【4月5日特記】 朝7:20母から電話で叩き起こされる。
「えらいこっちゃ!」──いつもの台詞。
さて、今日は何を盗られたと言うのかと思ったら、「入れ歯」。
多分、昨夜いつもと違うところに仕舞って、それを忘れてしまったのだろう。
しかし、それにしても今まで盗られるのは財布か急須かのどちらかだったのに、選りにも選って入れ歯かよ!
誰がそんなもん盗るか?
そんなもん盗ってどうするっつーの?
なんでそんなもん盗るの?
──というのが我々のまっとうな発想だろうが、認知症の母には通じない。
「なんでって、嫌がらせに決まってるがな!」
認知症に特有の物盗られ幻想と被害妄想が結びついている。
母はある種の老人ホームみたいなところにいるのだが、自分の部屋にはちゃんと施錠している。なのにどうして寝ている間に入れ歯を盗まれるのか、と言いたくなるのが我々の発想だが、母は寝る時に施錠しているという記憶がないのでどうしようもない。
それに施錠すると怒鳴られると常々思いこんでいる(その割にはいつもちゃんと施錠しているのだが)。
施錠して怒られるくらいなら、もともと部屋に鍵がついてないか、つけていてもその鍵を渡してもらえないかどちらかのはずだ。ちゃんと鍵を預けらている訳だから、施錠して怒られる訳がない、というのが我々の発想だが、認知症の母が一度思い込むと、我々がどんなに説いても、その思い込みは覆らない。
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