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Wednesday, May 21, 2008

エレベータと順番待ち

【5月21日特記】 こないだ(ったってもう1ヶ月以上前ですが)米国に出張してみて痛切に感じたことがある。それは「こいつらエレベータの<閉>ボタン押さないよなあ」ということ。

エレベータに乗っていて、どこかの階に止まって乗り降りがあって、そして乗り降りが終わって(あるいはドアが開いただけで誰も乗り降りしなくて)、それからドアが閉まるまで何秒かかっても、乗っている誰も<閉>ボタンを押さない。日本ではありえない光景だ。もちろん自分が降りる際に他の客のために<閉>ボタンを押してから出て行くというエチケットもない。

いや、僕がアメリカ滞在中に乗ったエレベータで1度も<閉>ボタンが押されなかったとは言わない。何度かは押されるところを見た。が、押したのは多分全員が日本からの旅行者だ。

現地人はまず押さない。コーカサス系だけではない。アフリカ系もアジア系も、あらゆるアメリカ人が<閉>ボタンに触れようともしない。そんなボタンがあることも知らないかのように。逆にボタンを押したことによって、現地人でないことが露見する。

「なぜ押さないんだ?」と正面切って訊いたら、多分「押さなくたってドアは自動で閉まるぜ」と言うと思う。それはその通りなんだよね。一般論としてそれは解る。

たとえば僕は、日本人には珍しく、ドアが閉まりかけたエレベータに向かって走ることはまずやらない(もし走っていたら、それはもうよっぽど急いでいる時である)。目の前でエレベータのドアが閉まるのを平然と見過ごす僕のことを、周りは怪訝な顔で見る。で、僕は言う、心配しなくても、また来ますよ(^_^)v

──その感覚と同じだろうと思う。だからエレベータのドアが閉まるまでの間待つことは特に苦痛ではない。だから僕も滞在中、途中から一度も<閉>ボタンを押さなくなった。

ただし、やっぱりどうしてアメリカ人がこんなにおおらかなのか不思議に思うことが他にもある。

例えば何かを待って並んでいるとき。コンビニなどで前の客がどんなにどんくさい奴で、金を払ったりお釣りをもらったりするのに時間が掛かっても、彼らアメリカ人の買い物客は別にイライラする向きもない。

僕はそういうのには結構いらついてしまう。

例えば駅の切符売り場。渋谷とか新宿とかの激混みの駅の券売機の前に並んで、自分の番が来てから漸く壁の料金表を見上げて運賃を確かめようとする。ところが路線図のどこに自分の目指す駅が載っているのか、まずそれが見つけられない。しかも、視力が悪いのか一生懸命目を凝らして見ている(そして却々見つけられない)。で、漸く料金を確かめてから財布を探す。鞄の中に入れたらしいのだが、これがまた却々出てこない。で、漸く財布を見つけ出したかと思うと、今度は運賃分の小銭を出すのにめちゃくちゃ時間がかかる。その小銭を投入口に入れる作業も非常にもたもたした感じ。やっと切符が出てきたかと思ったら、お釣りを財布にしまってその財布を鞄にしまうまで、切符を取り上げて券売機の前を離れることをしない。

──そういう人を見ると本当にいらついてしまう。他の人に迷惑をかけないのが都会で暮らして行くための条件であり、礼儀であると思う。

僕はまず列に並ぶ前に料金表で運賃を確かめ、財布を開けてその運賃分の小銭を握り締めてから列に並び、取り出し口に指を添えて切符が出てくると同時にそれを抜き取り、速やかにその場を離れるように心掛けてきた。

でも、そういう風にしない客にイライラするのが嫌で、結局常にプリペイドカードを持つようになり、今では関西では PiTaPa、関東出張時にはモバイル Suica で、すなわち常にキャッシュレスで乗るようになってしまった。

都会人ってそういうもんじゃないかな、とずっと思ってきた。ところが、意外なことにアメリカ人は、アメリカの都会であっても泰然と自分の番が廻ってくるまで並んで待っているのである。

エレベータは不思議ではないが、列に並んでいるときの態度はものすごく不思議。

で、なんで彼らはそういうことを易々と辛抱できるのか今イチ理解できないのではあるが、なんであれ、そういうおおらかさは見習うべきかな、などと思ってしまうのである。

だから、日本に帰ってきてからは、できるだけ心を鎮めて列に並ぶように心掛けている。「心配しなくても、自分の番は確実に廻ってくるよ」と自分に言い聞かせながら。

でも、エレベータの<閉>ボタンは日本に帰ってからまた押すようになっちゃったなあ(笑)

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Comments

以前一度書いたような気もするのだが、私なりの思い出。1974年に1ヶ月NY に出張した。当時、私のいた会社には「北米支局」なる大層な名前の、社員ひとり、雇員ひとりの出張所があり、古びたビルの36階あたりに小さな事務所を構えていた。出張中のある日、北米支局長と一緒に帰ってきたら、エレベーターがまさに閉まりかける寸前で、私は走ってボタンを押した。支局長は大阪弁で「なにをあたふたしとるんや、またすぐ来るがな」とたしなめた。
それから2年、支局長は帰国、私と同じ職場で働くようになった。帰国早々だったと思うのだが、たった9フロアしかないビルのエレベーターに「待ってくれ!」と怒鳴りながら走る元支局長がいた。
ちなみに、私はアメリカにいようが、日本にいようが、一足でも早くエレベーターに乗るためには、走る。

Posted by: hikomal | Saturday, March 20, 2010 at 21:31

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