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Saturday, February 16, 2008

『着信アリ』

【2月16日特記】 かなり前に WOWOW から録画しておいた『着信アリ』を観た。実はこの日の WOWOW ではシリーズ3作一挙放送だったのだが、ま、三池崇史監督・柴咲コウ主演の第1作だけで良いかなと思い、他は録画しなかった。

携帯に、自分の携帯から着信がある。そして、未来(数日後)の日付で自分の声の伝言メッセージが録音され、その時刻にまさにその通りに喋って何者かに殺される。そして、その携帯に入っていた番号に、また次の着信がある──というホラーである。

僕はホラーはあまり詳しくない。去年1年間に観たのは『悪夢探偵』と『叫』くらいのもんだ。で、ホラー・ファンの間でこの2つの映画がどう評価されているのかも知らないし、キネ旬のランキングでは何故前者が選外で後者が第12位なのかもよく解らない。

ただ、まあ、ホラーの世界も大変深いものなのだなあという想像だけはつく。

さて、三池崇史監督なのだが、あまり怖くない。と言うか怖がらせようとしていない。音で脅かしたり、派手な動きやグロい映像を使えばもっと怖くなるだろうに、こけおどししようという意欲がない。あまりケレン味の感じられないホラーである。ただ淡々と登場人物が殺られて行く。

と思ってたら、最後に柴咲が襲われるところで初めて少し怖がらせてくれた。

終わり方も曖昧、と言うか多様な解釈を許したまま締めており、ま、こういうところがさすがに三池ということなんだろうか。こういう終わり方のほうが怖いと言えば怖い。

いずれにしても、こういうのは映画館で見るに限るよね。

映像が暗すぎてよく見えない。誰が誰なのかさえ判りにくい。これが暗い映画館の中でならもう少し識別がついたのだろう。そして、雑音が入らない映画館のだったらもっと集中して聴き分けられたはずだ。意図された暗闇でのひそひそ声も、明るく雑音の多い家庭ではちと辛い。

これ、原作は何と秋元康なんですね。それを知るとなんか価値が半減したような気分。都市伝説ホラーとでも言うべきジャンルだと思うんだけど、この手のものとしてはやっぱり『リング』が最高によく出来てた(小説も映画も)と思う。

やっぱり、あの貞子の怖さには誰も太刀打ちできないでしょう。

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