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Saturday, June 06, 2009

WOWOW『クエスト~探究者たち~』ヤイリギター 矢入一男の挑戦

【6月6日特記】 録画してあった WOWOW のレギュラー・ドキュメンタリ番組『クエスト~探究者たち~』「ヤイリギター 矢入一男の挑戦」(5/29再放送)を観た。

番組の出来としては別に目を瞠るような手法なり着想なりがあったわけでもないが、取り上げられた素材に新奇な点が多かった。

まず、僕はヤイリというのがギターを作っている人の苗字だったとは知らなかった。会社は岐阜県可児市にある。

世代的なものなのか、僕はヤイリのギターにあまり馴染みがない。当然憧れた記憶もない。

僕が生まれて初めてギターを買った時には、みんなマーチンかギブソンに憧れていた。もちろん外国製の高級ギターを買う金はなかったので、たいていの人間がヤマハを買った。ヤイリはまだ無名だった。

僕が初めて買ったギターがどこのメーカーだったかは憶えていない。ただ、友だちに「ヤマハのギターは弦高が高いので初心者にはお勧めしない」などと蘊蓄を述べる奴がいたので、ヤマハを避けて買ったような気もする。

思い入れがあったのは2台目のギターだった。東海楽器の Cat's Eyes というブランドで、これは勝手に師と仰いでいた中川イサトが使っていたものだ。これを手に入れた時は結構感無量だったなあ。10万円もした。

今から想像するに、僕が最初のギターを買ってから2台目に買い替えるまでの間にヤイリの名前が世界的にどんどん有名になって来てたみたいだ。

ポール・マッカートニーが使っていたとは今日初めて知った(これは当然僕が最初のギターを買う前に手に入れているはずだ)。あと番組で紹介されていたのは藤井フミヤと BEGIN。

番組のバックで吉田拓郎の唄とか流れるもんだから、次は拓郎が出てくるのかと思ったら、単にフォーク・ブームの話題で採用されただけだった。音楽ドキュメンタリなんだからああいう音楽の使い方はやめてほしいなあ。

んで、矢入一男という人がなかなかのじいさんで、当たり前のことしか言ってないのだけれど、今の世の中で当たり前のこと言う人は貴重である。

楽器職人の息子に生まれ、若い時にアメリカに渡って本場のギターの素晴らしさに魅せられて、日本でもギター作りを始めたとのこと。

この人と BEGIN が一緒になって作ったのが「一五一会」(4弦の楽器)だったとは知らなかった。

それから、可児市までギターを発注しにやってきたギタリスト住出勝則──元シグナルのメンバー。何が驚くって、あの『20歳のめぐり逢い』を歌ってたグループの人がかなりジャズ/フュージョン色の強いバカテク・ギタリストに変身してたこと。

売れてないっつうか、少なくとも僕は聞いたことなかったけど、いや、めちゃくちゃ巧いんだ、このおっさんが(ホームページはここ)。

そういう知らない話や知らない人がいっぱい出てきて面白かった。矢入氏の2人の後継者に対しても思わず声援したくなってくるような内容だった。

ところで、番組では、当時100万円もしたマーチンのギターを買って帰って「惜しげもなく」分解してみたことをすごいことのように紹介していたが、それはそうするだろうよ。楽器作るために買ってきたんだから。

もの作りっていいよなあ。ものを作るっていろんな意味ですごいことだと思う。

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