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Tuesday, April 21, 2009

『日本人の知らない日本語』蛇蔵&海野凪子(書評)

【4月21日特記】 多分不遜に聞こえるだろうけれど、僕は「ことば」については割合明るい方だと思っているので、読む前は「タイトルに反して結構知っていることが一杯書いてある今更ながらの本なんだろうなあ」と思っていた。

いわゆる「日本語ブーム」には辟易気味なので普段なら手に取らない本なのだが、どうも評判が良いのでついつい買ってしまい一気に読み終えた。

で、最初に感じていた疑念に関して言うと、意外に知らないことのほうが多かった。しかし、この本のポイントは、そういう知らないことがどれほどたくさん書いてあるかではなくて、どれほど面白く書いてあるかなのである。

著者が教えている日本語学校の生徒たち(もちろん全員外人)が次から次へと繰り出してくる間違った日本語は、それぞれ面白く脚色したものでも何でもなく実際にあったことをそのまま書いてあるだけなのだが、これが読んでいて相当に面白い。

日本人では到底思いつかないことばかりで、そういう発想のギャップの面白さこそがこの本の中心的な魅力になっている。

そして、そんなエピソードの紹介に加えて、著者が外国人に教えるためにやむなく身に付けた日本語の蘊蓄が解説として続くのだが、蘊蓄を書いて嫌味になってしまうか面白いと言われるかは、ひとえに書く人の文章能力と人柄によるのである。

この著者にはそれが両方備わっていたと見えて、読んでいてとても面白いし、日本語についてさらに考えるきっかけにもなる。

かと言って薬臭かったり偉そうだったりもせず、あくまで暇つぶしの読み物ですよーという感じが漂っていて、これは非常に正しく楽しい「日本語本」であった。

蘊蓄の類も日本史や国民性比較あたりに留まらず、花札やらゲーム機まで飛び出してくる、この広がりが笑えるのである。

多分まだまだネタがあるのではないだろうか? うむ、続編が出たらきっと買っちゃうだろうなと思う。

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