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Sunday, October 18, 2009

加藤和彦が逝ってしまった

【10月18日特記】 加藤和彦が逝ってしまった。

今、手許に D.M.M. から借りてダビングした和幸の2つのアルバム、『ゴールデン・ヒッツ』(2007年)と『ひっぴいえんど』(2009年)があるのだが、ひょっとするとこの2枚が、アレンジャ/プロデューサとしてではなくパフォーマとして出版した最後の作品なのかもしれない(調べていないので確信はないが)。

和幸/和幸 ゴールデン・ヒッツ

和幸は加藤和彦と元アルフィーの坂崎幸之助が組んだユニットである。今前者のアルバムを聴きながら書いているのだが、本当に遊び心溢れるアルバムである。

耳に心地良い、どこかで聞いたことがあるようなメロディばかり意識的に並べてある。そして、明らかに「解る人にだけ解れば良い」という感じのコラージュ、コントリビューション、パロディが横溢している。

これはサイモンとガーファンクルか。いや、CSN&Yか? おっ、ここはビートルズだ。これは吉田拓郎じゃないか。おっとこれはベッツィ&クリス。ほんでこれは明らかにローリングストーンズ、だと思っていたらいつの間にかサンタナだ(笑)──聴いているとこういうことの繰り返し。枚挙に暇がない。

あんなこともできるし、こんなこともできる。あんなのもあったし、こんなのもあったよね。そんなことだってどんなことだって自由自在にできるさ──好事家と趣味人が死力を尽くして遊んでいるようなアルバムである。

和幸/ひっ

ぴいえんど

今、『ゴールデン・ヒッツ』が終わって、『ひっぴいえんど』が流れ始めた。1曲目のタイトル・チューンは紛れもないボブ・ディランだ。

で、2曲目の『タイからパクチ』はタイ・カレーの歌と思わせておいて実ははっぴいえんどの『はいからはくち』のパロディである(ちなみに「はいからはくち」は「ハイカラ白痴」と「肺から吐く血」の掛け言葉である)。笑いながら心地良く聴ける。

考えてみたら、加藤和彦という人は日本のポップ・シーンにおける先駆的な、かつ卓越したアレンジャ/プロデューサではあったが、作曲家としてはびっくりするような名曲をそれほどたくさん残した人ではない。

サディスティック・ミカ・バンド(このグループ名自体がジョン・レノンのプラスティック・オノ・バンドのパロディである)の例を見てもそうなのだが、深く広い音楽的な才能と蓄積から生まれる豊かなアイデアの提供者という面が強かったのではないだろうか。

「音楽的にもうやることがなくなった」みたいなことを書き残していたという記事を読んだが、そんなこと言わずに、ただ坂崎とのこんな悪ふざけを続けてくれるだけでも僕らは小躍りして喜んだのになあ、と残念で仕方がない。

『悲しくてやりきれない』とか『あの素晴らしい愛をもう一度』とか『だいじょうぶマイ・フレンド』とか『愛・おぼえていますか』とか『おかえりなさい 秋のテーマ』とか『戻っておいで私の時間』とか、彼の代表曲を並べるとどれもこれも自殺した加藤和彦に掛けてやりたい言葉のような気がしてくるのがとても哀しい。

僕らはきっといつまでも彼の遊び心と豊かな才能を憶えていると思う。

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