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Monday, November 05, 2007

ドラマW『長い長い殺人』

【11月5日特記】 昨夜 WOWOW で「宮部みゆき『長い長い殺人』」を観た。ドラマW最新作4週連続放送の1週目である。

ま、面白いんだけど、タイトルの通りちと長いわ。140分というのはちと疲れる。しかも、22時からの2時間20分というのは疲労度が高い。

もう少し短くならなかったのかなという気がする一方で、原作が長くて複雑なんだから仕方がないという気もする(と言いながら原作は読んでないのだが・・・)。

筋は、あんまり長いので真剣に書く気はないが、多分デキていると思われる男(谷原章介)と女(伊藤裕子)がいて、その2人がそれぞれに保険金目当てにそれぞれの配偶者を殺したのではないかという疑惑を受けているのだが証拠がなく、逆にアリバイがある。

2人はTVのワイドショーに取り上げられて次第にスター(悪役)化して行く。その2人を刑事(長塚京三)と探偵(仲村トオル)が追い詰めて行く話である(って、ホントはもっともっと複雑なんだけど)。

何よりも、これだけ登場人物の多い(名前を知ってる俳優だけで何十人もいる)こんがらがった話をよくここまで見やすく整理してドラマに展開したなあという感はある。細かく章立てしたのが成功だったのか?

それと、登場人物たちの財布が語るというスタイル(これは原作通りなんだろうか、それとも映画化に当たっての工夫なのか?)は手法としてはかなり野暮ったい感じがしたが、観客に語りかける手法としては理解を助けるものであったようにも思う。

谷原章介の役者としての面目躍如の感があったねえ。それから、登場人物の中では珍しく谷原をかばう役だった大森南朋も良かった。

ストーリーも、冷静に考えればちょっと現実離れした点も多いが、その分意外性たっぷりで、エンタテインメントとしては上質なんじゃないかな。

監督は麻生学。僕はよく知らない。『千里眼』や『着信アリ Final』を撮った人だ。まあ、前述の通り「まとめる」という意味では力量を認めてあげるべき人だと思う。

ところで、この作品を観ていると、同じく宮部みゆき原作で、同じように登場人物が山ほどいて、同じくドラマWとして映画化された『理由』(大林宣彦監督)を思い出したのは僕だけではないだろう。

こうやって2つ並べてしまうと、『理由』が如何に巧く映画化できていたかを思い知った気がする。

もちろんこの『長い長い殺人』の出来が悪かったという意味では全然ないのだけれど。

今回のシリーズ4作品では再来週の『結婚詐欺師』(乃南アサ原作、金子修介監督)が楽しみ。

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