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Tuesday, September 01, 2009

まとめ:『20世紀少年』(映画と漫画)

【9月1日追記】 『20世紀少年』についてちょっとまとめておきたい。

僕は原作を読まないまま映画の第1章と第2章を観て、その後DMMレンタルで原作を取り寄せて一気に読み、そして映画の最終章を観た。

それぞれについてこのブログで自分が書いた記事をまず整理しておきたい。

  1. 【2008年8月31日】 映画『20世紀少年』 
  2. 【2009年2月1日】 映画『20世紀少年 ─第2章 最後の希望』
  3. 【2009年4月18日】 開始:DMMコミックレンタル
  4. 【2009年5月4日】 読了:『20世紀少年』
  5. 【2009年8月29日】 映画『20世紀少年 ─最終章─ ぼくらの旗』

1)や2)を読み返すと、僕は「まだこの時点では評価する訳には行かない」「第3章を見終わって初めてゆっくりと全体を評価したい」みたいなことばかり書いている。つまりそれは第1章や第2章は単独の映画作品としては体をなしていないということである。

にもかかわらず、僕は決して単体で貶そうとはしていない。つまり、のっけから好意的だったのである。それどころか、観るたびに「これは最後まで見るぞ」という決意を新たにしている。僕にとってはそれほどの映画であり漫画であったということである。

それは僕らの世代ドンピシャの企画であった(即ち原作者や映画監督と同じ世代であり、同じように60年代後半から70年代にかけての青春時代を過ごした)ということももちろんある。だが、単なるノスタルジーではない。

日本がどこから来てこれからどこへ行ってしまうのかということを考えるに当たって、かなりの必然性を持って多くの人間があの時代を振り返るだろうということ、そして、あの時代こそが20世紀の中核であり、20世紀を最も色濃く特徴づける時代であったということが、この物語の強い吸引力を形作っているのだと思う。

そして、音楽という要素。これはこのゲームにおける切り札になっている。

まず冒頭で、言わば倒すべき「仮想敵国」のテーマ・ミュージックとして流れるポール・モーリア。なぜこの曲が選ばれたのか、今となっては痛いほど分かる。そして、その曲を遮って流れる T.Rex の『20世紀少年』。

当時 T.Rex の熱狂的なファンだった僕からすれば、何故この曲が選ばれたのか少し不思議な感じがした。

もちろん、このタイトルだからこそ選ばれ、そしてそれがそのまま漫画のタイトルになったという流れは分かるのだが、この曲は T.Rex のレパートリーにおいては末期のスマッシュ・ヒットでしかなく、彼らの全盛期の大ヒット/代表曲となると誰が考えても『メタル・グゥルー』か『チルドレン・オブ・ザ・リヴォリューション』のはずだ。

にもかかわらずこの曲を選んだ原作者の精神状態は一体どういうものだったのだろう。単にこの曲が好きだったのか、たまたまタイトルで選んだのか、あるいは(浦沢は僕よりも少し年少なので)全盛期の T.Rex の記憶はあまりなくて末期のこの曲が焼きついているのか・・・。

いずれにせよ僕にとっては「ああ、確かにこんな曲あったなあ」という感じで、そうだからこそなおさら説得力を感じてしまったのである。

自分の記事を読み返すと、1)と2)では「原作原理主義」のためカメラワークが面白くないなどと書いている。しかし、3)では逆に見事なカメラワークだと思った。1)と2)で抑えて溜めてきたエネルギーを一気に解き放った感がある。ここへ来て見事に堤幸彦の映画になった感がある。

しかし、それは原作をあまり意識せずに堤が自由に撮ったということではない。むしろ、この長い長い原作に対する見事な「編集」である気がした。

僕は「テレビ的な面白さ」「続いて行く面白さ」と書いたが、5)に至って「物語を収束させる面白さ」が加わったように思う。

僕は3)と4)のタイミングで、つまり映画の第2章と第3章の間で、原作漫画を最初から最後まで一気読みしたのだが、この順番も、偶然とは言え絶妙だったと思う。この順番で観たり読んだりしたからこそ興味が長続きし、かつその振幅が次第に大きくなったのだと思う。

極めて世代的な、優れて世代的な作品だと思う。だから、他の世代を中心に貶す人がいるのも想像はつく。でも、僕らの世代はほとんど嵌るのではないかな。いや、それとも万博や T.Rex に対する僕の思い出や思い入れが強すぎるんだろうか。

いずれにしても4)の記事に書いたように、これは中年に対する応援歌である。僕はそれを素直に受け入れ素直に感動した。

ちょっとこのことを改めて整理して書いておきたかったので、この記事を起こしてみたのである。とても良い作品だった。

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祭りが終わった。 名古屋ど真ん中祭りのことではない。 映画「20世紀少年」が終わったのだ。 TV放送につられて、外出の用事ついでに観にいった。 公開直前に前編をTVで放送という商売作戦に見事に載ってしまったわけだが。 今回は原作未見の部分がほとんどなので、映画として楽しめると思って、あえてのってみた。 まあ、とんでも映画だ。 特に今回はUFOだのなんだのと、ハリウッドSFパニック映画みたい。 突っ込みどころは多すぎてどうしていいかわからない。 まあ、そこを楽しむ映画とい... [Read More]

Tracked on Monday, September 14, 2009 at 22:57

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