映画『クローズZERO II』
【4月12日特記】 映画『クローズZERO II』を観てきた。『ニセ札』とどっちにしようかと思ったのだが、あっちはネットで席が予約できなくて、こっちはできたから。将来はそういう差が動員に響く時代になるのかもしれない。
なにしろ僕は前作『クローズZERO』を、毎年このブログでやっている"その年の10本"に選んだくらいだ(厳密に言うと"『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい10本"なので、ベストテンとは少しニュアンスが違うのだが・・・)。
2007年11月10日に書いたこの前作の映画評の記事で、僕はこんなことを記している。
映画ってそういういろんなことが組み合わさった総合芸術なんだよ。君らが今日見てこの映画が面白かったのは決して何か一つだけの要素によるのではなく、そういう総合的な力だということを知ってほしい。
この映画はそういうことを知るのにうってつけの作品だと思う。やっぱり三池崇史ってすごい。
そう、今回もまさにそんな感じ。観て単純に面白かったし、じゃあ何故面白かったのかと振り返り始めると意外に深い。
映画が始まって間もないところで、前作で芹沢(山田孝之)に勝って鈴蘭を制したはずの源治(小栗旬)がリンダマン(深水元基)に挑むシーンがある。どうやら源治はまだリンダマンに1回も勝っていないらしい。
──続編が楽なのは、キャラや背景の説明なしで、こういう風にいきなり筋に入って行けるところである。もっとも、僕は何でもすぐに忘れてしまうたちなので、辰川(桐谷健太)が前作で脳腫瘍なんて、そんなシーンあったっけ?てな具合のパートもある。
ともかく、のっけから息つく暇も与えないこの展開。そして、これだけ多くの人物が登場するのに、それぞれのキャラがしっかり立っているところに驚いてしまう。これがプロの仕事なんだよなあと思う。
今回の敵は鳳仙高校。トップの鳴海(金子ノブアキ)、幹部の的場(阿部亮平)、2年の"狂戦士"漆原(綾野剛)、そしてスーパー・ルーキー美藤竜也(三浦春馬)、鈴蘭から寝返った鷲尾(波岡一喜)──こいつらがどれもこれも素晴らしい。
そして、こっちには前作に引き続いて伊崎(高岡蒼甫)や牧瀬(高橋努)もいる。
しかし、ありきたりな表現をするとこれはまさに"男の映画"だ。観客に女性の2人連れや3人組が多いのは多分小栗旬や三浦春馬のファンなのだろうが、これだけ殴る蹴る(そして腫れる血が出る)のシーンばかりだと、女の子たちにはちょっとしんどかったのではないだろうか?
ともかく今回も徹底して殴る蹴る。しかも、もの凄い集団戦なので、擬斗監督も出演者もカメラマンもどれだけ大変だったろうか。
今回はあえてストーリーをシンプルにして、その分意識して格闘シーンをパワーアップしたようだ。
そして、その周辺で、ある種の様式美みたいなシーンがあって、これが画面を引き締めている感じがする。
例えば、源治がひとりで鳳仙に乗りこんで行く道すがら、長髪のてっぺんを輪ゴムで結わえるシーンがあって、戦いが終わって歩き出しながらその輪ゴムを解くシーンがまたあるところ。
そして、屋上でのタイマン直前に鳴海がペットボトルのミネラルウォーターを呑んで動く喉仏のアップがあり、それを源治に投げて、受け取った源治が同じように水を飲んで動く喉仏のアップがあるところ。
こういうのって、言わば日本映画の伝統なのだと思うのだけれど、すごく良いよね。考えてみれば、この映画はチャンバラ映画のチャンバラが、仁侠映画の出入りが喧嘩に置き換えられたものかもしれない。
さて、見ている途中に、ひょっとしてこれは将来三浦春馬主演で更なる続編があるか!?と思ったけど、三池崇史はその期待を裏切って、しっかりけりをつけてくれた(源治とリンダマンはまだ最終決着がつかないようだったけど)。
しかし、それにしても、こないだ見た『ドロップ』と出演者がかぶりまくってるのがおかしかった。不良とヤクザって(一部刑事も)、日本では同じような役者が入れ替わり立ち替わり演ってたんだ(笑)
★この記事は以下のブログからTBさせていただきました。


Comments