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Friday, November 07, 2008

WOWOWプレミア『ロスト・ルーム』

【11月7日特記】 WOWOW から録画してあった『ロスト・ルーム』を観た。10月13日に45分×全6話を一挙放送したものだ。

全米で大反響を巻き起こし、エミー賞にもノミネートされたTVドラマで、"ノンストップ・サスペンス・ミステリー"という宣伝文句に偽りはない。

ある質屋に部屋の鍵を200万ドルで売りにきた男がいた。その鍵を差し込むとどんな扉でも開き、その向こうには異界が広がっているらしい。そして、その取引の最中にそれを横取りしようとするヤクザ者・通称イタチが乱入する。彼は一撃にして人を黒焦げにするペンを持っている。

その事件を捜査した警官ジョー(ピーター・クラウス)がその不思議な鍵を手に入れる。その鍵でドアを開けてみると、そこは見知らぬモーテルの一室で、再度ドアを開けて外に出るときにはどこでも自分の好きなところに行けた(つまり、ドアを開けたところが自分の行きたいところだった)。

捜査を重ねるうちに、その鍵やイタチの持っていたペンなどは"オブジェクト"と言われる品々で、すべては元々このモーテルの部屋にあったものだと判る。

人を眠らせる爪ヤスリ、相手をニューメキシコ州に飛ばしてしまうバスの切符、時間を止める櫛、燃焼を抑制する眼鏡、等々、オブジェクトは全米に100以上あり、さまざまな組織や教団が奪い合いの歴史を重ねてきたのであった。

ところで、鍵で開けられるモーテルの部屋は、一旦閉めると元の状態に戻るという特性があった。散らかしたり、物を置いたりしても、一旦閉めて開けるとまたきれいにベッドメイクされた部屋になる。

そこにジョーの一人娘アンナ(エル・ファニング)が逃げ込み、後を追ったイタチがドアを閉めてしまったためにアンナは消えてしまう。ジョーは全てを投げ打ってアンナの捜索・救出に・・・。

そういう話を、無駄なサイドス・トーリーは一切なしに畳みかけてくるので、確かにジェットコースターに乗っているような面白さがある。第5話までは面白くて目が離せない。いや、最終の第6話までそのスリルはちゃんと持続されるのだけれど、残念ながら全部見終わった時になんか納得できないものが残るんだよなあ。

多分これからDVDになって、それを観る人もいるのだろうから、あまり詳しくは書かないが、やっぱり物語の結末というものは全てが繋がって腑に落ちる形にしてもらわなくちゃ。

このドラマはそういう作業を途中でうっちゃって、突然ハイ終わり、打ち切りです、みたいな感じがある。なんか辻褄が合って来ないのである。

もちろん、説明のつかないことが突然起こったという設定もアリだし、解けない謎をいくつか残しても良いし、視聴者の想像に委ねる部分があっても良いし、まあ手法はいろいろあるんだけど、それにしても「ああ、そういうことだったのか」と感じる点があまりにも少なすぎるし、何か残るものがあったとしても、それは日本人が一般に感じる「余韻」とはどうも違うのである。

如何にも、話数が尽きたのでほっぽらかして終わったという感じで腑に落ちない。

「あれは結局何だったの?」「あの人は一体どうなったの?」「あれはどういう意味だったんだ?」「なんであの時あれはああなったの?」「どうして世界は滅亡しなかったの?」等々、見終わるとクエスチョン・マークの嵐である。

途中はとっても面白かっただけになおさら残念な感じがある。

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