回顧:2008年鑑賞邦画
【12月24日特記】 2008年は邦画を48本観た。年間100本も200本も観る人からすれば、「なんだたったそれだけ?」と言われるだろうが、これでも僕の年間新記録なのである。
で、新記録で調子に乗って、その48本から何本か選んでみることにした。
──と、昨年12月24日に書いた記事及び一昨年12月23日に書いた記事と数字以外は全く同じ書き出しで始めてみた(ちなみにこれは一昨年1月4日に書いたその前の年の邦画総括記事ともほとんど同じ書き出しである)。
さて、今年も去年に引き続いて「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしいもの」というタイトルで選んでみる。他の賞やランキングではなくあくまでキネ旬であること、それから「20位以内に入るだろう」ではなくて「入ってほしい」であること──その辺りのニュアンスを汲み取って読んでほしい。
今年はあまり突出したと言うか、尖がったと言うか、破格の迫力をもった驚天動地の作品がなかったような気がする。
例えば2005年の『いつか読書する日』、2006年の『ゆれる』、2007年の『サッド ヴァケイション』みたいな、「1位に選ぶかどうかは趣味の分かれるところだろうけど、まともな評論家だったら10本のうちの1本には間違いなく選ぶだろうよ」と確信できる、突き抜けた作品が今年は見当たらないような気がするのである。
そして、2006年の『フラガール』『博士の愛した数式』、2007年の『キサラギ』みたいな「世間が何と言おうと俺はこの映画は選ばないぞ!」という作品もない代わりに、2005年の『トニー滝谷』、2006年の『三年身籠る』『好きだ、』、2007年の『幸福な食卓』みたいな「世間が何と言おうと俺はこの映画を選ぶぞ!」という作品もない気がする。
毎年僕がこの記事に書いている予想・期待の的中率は、まあ、そこそこという感じなのだけど、今年はどうなんだろう? ひょっとしたら的中率が少し上昇するのかもしれんと思っている。
などと言いながら、いざ10本選ぶとなるとえらく迷ってしまった。差がつきにくいのである。蓋を開けたら(キネ旬とは)全然違ってたりしてね(笑) ま、そういうのも楽しみだ。
さて、前置きばかり書いていないで、僕が選んだ10本を披露しよう。
毎年そうだが、これは僕が見た順であって良かった順ではない。
1)3)5)6)7)は、まあ、皆さんあまり異論がないところではないかなと思うのだが・・・。僕個人としても今年のベストは5)か3)だと思っている。
2)8)10)のような娯楽性の高い作品をどう評価するかなのだが、2)はまあ同じ内田けんじ監督の『運命じゃない人』と同工異曲でありながら一気にメジャー化したので、そのお祝いっつう感じで選んでみた。
8)はやっぱり巧いねえ、矢口史靖監督。これも監督に敬意を表して入れときました。
10)はこないだ見たばかりなんだけれど、この作品を選んだのが僕としては今回随一の独自性のつもりである。うん、読み込みすぎかもしれないけれど、意外に深くて良い作品だったと思う。
最後に4)と9)と『純喫茶磯辺』のどれを採るかで悩んだのだが、結局『純喫茶磯辺』を落とした。これは10~20位で良い作品だと思う。だから、キネ旬ベスト20に入ってきても驚きはしないが、僕がここで10本しか選ばない時には入って来なくて良いのである。
他にも『ポニョ』とか(僕が滅多に見ない)時代劇/歴史ドラマとかいろいろあるわけで、まあこの4)と9)は多分選ばれないだろうけどね。どうなんだろ?
あとは『百万円と苦虫女』『グーグーだって猫である』辺りがどうなるか。僕としては少し物足りなかったので外したのだが・・・。
それじゃ、年明け早々のキネ旬の発表と"答え合わせ"をお楽しみに。
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