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Monday, August 10, 2009

テレビドラマの強み

【8月10日特記】 昨日の記事に「放送局のビジネスモデルに根本的にガタが来てしまった」と書いた。これはテレビで言うなら、1)テレビ番組が前ほど見られなくなった、2)テレビに前ほどスポンサーがつかなくなった、ということである。

ここでは詳しく述べないけれど、上の2つは決して同じではない。つまり、テレビ番組が見られなくなったからスポンサーがつかなくなった、ということでは必ずしもないのである。

そして、決して片方ではなく両方いっぺんに合わさってしまったところがテレビ局にとってしんどいところなのである。

テレビの魅力が落ちてしまったということは、僕自身テレビを見る時間が激減しているので、身を以て感じているつもりである。

その原因のうちの大きな1つは、テレビ番組は自分の見たい時に見られないということである(昔はそれが当たり前であったが今ではそうは行かない)。もちろん録画しておけば見られる。だが、そのためには事前に録画するというワンステップを挟まなければならないところが致命的なのである。

残念ながら、テレビのこの視聴特性は変えることはできない。だからテレビが他の媒体と競うことができるのは、その中味の出来だけなのである。面白いコンテンツを作って、「あ、テレビにも面白いものはあるんだ」と思ってもらわなければならない。できればそれをリアルタイムで見てもらいたい、と思うのは望みすぎだと僕は思っている。

では、そういうコンテンツは何か?

機会があればあちこちで言っているし、ひょっとしたらこのブログやHPのどこかにも書いているかもしれないが、僕は1つのキーワードは「作り込んだコンテンツ」だと思う。

今のテレビは、生の面白さ、台本にない自由な展開、達者なタレントの瞬発的な会話能力、といったものに頼り過ぎていると思う。もっともっと企画を練って台本に書きこんで周到に作ったものこそが、本当に視聴者の鑑賞に堪える、わざわざ見てもらえるコンテンツなのではないかな、と考えている。

それは例えばドラマであり、コントであり、ドキュメンタリであり、音楽番組である。まだ他にもあるかもしれない。

そして、ドラマについてはテレビのレギュラー番組にしかできないことがある。

それは長尺ということだ。映画は大体2時間。3時間の大作になるとちょっと疲れる。しかし、テレビの場合は毎週毎週レギュラー番組としてやることによって、1時間番組×10本以上の巨編に仕立て上げることができるのである。

正確には「1時間番組」と言っても実は「54分番組」であり、そこからCMとオープニング/エンディング/予告などを引くと43~44分になってしまうが、それでも1クール13週のうち期首期末で2本飛ぶとして43×11=473分、期首期末のうちどちらかで2Hスペシャルをやったとすると43×(11+2)=559分と、2時間の映画4本分以上のボリュームをかけられるのである。

もちろん長ければ良いというものではない。しかし、ある程度長い原作小説などをドラマ化することを考えると、2時間の映画ではちょっとしんどいということがよくある。『世界の中心で、愛をさけぶ』は(もちろん出演者の違いはあるけど)映画よりテレビドラマのほうが遥かに出来が良かったと僕は思うのだが、そこにはそういう事情もあってのことだと思う。

だからと言って、その映画を3時間、4時間に延ばしたり、2本、3本に分割するのは大きな賭けになってしまう。

幸いにしてテレビの場合は映画4本の長さで作ることが当たり前なのであって、しかも毎週少しずつ放送することによって抵抗なく見てもらえるのである。

まずはしっかり作って、あとは「自分の好きな時間に見られない」という問題をどう克服するか、見逃した人に対してどういうアプローチをするかである。まずはしっかり作ることが課題である。

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