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Monday, February 23, 2009

KTV『トライアングル』(途中まで)

【2月23日特記】 TVのG帯(と書いて僕らは「ゴールデンタイム」を意味するのだが)のドラマでは、今クールは『トライアングル』を観ている。関西テレビ放送開局50周年記念ドラマということで大変気合が入っている。

まず、この豪華キャスト。いちいち書かないけど主演級ゴロゴロ。これだけの役者が揃うとなると、キャストの並びをどうするかはかなり難しいパズルであったに違いない。

そして、海外ロケ。初回がパリ、先週は上海だ。

一体このドラマの制作費がいくらで、セールスは30秒単価でどれくらいなのか全く知らないけど、はっきり言えるのは、こんなことやってると番組単体では間違いなく赤字だろうということ。しかも馬鹿に出来ない額の赤字のはずである。

一般の方には却々解らないだろうが、世の中にはもちろん黒字の番組もあるにはあるが、番組セールスというのはそう簡単に黒字になるものではないということである。にも拘らず気合を入れて作るというのも放送局のひとつのあり方である。

脚本は水橋文美江。──テンポ良く飽きさせない、却々の脚本であることは認めるが、今まであまりこういうサスペンス物を書いて来なかったということもあろうが、まあ時々驚くようなご都合主義になる。

例えば、国際刑事警察機構から研修で来ているとはいえ、刑事の端くれである江口洋介が仕事ほっぽらかしてあんなにも自由に動き回れるもんなのか?というような所。それから個別の展開においてもちょっとぎこちない所が目につく。

先週の放送で言えば、主人公・江口洋介の小学校時代の同級生・谷原章介が25年前の殺人事件を追っているうちにカッとして長年の情報提供者・宅麻伸を殺してしまう。いきなり小競り合いになって殺してしまう展開も唐突ではあったが、その死体を江口洋介の妹・相武紗季の車のハッチバックに入れるのである。

「なんで、そんなことをしたんだ?」と友人であり警察勤めでもある江口洋介に訊かれて、谷原章介はこう答えるのである。

「お前ならなんとかしてくれると思った」

んな、アホな。

気がついたら血のついた灰皿を握っていて、相手を殺してしまったということに気づいた男が、それから気を取り直してわざわざ死体を友人の家まで運ぶだろうか? しかも、友人の車ではなく友人の妹の車である。

こういう展開にするミソは、実は先々週の放送が相武紗希が死体を発見するところで終わっているという所である。毎回こういう仕掛けで次回に繋ぐのである。それはそれは毎回毎回よくそれだけの仕掛けを考えるなあと感心するくらい見事なものなのである。

でも、次週観てみると大体は「なんじゃそりゃ」ということになる。TVの連続ドラマとしては必要な工夫ではあるのだけれど、これではまるで sin 波( y = sin x )のような単調で周期的な波が続くのである。

毎回の最後のあたりに波のピークが来て、次週の冒頭から下り坂になり、中盤過ぎで底を打ち、次週に向けて終盤でまた山を迎える──という繰り返しである。それはそれで良いとしてもシリーズを通しての波、大きなうねりが作り出せていないのである。

これでは毎回引っ張る力はあっても、例えば後にDVD化されて通して観た時に単に疲れるだけで不満の残る作品にはならないだろうか?

こういうのを見ていると水橋文美江という既に名のある脚本家の矜持は一体奈辺にあるのか? とりあえず毎回の視聴率を稼げれば良いのか? と訝りたくなるのである。

ま、そんなこと言いながら僕が毎回見ているのは単純に面白いからに他ならず、それはそれで良いではないかと言われればそれはそうなんだけど、時々ちょっとそんな意地の悪いことを考えてみたりするのである。

で、そういうことがひょっとすると放送マンの良心ではないかと思ったりもする。

それはちょっと格好つけすぎかもしれない。でも、そんなことを考えるほど醒めてしまう瞬間がある。とってもよくできた面白いドラマではある。ただ、ドラマは視聴者を醒めさせてはいけないとも思うのである。

とは言いながら、やっぱり最終回を楽しみにしている。結局のところこれはやっぱり sin 波(いや、山から始まるから cos 波か?)のドラマだと思う。ついつい山と谷を繰り返してしまうのである。

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