映画『L Change the WorLd』
【2月17日特記】 映画『L Change the WorLd』を観てきた。
ご存じ『DEATH NOTE』、『DEATH NOTE the last name』からのスピンオフ企画。
と言っても、あら、Lったら、『DEATH NOTE the last name』でデスノートに自分の名前書いてキラ=夜神月をやっつけたあと安らかに死んだのかと思ってたら、その間にこんなデカい事件片付けてたのね、ってな感じの話なので、別に『DEATH NOTE』シリーズを全然知らない人が観ても解らない話ではない。
ただ、あの2作を観ていると、あそこからLがスピンオフしてくることの必然性がはっきり見えてくる。これはその延長線上でこそ見るべき映画だと思う。
そして、やっぱりそういう人たちが観に来ているのだろう。満員だった。右も左も、自分の座ってる列がぎっしり全部埋まっているというのも珍しい光景だった。
さて、スピンオフだからと言って舐めてはいけない。
海外ロケは出てくるし、爆弾炸裂してるし、空港でジャンボ機使ってロケしてるし、一体なんぼ使っとるんじゃ、この映画は!
ただし、筋ははっきり言って茶番だね。死神に魂を売り渡すみたいな話なら作る側の自由度も高く、ちょっとやそっと突飛な展開になっても客はちゃんとついて行けるのだが、ウィルスとか生化学とか、そういうサイエンスが絡んでくるとストーリーの自由な展開が次々にリアリズムを破壊してしまうことになり、見ていて白けてしまうのである。
ここでは、世界にウイルスをばらまこうとする組織の連中の動機がいまいち納得できないし、その計画を進める手法も杜撰すぎるし、おいおい抗ウィルス薬ってそんなに突然にできるのかいっちゅうのもあるし、そして役者の演技がいちいち濃すぎるところが余計に熱を冷ましてくれる。
ただ、如何にも中田秀夫監督らしい"切れ"は随所に見られる。鶴見辰吾の最期とか工藤夕貴の血の涙とか、こういうホラーっぽいグロはお手のもんだね。
んで、ストーリーを別とすれば、って別としちゃいかんか(笑)、何と言うか「所詮娯楽映画ってそんなもんさ」と割り切って観ると、台詞のころがし方/俳優の動かし方なんかとてもよく出来た脚本であり撮影であったと思う。
何よりも、前作までは室内でコンピュータの前でお菓子食いながら立て膝してたLが走るわ自転車こぐわおまけに飛行機に、おっと、この辺にしておこう。お楽しみは映画館で。
松山ケンイチのLって、やっぱり、すっごいはまり役だね。ほんで、この映画ではそのLを喰うほどの熱演を見せているのが福田麻由子(ま、他の役者と同じく彼女も大げさな演技をさせられていたけど)。
とても面白かったよ。楽しかったよ。うん、ほんとに。でも『DEATH NOTE』ほどではなかったかも。
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