ドラマW『君の望む死に方』
【3月31日特記】 昨夜、ドラマW・2夜連続ミステリー(の第2夜)『君の望む死に方』を観た。第1夜と同じ石持浅海の、こちらは最新刊らしいのだが、どうも感心しない。と言うより、ひどい。
僕は読書評でも、映画評でも、できる限り褒めるようにしている。知人の読者に聞くと、あまり褒めているようには読めないらしいのだが、これでも本人は精一杯褒めているつもりなのである。
全般に貶すような記事になってしまった時でも、なんとか褒められる部分を探し出して、その点についてはプラス評価の表現を残すようにしているつもりだし、マイナスの評価をするときでも「あくまでこれは僕個人の感じ方で、人によっては気に入るのかもしれない」と書く機会を多くしているつもりだ(どうもこの表現が単なる皮肉にしか見えないことが多いらしいのだが、皮肉で書いているつもりはないので素直に読んでほしい)。
オンライン書店 bk1 に投稿している書評に関して言うと、必ずしも読んだ本全部について書いている訳ではなく、「ああ、これはどう頑張っても褒められないな」と思う絶望的な書物については書評を投稿するのを控えている。
映画評についてもそういう方針を採っても良いのだが、今回ばかりは昨日第1夜『扉は閉ざされたまま』を載せているので、観たにも拘わらず第2夜の作品評だけ割愛するのは僕の性に合わないのだ。
だから、しょうがなくて書くけど、これはちょっとひどい。
筋がひどい(原作が悪いのか脚本家が悪いのかは不明)、台詞がひどい(これは脚本家が悪い)、演技がひどい(役者が悪いのか演出家が悪いのかは不明。だけど多分両方)と3拍子揃ってしまうと挽回のしようがない。
僕は常々「映画は第一義的に映像作品である」と書いているけど、筋と台詞と演技がひどい作品でいくら画が綺麗だと褒めても仕方がないだろう。
その画にしても、しょっぱなから富士山だ。なんとかならないか、このステレオタイプ。
監督の香月秀之は『借王』シリーズを撮っていた人らしいが、観たことがないので何とも言えない。ただし、今回のこの『君の望む死に方』に関して言えば、全ての俳優が力入りまくった大げさな演技で、しかも全ての出演者が同じ色合いになっている──ということはやはり演出が影を投げかけているのかなと思う。
WOWOW では4本目ということは、これまでの3本はそこそこ良かったんだろうか?
設定やストーリーも如何にも無理がある。無理の連続を力ずくで無視して進めている感じで観ているのが嫌になる。原作はどうだったんだろう? 原作そのままだったとすると前夜の『扉は閉ざされたまま』と同じ作者とはとても思えない。
台詞回しは不自然の連続。かなりひどい。
うむ、残念。残念としか言いようがないのがまた残念。
Comments
「阪急電車」も、yama-aさんは批評を控えられるような気がします。私は好きですが、批評するほどのものではないと思いました。
Posted by: hikomal | Monday, March 31, 2008 23:00
> hikomal様
あ、bk1 に『阪急電車』の書評を投稿するのを控えるだろうってことですか? 最近アップされるのが遅くなってますが、実はもう投稿しました。で、激賞しちゃったんですけど、どうしましょ?
多分明日くらいには公開されるので、ま、笑ってやってください。
Posted by: yama_eigh | Tuesday, April 01, 2008 20:59