映画『ナルニア国物語 第2章カスピアン王子の角笛』
【5月22日特記】 映画『ナルニア国物語 第2章カスピアン王子の角笛』を観てきた。
叔父の謀反によって国を追われたカスピアン王子が森に逃げ込むと、そこにはかつてカスピアン国に滅ぼされたはずのナルニアの民の生き残りがいた。今回は4兄弟姉妹が住んでいる彼らの時代のイギリスではなく、いきなりナルニア国の話で映画は始まる。
そして、カスピアン王子を逃がした博士に持たされた角笛を、ピンチに見舞われた王子が吹くと、その角笛の魔力によって再び4兄弟姉妹がナルニア国に呼び戻されたのである。
ともかく展開が速いのである。ある種、子供向けの話だから仕方がないのであるが、しかし、息をつく暇もなく次々と違う面白さが展開するのでない限り、あまりテンポが速いと描き方に深みが欠けてしまうことになる。
──なんてことを考えながら見ていたのはごく初めの部分だけで、割合すぐにのめり込んでしまった。
今回は戦いのシーンが多く、カスピアン国の兵隊は人間ばかりなのに対して、前作を見た方ならご存じの通り、ナルニア国には半人半馬やら喋る動物やら動く植物やらがいるので、戦闘におけるその役割分担が結構楽しいのである。細かいところにいろんなアイデアがある。
あ、それから、前作見てないなと全く訳分かんないかと言えば決してそんなことはないのだが、見ていないと「なんだろ、それ?」と思うところがどうしても出てくるし、当然前作を見ていた方が楽しめる。
僕の場合は前作を見たとはいうものの、ほどよく忘れていたので、話の進行に合わせて「あ、そうだった、そうだった」とか「おお、ここでそれが出てくるのか」とか思いながら見られて結構楽しかった。直前にDVD観て予習してたりしたらこれほど楽しめなかったかも。
で、特撮/特殊効果もよく出来ているのだけれど、ドラマとしても上出来だと思う。別に深くはないんだけれど、ドラマ(あるいは活劇)の文法をよく解っている人が作っている感じがとてもする。
前作で描き分けられていた兄弟姉妹の性格は継承されているのか、それぞれの成長は見られるのか、他のキャラはどうなのか(ビーバーはいないけどアナグマとネズミがいる)、前作で紹介されたいろんなアイテムがどういう風に活用されるのか、そして、どこでアスランが登場するのか──そういう計算はよく立っている。
僕は戦闘シーンを見ながら、なんか昔のギリシャ・ローマ時代を描いた映画みたいな感じもするなあと思って見ていたのだが、パンフを読むと「シェイクスピア的な要素もある」と書いてあって目から鱗!
なるほど、日本人には無理かも。でも、イギリス人なら確かにそう来るかも。
あと思ったのは、トータル・イメージとしては似ていないのだけれど、ディズニーとNHKってなんか似た部分があるなあという感じ。
いや、まあ、いろいろ書いたけど、本当はそんなにいろいろものを考えさせられるような作品ではない。ディズニー伝統のおとぎ話である。4兄弟姉妹にカスピアン王子を加えた5人がとても凛々しいのである。そこに尽きるのである──というまとめ方でどうだろうか?
★この記事は以下のブログからTBさせていただきました。
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