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Sunday, January 27, 2008

映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』

【1月27日特記】 映画『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』を観てきた。

滝本竜彦という作家の存在は辛うじて知っていたが、この原作小説の内容については全く予備知識のないまま、また監督が誰なのかも知らないまま見に行った。

そしたら、なんか如何にも時代劇みたいなムードで映画が始まって、よく見たらやっぱりこれは時代劇のセットで(のちにこれは日光?江戸村だと判明するのだが)、そこに木刀持って靴下留め(死語?)にナイフを仕込んだ女子高生・絵理(関めぐみ)がいて、彼女に襲い掛かってくる(ダース・ベーダー+リンダマン)÷2みたいなチェーンソー男がいる──

って、なんじゃそりゃ?
で、CGとワイヤー・アクション使いまくりで、結構凄いのよ。圧倒的な構図でチェーンソー男が迫ってきて、猛烈な動きで関めぐみが反撃する。

ともかく画作りがよくできていて、初っ端から、「これ、結構めっけもんの映画かも」と思ってしまった。

で、ストーリーはと言えば、たまたまその対決シーンに遭遇してしまった高校生・山本陽介(市原隼人)が、頼まれてもいないのに翌日から絵理の助太刀(これまた死語か?)をする、という話。

そう、この戦いはほぼ毎晩行われるのである。雪が降ってきて、「なんで雪までCGなんだ?」と思って見てたらその雪がホワッと空中で止まって、そうするとチェーンソー男が空から降ってくる。あるいはプールの中から飛び出してくる。

さっきも書いたが、そのカメラワークの見事なこと!

映画初監督の北村拓司はCMディレクターだそうな。なるほどCMの絵心か。

で、このチェーンソー男は一体何者なのか(心臓にナイフが刺さっても死なないのだから人間でないことは確かだ)、なんで絵理と戦っているのか等については登場人物たちも定かでないし、観ている我々にも明かされない。

これは何かの象徴だとか隠喩だとか、そういう解釈論に進むのは僕としては気が進まないのだが、ともかくこういうものを扱って、青春時代特有の焦燥感、欠落感、空想癖、非日常性への渇望などがよく描かれている。

映画には他に、陽介の寮仲間で親友の渡辺(浅利陽介)や、同じく親友だったがバイク事故で死んでしまった能登(三浦春馬)などが登場して、陽介の学園生活も描かれる(だが、登場人物たちの家族がひとりも描かれていないところがこの映画の特徴でもある)。

そして、学校の先生役で板尾創路が出てくる。大好きな役者なのだが、その板尾が「このごろのガキは難しい」という台詞を皮切りに始める今の若者の分析が見事に急所を突いていると思った。

別にファンでもないのに関めぐみの出演映画を映画館で見るのはこれが6本目である。不思議に生き残ってるね、この女優。

キャスト/スタッフロールが全部終わった後に、ほんの5秒ほどだが見逃してはいけない1シーンがあるので、すぐに席を立たないように注意。

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