僕らの世代
【1月19日特記】 僕らの父の世代は、「俺たちは戦争をやってきたんだぞ。焼け跡闇市を生き抜いてきたんだぞ。お前ら何を甘っちょろいことを言ってるんだ」と僕らを責めた。
それに対して「僕らの名前を覚えてほしい。戦争を知らない子供たちさ」と開き直ったのは僕らよりも10歳も上の世代で、僕らは彼らにも共感できなかった。
僕らより上の何代かの世代が長い時間をかけて日米安保条約反対闘争を主導し、そして挫折した。僕らはそれを、半分ほどの意味も解らずTVで見ていた。
僕らには戦う相手がなかった。仮想敵のないまま育ってしまった。
僕らには何があったか? 東京オリンピックか? 大阪万博か? 札幌オリンピックか?
お祭りばかり、腑抜けた平和だ。
僕らがたどり着いたらいつも終わっていた。戦争も安保もベ平連もフォークも。
ビートルズでさえ僕らが中学生になるのを待ってくれなかった。
僕らは何世代?
新人類? いや、それは僕らより少し下の世代だ。
(なんとなく)クリスタル世代? おいおい、それは勘弁してくれ。
僕らは何を脳裏に焼き付けて少年時代を駆け抜けて来たのだろう?
アポロ11号か?
「僕らが生まれてくるずっとずっと前にはもう」──ポルノグラフィティにそんな風に歌われてしまって、僕らはやっぱり苦笑しているしかなかった。
僕らはやがて老い始める。苦笑しながら老い始める。
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