『ナイト・ミュージアム』
【5月4日特記】 昨夜 WOWOW で映画『ナイト・ミュージアム』を観た。原題は NIGHT AT THE MUSEUM。ありがちな構造の邦題だ。
公開時にちょっと面白そうかなあと思ったのだが、まあ、どうでも良さそうな映画だし、結局パスしてしまったが、実際見てみるとホントにどうでも良いけど面白い!
バツイチ中年男が、前妻(及びその現夫)と、週に1.5回泊まりに来ている小学生の息子の手前、いつまでも転職と転居を繰り返している訳にも行かず、とりあえず定職であるというだけの理由で博物館の夜警の職に就く。
この博物館がNYに実在するアメリカ自然史博物館だ。J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』(村上春樹訳では『キャッチャー・イン・ザ・ライ』)にも登場する。僕も1996年の7月に訪れている。
で、ちょっとした訳(と言うか秘密)があって、この博物館は夜になると展示物が「生き返る」(映画の中では come to life という表現を使っていた)のである。
この博物館はなんせ歴史博物館なので、恐竜の骨からマンモスをはじめ、古代エジプトのファラオ、古代ローマの兵士、アジア大陸のハーン(汗)、インディア ン(今で言うネイティブ・アメリカン)、アメリカ南北戦争の兵隊、ルーズベルト大統領(フランクリンではなくセオドア)まで、原寸大とミニチュアが混在し て展示してある。それらが一斉に生命を注入されて動き出すので大変である。
単純にこのドタバタが結構笑えるのである。特に消火液を喰うネアンデルタール人なんかもう最高の爆笑もの。次々展開されるCGも非常によく出来ている。
で、そもそも主人公は離婚して時々息子と会っているという非常に現代アメリカ的な設定で、アメリカ人が大好きな「家族」がテーマだし、非常にアメリカ的な教訓(典型的なアメリカのヒーロー像)が込められている。まさにアメリカ的な映画であり、しかしそれがギャグ紛れの展開の中に練り込んであるので、如何にもアメリカ的な嫌らしさではなく如何にもアメリカ的な魅力となって現れている。
まったくもって馬鹿馬鹿しいエピソードの連続に笑って笑って、そしてお約束通りトラブルは解決してすっきり見終わった。
あんまり面白かったのでキネマ旬報の投票ではどうなっていたのかと調べてみたら、2007年キネ旬外国映画ベストテンの投票では合計8点を稼いで堂々の第93位だった(と言っても61名の審査員のうち1人が8点をつけたというだけだったが)。
よくできた脚本です。うん、誰が見ても及第点だと思うんだけどなあ・・・。
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