読了:『20世紀少年』
【5月4日特記】 『20世紀少年』全22巻+『21世紀少年』全2巻を読了した。DMMコミックレンタルである。一気に読んで頭がクラクラしている。
映画の2本目は原作からかなり変えてあるという触れ込みだったが、基本ラインは変わっていないということが解った。
2回あった事件を1つにまとめたり、よく似た状況が再現する2つのシーンを縮めて1つにしたり、まるで録音された歌を編集して短くしたみたいな感じで、さすがに原作者自らがアレンジしているから、世界観を変えることなく、後のストーリーに悪影響を残すこともなく、見事に編集できているのに感心した。
あと映画を観た時に、「こんな良い役者をこんなチョイ役に使って贅沢だなあ」と思ったのだが、筋が進むにつれて何故そういう良い役者を宛ててきたのかがよーく解った。つまり端役なんかじゃないのである。
このコミックでは「端役」は本当に少ない。ストーリー上ちょっと触れただけで終わっていた登場人物が後になって再登場してきて(あるいは回想の中で現れて)、こいつが結構重要な役割を果たしているというケースがとてもたくさんある。
多くの人物が縦横無尽に絡んでいるのである。よくできたストーリーだと思う。
そして、読み終わって改めて思ったのは、この作品は中年への応援歌なんだな、ということ。少年期の思い出を胸に秘めて(あるいは、引きずって)今や中年に至ってしまったけれど、ひとりひとりの登場人物が本当に精一杯の生き方を示しているではないか。
同じ世代の人間として、励まされずには終わらない作品だ。
8/29 の3本目(完結編)の映画公開が待ち遠しい。
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