紹介されている所謂「ゴミ屋敷」である。なんでそういう状態になるのか視聴者は理解に苦しむのだが、意外に日本の各地に似たような家がある。

この小説も、そういうゴミ屋敷をテレビ局が取材に来るところから始まる。そして、一旦時代を遡って、このゴミ屋敷の主である老人が如何にして今の状態に至ったのかを、その幼少時代から丹念になぞっている。

いやはや単に軽くない、ポップでないというだけではなく、読んでいてやりきれない気分になる小説である。そして、「ある日ある時こういう事件があって、それが理由で、それがきっかけでこの家はゴミ屋敷になりました」というような解りやすい話ではないのである。

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Wednesday, February 03, 2010

随想:駅前混雑考

【2月3日特記】 退勤ラッシュ時に帰ると、我が家の最寄り駅の前はお迎えの車がごった返している。結構大型の外車が比率が高い。駅前から上りの道が続いていて、その先の丘の上に立派なお屋敷がたくさん建っているのだが、多分そのあたりの家の車ではないかと思う。

乗って待っているのは妻たち。言うまでもなく、車がなければ帰れない夫を迎えに来ているのである。

ご苦労なことだなあ、と思う。

夫の帰ってくる時間は日によって違うだろう。何時に帰ってくるか分からない夫を待ちながら、晩ご飯の支度もしながら、電話がかかってきてから30分後だか1時間後には車を出して駅に着いていなければならないのである。

夫が宴会の日は子どもたちとご飯を済ませて、後片付けも終えた上で、10時とか11時に迎えに来るのだろうか。

我が家ではこんなことはあり得ない。

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Tuesday, February 02, 2010

手洗いって何?

【2月2日更新】 手を洗うという行為は一体何をしているのかな、と思う。

うがいという行為が何をしているかは割と直感的に解る。ガラガラガラ、ペッ、とすることによって恐らく黴菌とか細菌とか病原菌などといった輩を喉の奥から追い出そうとしているのだろう。そこにうがい薬を併用しようとするのは多分追い出すだけじゃなくて菌を殺してしまおうという魂胆なのだ。

ただ、何年か前に、「うがい薬を使った場合と単なる水うがいの場合で風邪を引かない率に優位な差がない」との研究結果が発表されたことを見ると、まあ素人考えだが、菌を殺すよりも追い出すことを優先で考えれば良いのかなあと思う。

そうなると、うがいの本義はやっぱりガラガラ、ペッ、で菌を追い出すことにあるはずだ。

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Monday, February 01, 2010

映画館の階段

【2月1日特記】 一昨日『ゴールデンスランバー』を観に行ったのは TOHO シネマズ西宮 OS だった。ここは去年オープンしたばかりのシネコンでとても心地よい。

昔の映画館というやつはこんな良い環境ではなかった。

つまり、概ねフラットな床に安物の椅子が据え付けてあるのが大抵だったし、少し傾斜が付いていたとしてもごく緩やかなスロープで、おまけに前後の列を互い違いになんかしていなかったので、前に背の高い人に座られたら悲劇だった。

ところが、最近の映画館はとてもきつい傾斜が付いたすり鉢状の観覧席になっていて、中には前後の列を半人分ずつずらしてある場合もあり、仮にプロのバスケットボールの選手が前に座ったとしても邪魔に思うことはないだろう。

きつい傾斜をつけると自ずと天井は高くしなければならないし、建築の手間も経費もかかるのだろうと思う。それでもそういう構造にするのは少しでも心地よい環境で映画を観てもらおう(そのことによって自館に客を呼び込もう)とする心懸けで、観客の方からすると至れり尽くせりである。

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