本が溜まる
【5月29日特記】 人生でかつてなかったほど、これから読む本が溜まってしまった。
ひとつには『ディスコ探偵水曜日』を読了するのに2月から4月までほぼ2ヶ月もかかってしまったということが大きな要因なのだが、もうちょっと遡って9月に読み始めた『われらが歌う時』にも実は2ヶ月以上を費やしたのがスタート地点だと思う。
で、誰でも大概そうだろうと思うのだが、一旦読みたい本が見つかると、今別の本を読んでいる最中だからと言って、あるいは次に読む本が決まっているからと言って買うのを手控えるようなことはしないのである。
で、ほしい本が現れる確率は年から年中大体同じようなものであるとすれば、1冊(1作)に手間取っていると、買ったけれど読んでいない本が必然的に溜まってくるのである。
まあ、4月・5月で普段のペースに戻ったので若干片付いた感はあるが、それでもまだかなりの冊数が本棚の空きスペースで寝ている。そう、僕は読み終わった本だけを本棚に立て、これから読む本は本棚に寝かしているのである。
だが、溜まっているのは単行本ばかりではない。それが去年から今年にかけてのこの現象の特徴である。
じゃあ、単行本以外に何が溜まっているかと言うと、雑誌──いや、これは雑誌の範疇に入るのかなあ?──「柴田元幸責任編集」というキャッチがついた『モンキービジネス』である。
僕は柴田元幸のファンだから、なんか気がついたら買ってしまっている感じである。世の中には「名を成した翻訳家」とか「学生に人気のある大学教授」とかいう存在はいても、彼のような「大勢の固定ファンがいる翻訳家」というのはあまり例を見ないのではないだろうか?
それでも初号を読んだときは本気で次の号からは別に読まなくても良いかと思ったのである。が、本屋で2号を見つけて手に取ってみたらやっぱり面白そうだから買ってしまった。
しかし、僕もついつい単行本を優先して読んでしまうもので、2号以降はなかなか読みにかかれない。
そうこうするうちに3号が出て、これは柴田訳の『ナイン・ストーリーズ』一挙掲載だから、僕としては買わないわけに行かなかった。そしてそれに続いて、よく意味はわからないのだが 3.5号なる号が出て、あっという間に4号が出て、こないだ気がついたら5号が出ている。
雑誌の類だから買っておかないとすぐに店頭から消えるだろうから買うだけは買うのだが読む暇がない。
それに、いざ読み始めても、一応「雑誌」とは言ったがグラビアも広告もまるでなくて、写真もイラストもちょっとしかなくて、ほとんど字で埋まった本である。中味は概ね小説や評論や対談で、ライトな記事や特集があるわけではないので、読むのに随分時間がかかるのである。
漸くのことで昨年の夏に出た2号を読み始めたところに、予約しておいた『1Q84』上下巻が届いてしまった。
さて、どうしよう。
『1Q84』はすぐに読み始める(読むのは退勤時の電車の中である)──それを変えるつもりはない。となると、『モンキービジネス』2号は枕元にでも置いておいて寝る前にちょびちょび読むか。
眠りの特集号だから、ちょうど良いかもしれない。でも、眠っちゃうとまた溜まってくるしなあ・・・。
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