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Monday, September 29, 2008

ドラマW『6時間後に君は死ぬ』

【9月29日特記】 昨夜、WOWOW でドラマW『6時間後に君は死ぬ』を観た。面白かった。

作品の出来を監督名のブランドで予想するのは良いことではないのだろうけれど、やっぱり名のある監督が撮ったものとあまり実績のない監督が撮ったものとでは如実に差が出てしまうことが多いように思う。

事実前回(昨年11月)のドラマW最新作4週連続シリーズでも金子修介の撮った『結婚詐欺師』が一番出来が良かった。

今回の最新作3週連続のシリーズでも、水谷俊之監督の『ルパンの消息』は録画したまままだ観ていないのだが、『シリウスの道』は今イチだったし、恐らくこれが一番面白いのではないかなと思う。

総合演出は小中和哉である。ウルトラマン・シリーズで有名な人だが、自主制作時代にはぬいぐるみのクマのコマ撮り映像で知られた人で、僕が初めて観たのも『地球に落ちてきたくま』(1982年)という作品だった。『四月怪談』とか『東京少女』のようなある種のファンタジー路線はあのクマ・シリーズから繋がっているものだと僕は思っている。

原作は高野和明。このジャンルをあまり読まないので知らなかったのだが江戸川乱歩賞受賞作家だそうである。で、このドラマ化に当たっては自ら脚本を担当し、後半の「3時間後に僕は死ぬ」では監督まで勤めている。

この作品は2部に分かれている。

主人公の美緒(真木よう子)が渋谷の街を歩いていると突然見知らぬ男・圭史(塚本高史)に呼び止められて、いきなり「6時間後に君は死ぬ」と言われる。圭史には「ビジョン」が見えると言うのである。しかも、見えるのは非日常的なシーンだけである。

一旦は振り切ったのだが、まず今待ち合わせている友だちにすっぽかされるのを言い当てられて、美緒は圭史を探しに戻ってくる。職場の同僚だった女性が刺し殺されたり、ストーカーにつきまとわれたり、そもそも美緒にも思い当たる節があったのである。

──この顛末を描いたのがタイトルになっている「6時間後に君は死ぬ」である。ただ、残念なことに、登場人物が少ないこともあって、犯人が誰なのかは割合容易に読めてしまう。

そして、1年後にこの2人が再会するのが後半の「3時間後に僕は死ぬ」である。いや、たまたま再会するのではなく、前編では元デートクラブ嬢だった美緒が、「圭史ともう一度巡り会えるかもしれない、たくさんの人と接する職業」ということでどこかの会館の宴会場に勤務していて、とうとうある日あるパーティに圭史が現れたのである。

美緒は明らかに圭史に恋心を抱いている。そりゃ、そうだわなあ。見ず知らずの男がいきなり現れて自分の命を救ってくれて、例えばその男の外見が荒川良々みたいなら別だが、塚本高史くらいカッコ良かったら、誰でも恋に堕ちるだろう。

後半ではその感じがとてもよく出ている。真木よう子って、『ベロニカ』の時にはぱっとしないと思ったけど、非常に良い女優になったなあと思う。前半の元デートクラブ嬢の時には、ちょっとはすっぱで投げやりな感じがしたのに後半ではニート(NEET じゃなくて neat ですよ)で前向きな感じがするところも(衣装や髪型含めての話だが)良く演じ分けていると思う。

で、今度は圭史がその宴会場で火事が発生して自分が死ぬという「ビジョン」を見るのだが、ストーリーもよく練りこんであって、こちらはなかなか読みきれるものではない。そういう意味では最後まで楽しめた。

ただ、後半は真木よう子の魅力が際立っているのだが、画作りとしては前半の「6時間後に君は死ぬ」のほうが遥かに面白い。ゆっくりゆっくり寄って来るカメラの緊張感。一旦向こうに歩いて行って立ち止まって振り返った時などの奥行きのある構図。等々。

総合演出が小中和哉となっているところから見ると、後半は多分小中のアドバイスを受けながら高野が撮ったのであろう。カメラワークは少し趣を変える。カメラは寄らずに廻る。奥行きは少し失われる。

こういうのを観ていると、やっぱり映画は第一義的に映像作品なのだなあと思う。

全体として、単なるサスペンスとしてだけではなく、ドラマとしても却々良かったと思う。運命は決まっていると諦めるのではなく、前向きに生きるというのが作者からのメッセージである。僕は非常に共感を覚えた。

もっとも、アンチ・ロマンチストである妻は「ものごとがうまく運びすぎて面白くない」と言っていたけれど・・・。まあ、希望を持って生きようよ。

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Comments

突然失礼いたします
このドラマを、何度もWOWOWで見逃してしまい 最後の火事になるまえの部屋で二人で話しているところまでは覚えていますが そのあとどうなったのかがわかりません 最後を教えていただけないでしょうか? 宜しくお願いいたします

Posted by: なな | Monday, August 03, 2009 at 20:26

> なな様

すみません。このブログにもしょっちゅう書いているんですが、僕は見た尻からどんどん忘れてしまうんですよね。しかも1年近く前となるともうほとんど全て完全に消えかかってますorz
申し訳ないんですが「そのあと2人とも助かるんですよ」ぐらいしか言えません(笑)。おぼろげに憶えているのは、圭史が見た「ビジョン」では、プロパンガスのボンベ持った作業員が通りがかったところで拳銃が発射されて、それがボンベに当たって爆発して火事になるんですが、その弾が遮断されて火事は起こらず、従って助かる、というくらい。

確か1回再放送してはずですが、運が良かったらもう1回ぐらいやるかもね。お役に立てなくてごめんなさいね。

Posted by: yama_eigh | Wednesday, August 05, 2009 at 22:29

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