小川順子を想う
【4月13日特記】 そこそこのヒットがあるにも拘らず、誰に訊いても憶えていないと言われる歌手がいる──小川順子である。
70年代の歌手だから若い人が知らないのは無理もない(歴史に残るほどの存在ではなかったから)が、同年輩や年長の、結構歌謡曲に詳しい人に訊いても「ああ、小川順子ね、いたいた」などと即座に反応してくれた試しがない。
と言うか、僕がいろいろ情報を与えてもまともに思い出してもらったことがない。
僕の記憶では、確か「バナナが怖い」という非常に変わった性癖の持ち主で、『夜のヒットスタジオ』か何かの番組で誕生日プレゼントと偽って蓋を開けたら山盛りのバナナという悪戯を仕掛けたことがあったが、彼女は悲鳴を上げてスタジオを逃げ回り、司会者が平身低頭謝る破目になったのを憶えている。
『夜の訪問者』と『男の世界』の2曲(たまたまかもしれないが、いずれもチャールズ・ブロンソンを想起させるタイトルだ)がヒットした。
『男の世界』のほうはどんな曲だったか思い出せないのだが、『夜の訪問者』のほうは出だしの4小節が却々解決しそうでしないメロディで始まって、サビの部分に来てとても親しみやすい良いメロディで終わった。
そのメロディがいつまでも頭にこびりついて離れなかったのである。
ところが却々音源が手に入らない。検索してみても、ダウンロード可能な音源が見つからないのは仕方がないとして、彼女の曲を収録したCDの存在さえ見えてこない。
──その音源をやっとのことで手に入れたのである。DMMのおかげで。
それは徳間ジャパン25周年記念として発売された『思い出のビッグ・ヒット・パレード』というCDだ。
平田隆夫とセルスターズのヒット曲2曲(何かは書かなくても分かるよね?)や西崎みどりの『旅愁』、吉幾三の『俺ら東京さ行ぐだ』、間寛平の『ひらけ!チューリップ』、藤井一子の『チェック・ポイント』などに混じって、この『夜の訪問者』が収められているのである。
一昨日家に届いてやっとのことで聴けた。
しかし、どうも期待が大きすぎたようで、ま、悪くない曲なんだけど、そんな感動するほどではない。ちょっとがっかり。
僕の携帯音楽プレイヤには演歌からヒップホップまで収められているが、演歌に関してはかなり厳選しているつもり。はて、この曲を収めるかどうか、ちょっと悩んだけど、やっぱり転送することにした。
だって、サビの聴き心地が良いんだもの。
♪きっと、きっと、また来てね~
きっとまた聴きたくなりそうな気がする。
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