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Friday, November 28, 2008

身体の動きと脳の差分

【11月28日特記】 昨夜、帰りの電車で隣に若い女性が座って、ものすごいスピードで延々と携帯メールをカシャカシャカシャカシャ──何度見ても違和感を覚える光景。

誤解のないように、嫌悪感ではない。自分とは違うなあという思い。

僕はどうしても携帯のキーで文章を打つという行為に馴染めないのである(だから、こんなに馴染んでる人を見ると、「うーむ、俺とは何かが根本的に違う」と思ってしまうのである)。

そもそも、あれ、不自由でしょ? 理不尽でしょ? かつ、非効率でしょ?

「あ」なら1回キーを叩いただけで出てくるのに、「ぽ」を出そうとすると「は→ひ→ふ→へ→ほ→ぼ→ぽ」と7回も操作しなければならない。この操作の不均衡と言うか、非対称性と言うか、使用頻度と連動しない効率性と言うか──そういうものに、僕は文章を書き始める前に萎えてしまうのである。

そして、「の」と打とうとしているのにしょっちゅう通り過ぎて「な」に戻ってしまう。これは僕の単純などん臭さではなく、僕の脳の動きとキーの操作方法が断裂しているからのような気がする。

僕の脳の動きに適合しているのはキーボードからの10本指での入力である。このほうが10倍は速く打てる。

ところが昨夜隣に座った女性は全くそんなことないみたい。まるで親指1本の魔術師だ。

もちろんこれだけのスピードと正確性(と言っても横から文章をチェックしていた訳ではないが)は最初からあったのではなく、何度も反復するうちに自然と身に着いたものなのだろうが・・・。

きっとこの人たちは僕とは人間の構造が違っているはずだと思う。これは違和感を表す比喩ではない。

指の操作は身体性であり、身体性は脳の動きと直結している。だから、彼女の脳内にはきっと僕とは違う回路が形成されていて、違う形式のストリームが存在しているのではないかと思ったりするのである。

たかが入力形式、と馬鹿にしてはいけない。それは人間の脳を変容さえさせるのである、と根拠があって言うのではないが、なんだかそんな気がしてならない。

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