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Monday, December 24, 2007

回顧:2007年鑑賞邦画

【12月24日特記】 2007年は邦画を45本観た。年間100本も200本も観る人からすれば、「なんだたったそれだけ?」と言われるだろうが、これでも僕の年間新記録なのである。

で、新記録で調子に乗って、その45本から何本か選んでみることにした。

──と、昨年12月23日に書いた記事と数字以外は全く同じ書き出しで始めてみた(これは昨年1月4日に書いたその前の年の邦画総括記事ともほとんど同じ書き出しである)。

今年はまだ何日か残っているので、まだ1本くらいは邦画を観る可能性もあるが、もうそれほど素晴らしいものは残っていないのではないかなと思い総括記事を上げることにした。もし、年内に順位を揺るがすような名作を観たら、また改めて追加訂正を書く。

僕が観た鑑賞映画リストは左の欄(RECENT POSTS の下)にリンクが張ってあるのでそれを辿って見てほしい。

さて、今年も去年に引き続いて「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしいもの」というタイトルで選んでみた。一昨年の「『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入りそうなもの」と違って、僕の願望が込められている。このニュアンスの違いを解ってほしい。

また、あくまで『キネ旬』を意識したものであるところもひとつのポイントである。

対象は2007年に映画館や試写会で観たもの。TVやDVDで観たものは含まれない。だから、今年の映画だが劇場公開前に WOWOW で観てしまった『犯人に告ぐ』は対象外ということになる。

『キネマ旬報ベストテン』の20位以内に入ってほしい10本

  1. それでもボクはやってない
  2. 魂萌え
  3. 幸福な食卓
  4. 松ヶ根乱射事件
  5. 赤い文化住宅の初子
  6. しゃべれども しゃべれども
  7. 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
  8. 恋するマドリ
  9. サッド・ヴァケイション
  10. クローズZERO

良かった順ではない。僕が見た順である。

1)は公開が早かったので印象が薄れているという不利はあるが、まあ順当に選ばれるだろう。賞もいくつかもらえるのではないかと思う。

2)は不思議な映画である。観た直後の映画評では僕はあまり褒めてはいない。しかし、いつまでも心に残っていて、折りに触れていろんなシーンが脳裏に甦ってくるのである。そういう映画こそが良い映画なのかもしれない。

あの時は「僕の年齢が少し足りないのだろうか?」と書いたけれど、結局のところ僕もこの手の話から逃れられない年齢に差しかかってきたということかもしれない。ともかく、映画は基本的に映像芸術であるということを実感させてくれる作品だった。

3)も非常に良かった。あの抽象的な原作を、実体のある人間のドラマとしてフィルムに固定しているのは見事だと思う。この素晴らしさをうまく分析しきれず、従ってちゃんと文章で伝えることができない自分を苛立たしく思ったほどだ。

山下敦弘や三池崇史、平山秀幸、行定勲のような多作な監督については、結局この1年間に観た複数の映画の中からその監督のベストを選ぶ作業になる。山下敦弘については『天然コケッコー』も捨て難かったが、やや借り物感の残る『天然コケッコー』よりも、いかにも山下らしい4)を選んだ。

5)は迷った挙句最後の10本目として選んだ作品。タナダユキ監督。ま、どうせ選ぶなら大御所の作品ではなく新進の作家を選んでおこうかという意識も働いた。僕はこういうタイプの絶望的な映画に強く魅かれる。突き放した絶望の中に仄かな優しさが感じられる映画である。

6)はそんなに審査員の票が割れることもなく、ある程度上位にランクされる映画ではないだろうか。ストーリーの良さもさることながら、構図そのものと構図と構図の繋ぎ方に工夫の感じられる映画だった。

7)は圧巻だね。ホン(脚本)の凄さ。僕だったら逆立ちしても思いつかない設定。主人公に共感はまるっきり覚えない。が、映画には魅かれる。ともかく怒涛の面白さである。サトエリのワンマンショーに見えて永作と永瀬が裏でしっかり支えている。ホンの面白さに加えて、俳優のパフォーマンスとしても、映像としても見ごたえのある作品だった。

8)は今年の新人監督ではイチ押し。まあ、誰もベストテンに選んだりはしないだろうが(笑)。画も良い。台詞も良い。ガッキーも良い。元気になる映画だ。

9)は僕にとっての本年最高傑作である。化け物みたいな映画だ。あまり語る言葉を持たない。語りたくない気分でさえある。

最後に10)は三池崇史監督。『SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ』もあったが、あっちは結構遊びながら楽しく撮ったという感じ。『クローズZERO』のほうが三池の真骨頂という感じがする。当たった映画には理由がある、という観点で選んでみた。

以上が僕が今年選んだ10本、と言うより冒頭に書いたとおりキネ旬ベストテンの20位以内に入ってほしいなあと思う10本だが、今年はかなり裏切られそうな予感もある。市川準も根岸吉太郎も森田芳光も中村義洋も選ばなかったしなあ・・・。

ところで毎年キネ旬ベストテンを見て「そりゃないでしょう」と思う映画がある。まあ、誰だってそういうことはあると思うし、それがどの映画かと言えば人によって全然違うと思うのだが、僕の場合去年で言えば『博士の愛した数式』と『フラガール』だった。

前者は選んだ人の気が知れないという感じ。後者は上位にランクされて当然だけど、1位はないでしょう、という感じ。

今年で言えば『キサラギ』。書かずもがなのことかもしれないが、僕としては20位以内には入ってほしくないなあ。

あとは例によって年明けにキネ旬ベストテンが発表されてから例年通りの検証記事を書きます。

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