映画『20世紀少年』
【8月31日特記】 映画『20世紀少年』を観てきた。
言えることはただひとつ:この後に続く第2章、第3章を見るしかないということだ。ここまでの部分、大変面白いのは間違いないが、作品が完結してないのだからまだ評論を書くべきタイミングではない。
せめて、原作原理主義と堤監督が言っているこの映画がどれほど原作に忠実なのか(あるいは、それでも違う部分はどこなのか)についてだけでも書ければ良いのだが、なにしろ原作は全く読んでいないのでそれも叶わない。ただ、僕としては珍しく、漫画喫茶に行って原作を読もうかなという気にさえなった。
しかし、それにしても、こんなところで映画が終わってしまって(例えば『DEATH NOTE』の第1作のような、とりあえずの終結感もない)、「さあ、ここまで見てとりあえず1800円払え」と言われるのも殺生な話だと思うのだが、これも原作に忠実に作りたいという、原作に対する愛の現れなのかなあと諦めがついた。
これはやっぱり60年代の終わり頃からの記憶がちゃんとある世代の物語なんだろうなあと思う。T.Rex は僕も当時熱狂していたし今でも大好きなバンドだけに逆に新鮮味も懐かしさもなかったが、あのオープニングのポール・モーリアにはなんか妙な甦り感を覚えてしまった。そして、そこから続くいろんなエピソードにいちいち共感を覚えるのである。
この豪華なキャストにもびっくりなのだが、唐沢が63年、トヨエツ・石塚・宇梶が62年、香川が65年、生瀬が60年、佐々木が68年生まれという中で紅一点のユキジ役が72年生まれの常盤貴子というのはちょっと無理がある、浮いている、というのが妻の意見であった。
そう言われるとなるほど確かに、唐沢夫人の山口智子(64年生まれ)あたりの世代の女優を持ってくるべきだったかもしれんとは思う。ちなみに原作者の浦沢直樹が60年、プロット共同制作者の長崎尚志が56年、監督の堤幸彦が55年生まれである。
まあ、ともかく、まだ何も語る段階ではない。第3章を見終わってからゆっくりしっかり書いてみたいと思う。ただ、早く続きが観たい、続編が待ち遠しい作品であることだけは確かだと書いておこう。
ここまでの部分で腑に落ちない点は、地下に潜ってからのケンヂらの活動資金は一体どこから得られているのかということくらいである。
エンド・クレジットの後、第2章の予告編があるのでお見逃しなく。次回は来年1月の末だ。
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