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Monday, November 30, 2009

万歩計漫歩記

【11月30日特記】 実は2、3ヶ月前から万歩計をポケットに入れている。そう、ベルトに留めたりするタイプじゃなくてポケットやバッグに入れておけばカウントしてくれる奴。

「これからは一日に必ず○○歩以上歩くんだ!」などという固い決意があってのことではない。ただ、自分が一日にどのくらい歩いているのか知りたくなって、ヨドバシで衝動買いしたのである。

買ったのはとても簡便な奴で、電池を入れれば何もする必要がない。上述の通り朝ポケットに入れておくだけのことで、日付が変わったら勝手にリセットしてくれる。過去1週間は記録を遡ることができるし、累計も表示できる。

かと言って、僕自身は記録をつけたりしていない。一瞬ちらっと見るだけで、1週間経てば記録はどんどん消えて行く。

確かに僕は記録好きだが、こういう記録は別に面白いと思わないし、きっちり記録を管理してダイエットとか健康維持のために役立てようなどという実利的な思いはない、というか、そういう発想は好きではないのである。

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Sunday, November 29, 2009

映画『沈まぬ太陽』

【11月29日特記】 映画『沈まぬ太陽』を観てきた。あまりに良くできているので驚いた。長いかなと思われた3時間の上映時間も、見終わってみればむしろよくここまでコンパクトにまとめたものだという感慨に変わった。

そう、特に見事なのは脚本である。一体この脚本は誰が書いたのだろう(その予備知識もなく見に行ったわけだが)と、観ている間ずっと気になっていたのだが、最後のスタッフロールのほとんど冒頭に「脚本・西岡琢也」の文字を見て納得。

勝手に新進気鋭の脚本家だと思い込んでいたのだが、いや、やはりこのくらいの実績も経験もあるベテランでなければこの脚本は書けなかっただろう。

アヴァンタイトルで御巣鷹山とアフリカの画を交錯させ、この映画は暫く2つの時間軸で走るぞという宣言をする。非常に手際が良い。そして、そのアフリカがなかなか現代の日本と繋がって来ないのだが、終盤になって漸く繋がってストンと落ちる。

台詞回しに不自然さがない。ストーリー展開にも無理がない。そして、これは原作の力かもしれないが、やたらと人数の多い登場人物がきっちりと描き分けられていて分かりやすい(恩地とか行天とか珍しい苗字ばかり出てくるので却って憶えられる)。これ、無理やり2時間の映画に仕立ててたら、人物の描き方はもっと浅くなっちゃったんだろうなと思う。

エピソードは原作より相当削らざるを得なかったはずだが、見事に再構築されて全体として調和の取れた展開になっている。本当に素晴らしい脚本だ。

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Saturday, November 28, 2009

11/28 サイト更新

【11月28日特記】 サイトを更新しました(このブログのことではなく、併設する私のHPの更新案内です)。

今回の目玉は(っちゅうほどのもんでもないんですが)、久しぶりに読書コラムを書き加えました。同じ作家ばっかり読んでいるのでなかなか新しい作家についての記事が書けなくて2年以上にもなるブランクを作ってしまいました。

ほかに書評も2編上げました。

という訳で、今回の更新は下記の通り:

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Friday, November 27, 2009

『Twitter 社会論』津田大介(書評)

【11月27日特記】 上手にまとめた良書。それは学者が傍から見て書いた文章ではなく、筆者自身が流れの真っ只中にどっぷり浸かって身を以て体験したものを書き記しているからだろう。

twitter の歴史、特徴、具体的な利用法、社会に対する影響などが非常にコンパクトにまとめてある。twitter に対するものの見方に変に曲がったり穿ったりしたところがないのも魅力である。

ただ、すでに twitter にのめりこんでしまっている人間にとっては新鮮さはどこにもない。全部知っていることだし、意識していることだし、理解できることである。もちろん、それをきれいに整理してあるという意味では非常に重宝な書物ではあるが、読んでいて驚きがないのも確かではある。

一方で「twitter って何?」とか「面白そうならやってみようかと思うんだけど」などと言っている人にとってはこれは打ってつけの入門書である。

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Thursday, November 26, 2009

『学問』山田詠美(書評)

【11月26日特記】 読み始めてすぐに「やっぱり山田詠美は巧いなあ」と思う。

4つの章が5人の登場人物の内4人の死亡記事で始まるという構成もそうだが、文章そのものが巧い。だから、(小説としてはそうあって当然なのだが)何にも突っかかることなくスラスラと読み進める。

主人公の仁美は東京から静岡県美流間市に引っ越してきたその日に、小学校の同級生である心太(テンちゃん)と会う。心太はいきなり「おまえはヒトミっていうよりフトミだな。でぶってほどじゃあないけど、太い」と言う。

如何にも小学生が言いそうな、悪気はないけどある意味残酷な台詞である。この、いきなり失礼なあだ名をつけておきながらちっとも憎たらしい感じがしないところが、後にストーリーの芯となってくるテンちゃんの、子供でありながら不思議に身につけているカリスマ性を強く表現している。

果たして、仁美はその日からフトミになり、その日からテンちゃんに強く惹かれるのを感じる。そして他に2人の同級生──寝てばかりの千穂(チーホ)と食ってばかりの無量(ムリョ)の4人でつるんで遊ぶようになる。

この4人に、後にムリョと結婚することになる素子が加わるのだが、彼女は決してこの4人とつるもうとはしない。この設定によって、この4人の特殊な結束力が浮き彫りになってくる。「やっぱり山田詠美は巧いなあ」と思う。

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『食堂かたつむり』追記

【11月26日追記】 昨日観た『食堂かたつむり』に関してひとつ書き忘れていたことがある。

良い映画だったのだけれど、ひとつ気になったのは、この映画の登場人物がほとんどみんな音を立てて食事をするということである。

ズルズルッとか、クチャクチャとか、つまりそれは食事というものが持っている醍醐味を音でも表現したかったのだと思う。だから、監督は敢えてそういう演出をしたのだろう。

それはそれで、その感じは確かに出ていたとは思う。しかし、日本では良くても、この映画を外国で見せるとなると欧米諸国では抵抗が強いのではないかと思った。

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Wednesday, November 25, 2009

『食堂かたつむり』試写会

【11月25日特記】 『食堂かたつむり』の試写会に行ってきた。

おいしいものを食べると幸せになれる、どころか、奇跡まで起きてしまう──この映画はそういうお伽話である。だから、お伽話なんて、と言う人は最初から見ないのが良かろうと思う。

小川糸という人の原作を読んでいないので、原作からしてこういうメルヘンのタッチだったのかどうだか判らないが、多摩美術大学出身の富永まい監督の手によってかなりキュートな作品になっているのは確かだ。

冒頭から暫く、主人公の倫子(柴咲コウ)の生い立ち(生まれてから、家を出て料理家を目指し、同居していた男に全財産を持ち逃げされて故郷に帰ってくるまで)を紹介するシーンが続く。

歌に乗せて、キッチュな食物の絵満載のCGと実写のコラージュによってコマ撮り風に、電子紙芝居風に、てきぱきと簡潔に、と言うかものすごく単純化して展開して行くのだが、これが可愛いと同時に手際が良い。

この冒頭の展開はかなり引きがある。そして、その後は通常の撮り方に戻るのだが、ときどきわざと本物らしくないCGが入れ込んである。

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Tuesday, November 24, 2009

『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』マスコミ試写会

【11月24日特記】 『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』のマスコミ試写会に行ってきた。TVアニメのファースト・シリーズは僕も割合熱心に見ていたほうだ。サード・シリーズまであったとは知らなかったが・・・。

で、思うに、あのTVアニメのミソは、週1のレギュラー番組だったので、「地球滅亡までに残された日数」が7日ずつ減って行ったところではないかと思う。そのドキドキ/ハラハラ感を2時間一発の映画で出せるかどうかが課題ではないかと思った。

それともうひとつ観る前から気になっていたのは、あのアニメが始まった頃はCGなどというものはまだほとんど存在しなくて、当然のことながら絵のタッチとしては2Dの最たるものであった。それが今の時代にどうなのかということ。

が、始まってみるといきなりしっかりと3DのCGで描かれた宇宙空間である。なるほど技術の進歩はちゃんと作品に取り込んでいるのか、と当たり前のことに感心したりしたのだが、人物が登場するとこれは旧来の2Dのタッチなのである。こういう組合せに最初はかなり違和感を抱いた。

だって、ドラマは主に昔のアニメの延長上のタッチで展開されているのに、宇宙の航行&戦闘シーンだけ急にスターウォーズみたいになるなんて、どうなんだ?──と。

だが、ま、ずっと観てると慣れるもんである。そのうち気にならなくなってきた。

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Monday, November 23, 2009

消えた映画ブロガーたち

【11月23日特記】 ブロガーの端くれとしての実感:

ブログというものは早くも一時の最盛期を過ぎて、執筆者数はそろそろ下降線を辿り始めたのだろうか?

僕の映画評の記事はいろんなサイトからトラックバックさせてもらっている。ただし、片っ端からという感じではなくて、あくまで自分が気に入ったり感心したりした記事からの TB である。

それで、そういう記事によく突きあたるブログのリンク集を.html ファイルにして保存しているのだが、最近そのサイトが閉鎖していたり中断していたりしるのに気づいてがっかりすることが多いのである。

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Sunday, November 22, 2009

年賀状と twitter

【11月22日特記】 僕はやめちゃったので関係ないのだけれど、今年もそろそろ年賀状の心配をする季節である。

で、このシーズンになると社内で必ず出てくるのが、「社内での年賀状のやり取りは廃止しようよ」という話である。必ず社長が言いだす。そう言えばあの人は若い頃からずっとそう言ってたなあ。

ところが、いくら社長が言ったって、これはなくならない。何故か? 社内でのやり取りを廃止するとかなり淋しくなってしまう人がいるからではないだろうか?

営業など、外との接点の多いセクションで長年働いていると、年賀状のやり取りをしている社外の人数がどんどん増えてくる。だから、もう社内のやり取りはやめにしようよ、ということになるのだが、会社員生活の大半を社外とはあまり接触のない部署で過ごす人もいるのである。そういう人が仕事関係の年賀状を出すとしたらやはり社内ということになるのだろう。

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Saturday, November 21, 2009

キネマ旬報 映画史上ベストテン

【11月21日特記】 年末から年始にかけてさまざまな映画賞の発表があるが、その前にキネマ旬報から「映画史上」のベストテンの発表があった。日本映画だけ再掲すると、

1.『東京物語』
2.『七人の侍』
3.『浮雲』
4.『幕末太陽伝』
5.『仁義なき戦い』
6.『二十四の瞳』
7.『羅生門』
7.『丹下左膳余話 百万両の壺』
7.『太陽を盗んだ男』
10.『家族ゲーム』
10.『野良犬』
10.『台風クラブ』

(ちなみに洋画のトップは『ゴッドファーザー』だった)

こういうのはとても難しい。選考の対象が多すぎると言うよりもスパンが長すぎるのである。

これだけ長きにわたって映画を見続けている人はいないだろうし、公開と同時に見るのと何十年も経ってから遡って見るのとでは随分印象も違うだろう。

つまり、全てをカバーできている評論家もいないだろうし、全ての審査員が映画を同時代的に把握している訳でもないのだ。共通の基準でランクを付けるのは大変難しい作業だと思う。

いや、それどころか、そもそも候補作を全部思い出すのが大変だろう。

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Friday, November 20, 2009

11/20 サイト更新

【11月20日特記】 サイトを更新しました(このブログのことではなく、併設する私のHPの更新案内です)。

エッセイは、すみません、今回もあまり読みごたえのないものになってしまいました(笑)。もうちょっと寝かして、ひねってから書いたほうが良かったかもしれません。あまり時間と在庫がなかったもんですから・・・。

bk1 に投稿している最新の書評は、制作プロダクション“テレビマンユニオン”の設立者たちが、彼らがTBSを退社して新会社を立ち上げる契機になった1698年の闘争について書いた名著を取り上げたものです。

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Thursday, November 19, 2009

手帳考

【11月19日更新】 毎年手帳を送ってくれていた芸能プロダクションから「利用者が少なくなったので来年分から廃止いたします」とのハガキが届いた。これも紙がどんどん電子化されて行く流れの中でのことなのか。

僕はその手帳を毎年使っていた。

お世話になっている会社(の社長)が毎年送ってくれるので、使わないと悪いような気がする、ということもあるが、それよりも1冊1冊にローマ字で名前を入れてくれているので他人にあげられないという事情もあった。

でも、それだけのことで使い続けていたのではなく、やっぱり必要性があったと言うか、使い勝手が良かった面もあったからだと思う。

それは紙の資料が持っている特徴であり利点である即時性と一覧性である。

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Tuesday, November 17, 2009

香水考

【11月17日特記】 映画館で後ろの席から香水の匂いが漂ってきて、少年時代は香水が苦手だったのを思い出した。

いや、香水と言うより、母が化粧すると何の匂いだか定かではないのだがどこからともなく香って来る化粧品の匂いが悉く嫌だった記憶がある。

それが、ある時期から全然苦手ではなくなった。いつごろからなのかは正確に思い出せないが、それは多分女性とのセクシュアルな体験を覚えた頃からだと思う。

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Monday, November 16, 2009

『お前はただの現在にすぎない』萩元晴彦・村木良彦・今野勉(書評)

【11月16日特記】 昨年40年ぶりに復刊した名著である。いや、名著であると言うよりも怪物のような著述である。特にテレビの世界に身を置く者にとっては──。

今僕はこの本を読んで俄かに何かまとまりのあることをここに記すことは到底できそうにない。できるのはせいぜいこの本からいくつかの断片を抜き書きするくらいのことである。

「お前はエネルギーを持っているや否や。お前は柔軟や否や。お前は創造的であるや否や」(38頁)

「送り手・受け手という関係ではなく対等の人間としての関係の中で真の対話・連帯をどうつくり出せるのか、困難なことですが不言実行のくりかえしをしたいと思っています」(194頁)

「ソルボンヌの学生が、“所有のためにではなく、存在のための変革を”と叫ぶと同時に、“シジュフォス”と書きつけざるをえなかったのは、いわば、自らの行為の中の、決して完結することのない徒労を見ぬいていたからであろうが、われわれは、未だ、それに該当する言葉をもたなかった」(244-245頁)

「<テレビジョンとは何か>という問いは、普遍的な答え、テレビとは○○だということを要求するのではなく、その普遍を求めて、個がどう迫るかという問題です」(398-399頁)

「TVの最大の武器『即時性』を活かした『生』番組でも、『ゴージャス』でなければいけないと思います」(446頁)

「ぼくらは、テレビが<時間>であることを知っている。テレビが<時間>であることのさまざまな意味を知っている」(447頁)

「ひとつの問い、ひとつの答え、それにすべてを仮託するつもりはない」(489頁)

「もし、『テレビ』がぼくらの前に立って、『降伏せよ、哀れな夢想者。おまえが長いあいだ待っていたテレビジョン、おまえの<未来>であるこのわしがやってきたのだ』と叫ぶなら、ぼくらもまたトロツキーのように叫び返さねばなるまい。『お前は未だテレビならず。お前はただ現在そのようにあるだけだ』と」(491頁)

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映画館入場記録

【11月16日特記】 昨日の『ゼロの焦点』が TOHO シネマズ西宮 OS で観た 28 本目の映画だった。これで TOHO シネマズ西宮 OS が三番街シネマを抜いて、生涯で多く通った映画館の単独3位になった。

今のところ1位はシネリーブル神戸の 35 回、2位はテアトル梅田の 33 回であるが、早晩これらも抜き去ってしまうだろう。何しろ他の映画館は一生かけての回数であるのに対して、 TOHO シネマズ西宮 OS の場合は映画館ができて1年ちょっとの間での 28 回である。

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Sunday, November 15, 2009

映画『ゼロの焦点』

【11月15日特記】 映画『ゼロの焦点』を観てきた。

別に有名な原作ものが悪いと言うつもりはないのだが、僕はオリジナル脚本で注目されてきた人が文芸大作を撮り始めるとちょっと哀しくなるのである。

森田芳光が文芸ものに手を伸ばした時もちょっと離れたのだが、犬童一心も自主映画時代から観ていた監督だけに森田の時と同じような思いがした。試写会で観た人から「面白くなかった」との評判を聞いていたりもしたのでどうしようかなと思ったのだが、結局観た。

逆に犬童一心監督でなければ決して観なかっただろうと思う。原作は読んでいない。

映画は「戦後」のさまざまな記録映画の再生から始まる。そして舞台は昭和32年。

まず驚いたのはレストランで広末涼子と西島秀俊が見合いをするシーン。2人が窓辺に立って外を眺めながら話す場面で、カメラはまず後方からの2ショットを押さえた後、続いてビルの外からガラス越しにフルショットで2人を捉えているのだが、そのガラスに外のビルのイルミネーションが映っているのである。

外の風景はもちろん今ではなく昭和32年の銀座である。まずレストランの中からその作った風景を見せて、そして今度はそれが逆さに映る窓ガラスを作って見せたのである。なんとも手の込んだ画である。

そして、結婚式での集合写真のシーン。ビカッと光って少しトロッと溶けるフラッシュのどアップ。──なんでもないシーンのように見えて、なんか不安感を煽る印象的な画。

中谷美紀のあえぐ顔のアップと汽車の中で考える広末涼子の顔のアップを同じ画面の右と左にダブらせてから場面転換するところも非常に怖かった。

観ていると割合細かいカットを多用しており、そのひとつひとつが上から押えたり下から仰いだり、横に舐めてみたり、と非常に肌理が細かい。やっぱりちゃんと画作りが分かったチームなんだなあと感心した。脚本もとても巧いと感じた。

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Saturday, November 14, 2009

不動産屋の陰謀?

【11月14日特記】 最近ポストに不動産屋のチラシがよく入っている。曰く、「○○マンションにお住まいの皆様・・・」

──要するに、このマンションを指名で買いに来ている客がいるので、売る気があったら是非とも連絡してくれ、というチラシである。

初めはふむふむと読んでいたのである。あるお客さんは子供が来年から小学校で、是非ともこの学区内のマンションを希望で、とか、別のお客さんは今お住まいのマンションが手狭になって、是非とも生まれ育ったこの近辺のマンションをお探しで、云々。

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Friday, November 13, 2009

オンライン書店ビーケーワン書評フェア

【11月13日特記】 私のホームページの読者の方はご存じでも、こちらのブログを読んでいただいている皆さんはあまりご存じないことなのかもしれませんが、私は読んだ本に関してはたいていオンライン書店ビーケーワンに書評を投稿しています。

この bk1 のサイトでは、ありがたいことに書評の鉄人などという称号もいただいていたりもします。

そして、このサイトが今「書評フェア」というのをやっていて、そのフェアのテーマを事前に募集していたのですが、私が応募したものがそのうちのひとつに選ばれました。

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Thursday, November 12, 2009

on の彼女/off の彼女

【11月12日特記】 ネット上でかなりやりとりしてきた女性と初めてオフで会った。

今まで twitter でかなり深く絡んできた(などと書くとまるで喧嘩腰みたいだが、事実はその逆で「夫婦漫才」とまで言われた)人のなので全く初対面という感じがなく、ほとんど勝手に思っていたイメージ通りであることにむしろ驚いたほどだ。

なんか、もう十年来の親友(ったって、歳は随分離れているのだが)みたいな気がして(もっとも相手はどうだったかは分からないが)、なんか会う前から、変な表現だが「どこを押すとどんな音がするか」分かっているような気がしていた。

これって我ながらすごく変な感覚。ネット上のコミュニケーションって、信用して良いものだったんだ、みたいなちょっと喜ばしい思いもある。

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Tuesday, November 10, 2009

惨劇の中の希望に満ちたエピソード?

【11月10日特記】 例の英国人語学教師の殺人容疑で追われている男の足取りを追う報道を見ていて、ちょっと変なことに思い至ってしまった。

彼は逃亡者たるもの、できるだけ目立たないように暮らしていたはずだ。会社の同僚に誘われてもほとんど飲みに行かなかったというのも多分そのためだろう。

ところが、会社の上司・同僚や整形外科医に憶えられていたのは仕方がないとして、結局のところコンビニやネットカフェの店員にさえ顔を憶えられていたのである。細心の注意を払って接触を最小限にしていたつもりでもそうなのである。

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Monday, November 09, 2009

映画『THIS IS IT』

【11月9日特記】 映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を観てきた。

いつも書いていることだが、僕は主に監督で映画を選んでいるし、映画は基本的に監督のものであると思っている。

それは音楽映画の場合でも全く同じで、例えばあのザ・ローリング・ストーンズの『シャイン・ア・ライト』にしても、ミックやキースの個性がどんなに強烈であってもやはりマーティン・スコセッシの作品だという感じがするし、また、そういう感じがなければ映画としてはダメなのではないかと思ってきた。

ところが、この作品は違った。これはもうどうしようもなくマイケル・ジャクソンの映画である。マイケルを中心にして、そのマイケルに対する求心力を見せつけてくれる映画であった。

映画の中で発せられた台詞、

Church of Rock'n'roll !

まさにそんな感じかもしれない。いや、僕はもっとなんか濃いものを感じた。まるで彦麻呂みたいでバランスの悪い表現ではあるが、

ロックンロールの胎蔵界曼荼羅

大日如来を中心として周りをぎっしりと取り囲んだ、そんな感じ。

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Sunday, November 08, 2009

映画『ロボゲイシャ』

【11月8日特記】 映画『ロボゲイシャ』を観てきた。いや、もう、阿保らしいやら楽しいやら。

外国人の目から見た歪んだ日本像を日本人がそのまま描き直してそれを笑うという高等な趣味。音楽の世界では細野晴臣とか米米クラブとか、古くからやってる人がいたけど、映画ではなかなかこういう世界はなかったように思う。

ロボットと芸者という、一見全く何の関係もないように見えて、実は外国人が日本を思う時に出てきて不思議でないもの、そして日々進化を遂げる最新ロボット技術と「フジヤマ、ゲイシャって、いつまでそんなこと言うとんねん」的な2つを組み合わせたところが大変面白い。

で、こういう馬鹿馬鹿しい企画って真面目に作らないと面白くない。この映画ではもちろん低予算ゆえのチープ感はところどころに見え隠れはするのだが、特撮部分がしっかり作り込んであるし、そのセンスも抜群なのでどっぷり浸かってたっぷり堪能できるのである。

その辺が河崎実監督なんかとは大違い。ああいう、客をバカにしたようなチープ感を売り物にするのも1つのやり方だとは思うが、やっぱり1作で飽きてしまう。1作では決して飽きさせないところに井口昇監督のオタク魂を感じてしまう。

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Saturday, November 07, 2009

リモコンとタッチパネル

【11月7日特記】 若い人は知る由もないが、昔TVにリモコンは付いていなかった。いつ頃だったか正確に憶えてはいないのだが、それは僕の少年期に出現した文明の利器であった。

当時、隣家に実の伯母が住んでいて、彼女がウチに来てリモコンを見るや否や「えー、こんなんあんの。ええなあ、これ。ウチも買うわ」と言いだして、「あかんあかん、TVそのままでリモコンだけ買うてきても操作でけへんでえ」と諭した記憶がある。

それとよく似たことが今パソコンの世界で起こっている。

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Thursday, November 05, 2009

11/5 サイト更新

【11月5日特記】 サイトを更新しました(このブログのことではなく、併設する私のHPの更新案内です)。

今回はいつもより研究/分析が浅く、読み足りない気がするかもしれません。すみません。ちょっと思ったことをさらっと書いてみただけです。

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Tuesday, November 03, 2009

映画『風が強く吹いている』

【11月3日特記】 映画『風が強く吹いている』を観てきた。見ようかどうしようか迷っていた面もあったのだが、「三浦しをんの原作に非常に忠実に作ってあって面白い」という信頼できる知人の映画評に押されて見に行った。

ご存じない方のために書くと、陸上競技では三流の寛政大学の、しかも碌に経験もない寄せ集めの連中が、補欠もいない10人ギリギリのメンバーで箱根駅伝を目指し、見事に出場し、かつ大活躍する話である。

しかし、あれ?冒頭のシーンからして違っているではないか。ハイジ(小出恵介)とカケル(林遣都)の出会い方からして違うのである。その後も、これは原作をかなり書き変えてある。

陸上部駅伝チーム10人のキャラクター設定は活かしたまま、まあ2時間程度に収めるためというのが一番大きな理由なのだろうが、個々のシーンやストーリー展開はかなり変えてあった。でも、上手に書き変えてある。監督の大森寿美男自身による脚色である。

原作を読みながら、これを映画化するとしたら主役の蔵原走(クラハラ・カケル)を演じられるのは誰だろうと考えた記憶がある。結局適当な人間は思いつけず仕舞いだったのだが、林遣都ならなるほどと頷ける。

『バッテリー』では野球のピッチャーを、『ダイブ』では高飛び込みの選手を演じるなど、非常に引き締まった肉体に恵まれた若手俳優ではあるが、決して筋肉バカには見えない。

あまり活舌の良いほうではなく、台詞は少し噛み気味/舌足らずに聞こえるのだが、それでも知性を感じさせるのはあの眼である。とても魅力的な眼をしている。

そして、その眼を狙って画面からはみ出しそうなほどのどアップ(小出と掴み合いになるシーン)を撮ってみたり、走っている選手たちが横から光の当たったところを通り過ぎるシーンを作ってその光をスポットライト代わりにして10人に順繰りに焦点を当てたり、カメラワークも却々巧みである。

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Monday, November 02, 2009

シンテトスの消費者主義の法則

【11月2日特記】 2~3日前から髭剃りの“Reset”というランプが点灯している。braun のシェーバーは2台目なのだが、前の奴にはこういうランプはなかった。一体何をリセットせよと言うのか?

仕方がないので取扱説明書を引っ張り出して来て読んでみると、刃と網を交換しろということらしい。はあ、随分賢くなったもんだ。前の機械では充電や掃除のタイミングは教えてくれたが、替刃・替網のタイミングまでは教えてくれなかった。

しかし、それにしても、それは Reset よりも Change のほうが適切な表現ではないか? 使い始めに PC に CD-ROM 入れて設定した憶えもないし、さりとてシェーバー本体にリセット・ボタンが付いているわけでもなし、ちょっとうろたえてしまった。

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Sunday, November 01, 2009

RT論争

【11月1日特記】 twitter でのやりとりのまとめ。

「@ではなくRTで返すと、まるで自分に向けられるはずの発言を衆目に晒されたみたいで不快感を持つ人もいるらしいので要注意」という粒があって少し議論になった。

僕は非常に不思議に思う。RTされて困るようなことは僕は twitter には書かないか、あるいはダイレクト・メッセージにするかのどちらかだ。

そもそも twitter というのは Web 上のオープンなスペースなのだから、それを晒すの晒されるのと捉えるのは非常に奇異な感じがする。つまり、ダイレクト・メッセージ以外で書いたことは決して「私信」ではないのである。

そもそも、いくら@で書いても、自分が@を送った相手と自分との両方をフォローしている人であれば全てを読むことができるのである。

通信の秘密はもちろん適用されないし、道義的にも「妄りにオープンにしてはならない」などと言われる筋合いはないのである。それが Web の自由な世界なのである。Web に書き込むのであれば一応 Web の特性と言うものを一通り理解してからにしてほしいなあと思う。

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