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Saturday, January 17, 2009

映画『感染列島』

【1月17日特記】 映画『感染列島』を観てきた。伝染病が日本列島を襲う、昨今流行りの表現で言うと「パンデミック」映画である。

パニック系エンタテインメントの筋運びという観点で見ると、大変よくできた映画だと思う。なかなか面白かった。

ただ、こういう映画はどうしても突っ込みどころ満載になってしまうものだ。リアリティはしっかり求めなければならないし、でもドラマ性は無理にでも作らなきゃならないし、その辺が難しいところである。

問題は往々にして、専門知識に関すること、つまりこの映画だと医学や行政面での常識を曲げてはいないか、ということになる。でも、そういう分野での「本物らしくなさ」ならば僕自身はそんなに気にならずに見ていられる。ところがこの映画ではそれ以外の突っ込みどころが多いのが残念だったのである。

例えば、医者だって人間なんだから、そりゃ行き詰って泣くことだってあるだろう。だけど、この一大事に雨の中で濡れそぼったまま泣いていたりはしないだろう?

どうしてあのシーンで雨を降らせる必要があるのだろう? 必要以上にそういう苦境を作り出して観客の涙を誘おうという脚本家の下衆な根性が見えたような気がしてならない。

同じように例えば、どうして妻夫木が乗った車がガス欠で停まる必然性があるのだろう? ストーリー上は決して必要なものではない。これも下衆の発想だ。

そして、大勢の患者たちの生死が自分の腕にかかっている医者が、仮に何があったとしても、愛しい人に会いに行くために突然現場を離れたりするもんだろうか?

それから藤竜也の関西弁。あれはひどい。本人は関西弁を喋っているつもりなんだということが解るまでに随分時間がかかってしまった。いくらなんでもひどい。そもそもあの学者に関西弁をしゃべらせる必要がどこにもない。

パンフを読んでみたら、藤竜也が思いついて監督に進言したらしい。しかし、喋れもしないのに進言してはいけない。瀬々監督も大分出身とは言え、学生時代を京都で過ごしたのならあの言葉がおかしいことぐらいは解るだろう。

等々。つまりこの手の映画としては珍しく、むしろ本題以外のところで突っ込みどころ満載なのである。それが良いのやら悪いのやら・・・。

ただ、役者は非常に良い。妻夫木聡、佐藤浩市、池脇千鶴、光石研など、演技に定評のある役者たちについては言うまでもないが、爆笑問題の田中とカンニング竹山の2人が絶妙のキャスティングでとても良かった。

特に田中裕二は看護師・国仲涼子の夫役で、病院に籠りっきりになっている妻の帰りを幼い娘と2人で待っているという結構大きな役であり、その期待に応える見事な演技で非常に印象が強かった。

また、関西弁を除けば藤竜也も本当に見事で、あの味はとてもじゃないけど他の役者には出せなかっただろう。

脚本は群像劇として非常によくまとまったものだった。布石を打ち、仕掛けを設けて、筋運びに山と谷を作り、忘れたころに点と点を線で結んで行く。印象深い台詞もちゃんとあしらって、良い脚本だと思う。

パニック映画としても人間ドラマとしても及第点ではないだろうか。ただ、CGがあまりにCGっぽかったのは少し残念。あと、壇れいっていう役者は、今回初めて見たのだが、どうしても僕は好きになれなかった。

今回の記事には否定的な表現が多いが、でも面白かったのは事実である、という締めにしておこう。

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