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Sunday, March 30, 2008

ドラマW『扉は閉ざされたまま』

【3月30日特記】 昨夜、ドラマW・2夜連続ミステリー(の第1夜)『扉は閉ざされたまま』を観た。

全然知らなかったのだけれど、同名の原作小説は2006年版「このミステリーがすごい!」の第2位だそうな。その作家・石持浅海の作品を2夜連続でやる。今日の主演は黒木メイサと中村俊介。監督は村本天志(むらもと・たいし)──この人の名前も聞いたことなかったけど、東北新社出身で、映画作家としては大した経歴がないようだ。

最初に殺人シーンを見せられる所謂 Inverted Story(=倒叙型ミステリ:つまり、述べる順序が逆になっているミステリ)なので、観客は誰が犯人なのかを推理する必要はない。

刑事コロンボや古畑任三郎だったら、そのあと刑事と容疑者の丁々発止のやり取りを楽しむことになるが、この『扉は閉ざされたまま』にはそれはない。何故なら警察が来るまでの話なのである。

では、観客の興味の対象となるのは何か?
それは殺人の動機と、犯人は何故8時間以内に死体がみつからないように細工を施したのか、の2点である。

なるほど、そういう謎解きに焦点を持って行くとはなかなか面白いと思う。そういうミステリはあまり聞かない。

で、行われた殺人自体は完全犯罪をもくろんだ密室殺人である。

大学のゼミの同窓会で、とある金持ちの一軒家の洋館を借り切った7人。そのうちの中村俊介が山崎樹藩を殺す。食事の時間になっても出てこない山崎。気にするみんなを押えて「もう少し寝かせておいてやろう」などと言う中村。そして、最初におかしいなと気づいた中村の元カノ・黒木メイサ──ま、そんな設定である。

前述のとおり、物語を成立させている発想自体がユニークだし、ドラマの中で繰り広げられる心理戦が面白いと言えば面白いのだが、しかし、よく考えてみると綻びはいっぱいある。

  1. どうせ殺すなら何故6人(+1人)も集まる機会を選んだのか?
    そのことによってアリバイが成立している訳でもない。それなら彼の家を訪ねて同じように殺したほうが安全ではないか? わざわざ同窓会の場を選んだ犯人の心理がよく解らない。
  2. そして、死んだあと8時間のうちに発見されるのを防ごうとするなら、なおさら1泊の同窓会という場は相応しくない。全く飲み食いに現われずずっと部屋に閉じこもっていては、いくら何でも仲間が心配するだろう。それを考えても、わざわざこういう機会を選んだのは不自然。
  3. 必死で8時間が過ぎるのを待つ犯人だが、仮にもう少し早く発見されて警察の手に渡っても、おそらく検視解剖されるだろうから全てが終わるまでには優に8時間は過ぎてしまうはずだ。

などなど。

まあ、でも、あんまり細かいことに拘っていてはミステリなんぞは楽しめやしない。それはそれとして、田丸麻紀、柏原収史、和田聰宏、国分佐智子、小山田サユリなど他の役者も良いし、一流カメラマンが撮ってるから画もとても美しい。

ただ、ちょっと、ドラマ引っ張りすぎじゃないかえ? 事件が解決してから犯人の苦悩と偏狭を、泣いて叫んでこんなにも大芝居して引っ張らなきゃならんのか?

まあ、でも、このストーリーを映画化しようと選んだということからして、制作者は間違いなくそっちの路線に行ってしまう人たちなんだろうなあ。

それに、僕はどっちかと言うと砂漠で干からびたカラカラの蛙の死骸みたいなタイプだからそう思うだけで、日本人って割合ベタベタのドロドロが好きだったりするから、結構こういうの観て感動する人も少なくないのかもしれない。

話としちゃ面白い(隣で妻は「あんまり面白くなかった」と言ってたけど)のだが、作品としてはどっちかと言うとそういう人向きです、というのが僕のまとめです、はい。

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Comments

DVD見たけど最悪ですね。
なにが完全犯罪、、、笑わせます。
最大の綻び(原作は読んでないので分かりませんが)、、、、
殺すときに洋服着せたままだったでしょ。
それであとで脱がしてる。
おかしいでしょ。
事故や自殺に見せかけるにしても、死んでからシャツ濡らしたりできないです。あとで警察はその点について必ずや疑問を持つはず。
もっとも10時間でシャツがすっかり乾けば別ですが、、無理っぽい。
それと10時間の意味はまったくないですね。
検査の結果を伏見は知っていて、それは職務上言えない、という台詞もありますが、、死んですぐ発見されたとして、それで仲間が臓器提供を言い出したとしたら、、、それでも職務上言えない?、、不自然極まりない話です。相手が生きていてこその個人のプライバシーであって、、その場合当然のことながら、、、臓器提供はできないんだ。実は検査の結果が、、、と言えば済む話で、、なにもあの場面で犯行を告白する必要性なんかどこにもないし、もちろん10時間待つ必要なんてどこにもない。従って、悲しいほどに下らないタイトルになってしまっている。
こんな間抜けなミステリ−、世に出すなよー。。

Posted by: がぶん | Sunday, September 21, 2008 at 03:48

> がぶん様
どうも。そうですか、DVDが出ましたか。で、ご覧になりましたか。あれから半年経って、僕はもうほとんどどんなドラマだったか思い出せません。憶えているのは「ちょっとしんどかったよなあ」という感想だけです(笑)

Posted by: yama_eigh | Sunday, September 21, 2008 at 10:51

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