「キネマ旬報」2月下旬号(1)
【2月7日特記】 「キネマ旬報」2月下旬決算特別号が発売になりました。さて、今年も去年と同じ形式で第11位以下の作品を総点検してみましょう。僕自身の2つの記事(12月24日付けと1月8日付け)の続編という形になります。
第11位が『百万円と苦虫女』──予想通りの高評価。もっとも、僕自身は12月24日の記事にこう書いています。
あとは『百万円と苦虫女』『グーグーだって猫である』辺りがどうなるか。僕としては少し物足りなかったので外したのだが・・・。
先に書いておくと、『グーグーだって猫である』は第29位でした。
第12位には『人のセックスを笑うな』。これについては僕は1月8日の記事でこう書いています。
(ベストテンから)漏れたのは『人のセックスを笑うな』。んー、なんでこれ入ってないのかな?
ま、12位なら順当な範囲内と言うべきなのでしょう。ところが、これ以降、僕が選んだ映画が全然出てこないのです。
第13位『石内尋常高等小学校 花は散れども』、同じく第13位『崖の上のポニョ』、もうひとつ第13位『世界で一番美しい夜』。前2者は良いとして、この3つ目はどんな映画でしたっけ? 全く記憶にありません。
続いて第16位『明日への遺言』、第17位『その日のまえに』、第18位『その木戸を通って』(これは確か市川崑監督でしたよね)と、僕が見ていない映画が6本も続いてしまってます。手も足も出ません。
で、第19位に漸く『休暇』。ふむ、随分上位に入ってきましたね。映画の出来不出来よりもテーマのインパクトが強すぎる気がして僕は外したのですが・・・。
その結果、前の記事との関係で総括すると、僕が「キネマ旬報ベストテン20位以内に入ってほしい」として選んだ10本のうち10位以内には5本入ったんですが、11-20位が1本だけだったために、最終的にキネ旬の20位以内には合計6本。
ひょっとしたら的中率が少し上昇するのかもしれんと思っている。
なんて書きましたけど、結局のところ前年比±0でした。
以下、例年通り、僕が見た映画の順位だけを追って行きますと、第23位に北野武の『アキレスと亀』。これは良かったですもんねえ。うん、北野映画には皆ある程度食傷気味だから20位以内はないとは思ったのですが、それなりに高い評価を得て、北野ファンの僕としても大変嬉しいです。
同じく第23位に『きみの友だち』。いや、僕の記事ではノーマークになってしまいましたが、これも本当に良い映画でした。寄らないカメラが却って雄弁でした。
で、第26位には僕が「キネマ旬報ベストテン20位以内に入ってほしい10本」のうちの1本に選んだ『西の魔女が死んだ』、第27位には迷った末に「キネマ旬報ベストテン20位以内に入ってほしい10本」から外した『純喫茶磯辺』が並んでいます。
まあ、客観的に見れば順当な評価でしょう。
で、その後、前述の通り第29位に『グーグーだって・・・』が来て、第32位にこれまた「キネマ旬報ベストテン20位以内に入ってほしい10本」のうちの1本に選んだ『ハッピーフライト』。うーむ、ちょっと評価低いですね。まあ、娯楽映画はどうしてもそうなっちゃうんですよね。
そういうところで(つまりテーマの重さで)『おくりびと』とか『接吻』とか『休暇』とかがどうしても上に来ちゃう。まあ、しょうがないか。
第36位には『歓喜の歌』。これは大したことないと思ったのですが、意外に高評価。
第41位に『コドモのコドモ』。これも思ったより評価が高いです。やっぱりテーマの重さに引っ張られたかな?
第47位には『丘を越えて』が来ました。ほよっ、って感じですね。これを選んできたか、って感じ。センスの良い映画であったことは確かです。
同じく第47位に古厩智之監督の『奈緒子』。これも良い映画でした。順当な順位ではないでしょうか。
そして、僕が選んだ10本のうち2番目に評価が低かったのが第50位の『K-20 怪人二十面相・伝』。
ま、僕としても期待票のつもりで、実際のところはこのあたりの順位かなあという気はしていました。これも娯楽映画ですしね。僕みたいに勝手に深い読み込みをしない限りそうそう上位には選ばれないでしょう。
第57位に『僕の彼女はサイボーグ』。これは随分と上位に入りました。これも娯楽映画ではありますが、あの、あまりと言えばあまりな展開が良かったですねえ。
それに次ぐ第58位タイで『パークアンドラブホテル』と『蛇にピアス』。第62位に『陰日向に咲く』、『パコと魔法の絵本』と並んで、僕が「キネマ旬報ベストテン20位以内に入ってほしい10本」に選んだうちの最後の1本『天国はまだ遠く』が漸く入ってきました。
いや、この映画、良い映画でしたけどねえ。せめて30位以内に入っていても不思議はないのに。非常に残念です。
以下、僕が観たものでは、第72位に『たみおのしあわせ』、第89位タイに『悪夢探偵2』(えっ、これ2008年に入れられてるの!?)と『うた魂』。『悪夢探偵2』は公開時期で損しましたねえ。判定に迷わない時期に公開されていたらもっと上位に来たと思います。
第107位に『20世紀少年』と『山のあなた 徳市の恋』。以上。
今回はそんなに憤るほどの事例はなかったかな。
★ この文章の続編がここにあります。
Comments
こんにちは。はじめまして。
「悪夢探偵2」も「K-20」も公開日が同じ12月20日で、本来なら2009年の作品になるのだと思います。そう言う意味では、両方とも損をしていると思います。
Posted by: 通りすがり | Saturday, February 07, 2009 08:59
> 通りすがりさん
あ、『K-20』も同じ公開日でしたか。それでこれにもあまり票が入らなかったと・・・。
情報ありがとうございました。
Posted by: yama_eigh | Saturday, February 07, 2009 11:37
例年どおり、楽しい一年の映画総括、ありがとうございます。ところで、一度「ほよ!」なる感嘆詞の解説をお願いします。ほよ。
Posted by: hikomal | Saturday, February 07, 2009 19:17
> hikomal さん。
「ほよっ」は言うなれば「心温まる肩透かし」を表しています。ほよっ。
Posted by: yama_eigh | Saturday, February 07, 2009 21:43