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Thursday, January 21, 2010

JALの会社更生法適用申請を受けて

【1月21日特記】 東京に来ている。今なにかと話題の日本航空に乗ってきた。飛行機に乗る回数が多い人は自然とJAL派とANA派に分かれるが、僕は前者である。

一時は「マイレージが無効になる」などという噂も流れたが、僕はさすがにそれはないだろうと思っていて、案の定それだけは保護された。ただ、僕は単にマイレージを溜め込んでいる利用者であったのではなく、わずかではあるがJAL株も保有していたのである。

株に関しては、僕は原則として短期の勝負はしていない。何年か保有して、気がついたときに何万円、何十万円単位の利益が出る状況なら売っても良いし、そうでなければ配当と株主優待だけを楽しみにずっと持っていても構わない――そういう考えである。

ところがこんなことになってしまった。株主優待の割引航空券は、すでに発行されている分についてはマイレージ同様保護された。しかし、株券は紙切れである。配当は僕が買ってからは1回もなかった。

僕の周りのJALユーザにも株主になっている人は多かった。そういう人たちのほどんどがこの1ヶ月の間に持っていた全てのJAL株を売り払った。

僕は、私的整理もあり得るのではないか、100%ではなく99%減資ということもあるのではないか、などと思っているうちに出遅れてしまい、今さら売りに出しても買い手がつかないのではないかというところまで来てしまった。twitter 上では「うまか棒より安いJAL株」などと揶揄される始末である。

この期に及んで5円や10円で売っても仕方がない、と開き直っていたのだが、しかし、だからと言って持っていても何の意味もない、と思い直して、結局売りに出し、無事に4円で売れた。なんでこんな目に遭うんだろうね。

新聞やテレビのニュースはこれを「株主責任」だと言う。何かい、俺に責任があるっちゅうのかい、という気分である。

ついこの間まで、日本の政治は自民党の支配が続いていて、かつて新聞はよく「自民党もひどいが、野党もだらしない」という論調を展開していた。10代だった僕は、「野党もだらしないというのは具体的に何を意味するのだろう? 数の上で圧倒的に劣勢で、多数決を採られると負けは明らかな状況で、具体的に何をどうせよと言うのだろう?」と随分訝った。

今、僕はかつてだらしないと言われていた野党になった気分である。

いや、株券が紙くずになってしまったことを恨んでいるのではないのである。株を買う以上はこういうことが起こり得るということはよく理解しているし、他にも経験がある。その都度その都度覚悟の上で買っているのも確かである。

だから、「これは株主のリスクである」と言われると何の異論もない。でもなあ、「株主の責任である」と言われるとちょっと切ないのである。僕は何を求められていたのだろう?――株主総会に出席して「異議あり!」と叫ぶことだろうか?

いや、まあ、単に表現の問題なのであるが・・・。

いずれにしても、持株数に関係なく全ての株が紙切れになるというのはそれなりに公平ですっきりもする。役員も社員もきっと何等かの形で痛みを共有するのだろうし、融資していた銀行も同様に痛手を受けるのだろう(その内の誰と誰が後にまんまと損した分を取り返すのかは知らないが)。

では、自分の選挙区の田舎の空港にむりやりJALを就航させた偉い政治家のセンセイはどういう痛手を共有するのだろうか?

これは、そういう政治家をのさばらせてしまっている有権者がだらしないということなのだろうか?

――結局そういうところに戻ってくる。民主主義とか自由主義経済とかというのは結構難しいものだということに、今さらながら気がついたのであった。

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