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Monday, November 19, 2007

ドラマW『結婚詐欺師』

【11月19日特記】 昨日WOWOW から録画しておいたドラマW『結婚詐欺師』を観た。ドラマW最新作4週連続放送の3週目の作品。

いやぁ、面白かった!

原作は乃南アサの小説。(読んでいないのでわからないが)原作も多分よく書けているのだろうが、福田卓郎の脚本もかなり良かった。やっぱり良い脚本で良い監督が撮ると良いなあという感じ。

観ていて1回結婚詐欺をやってみたくなるくらい、加藤雅也の詐欺師が板についていた。騙される女たちの心理って、ああ、こんなものなのかなあ、と思ってしまう。

そして何よりも、偶然元恋人(鶴田真由)が詐欺の被害者になってしまった捜査員(内村光良)が、彼女への未練たらしい気持ちが勝ってしまって、捜査の本分を逸脱してしまうという設定が見事。騙された女たちの、騙されたのに被害届けを出そうとしない女たちの気持ちが、最後の最後まで理解できない彼の情けなさ。

このウッチャンの情けなさが余韻として残る。そこがすごい作品だと思う。

そして、素に戻ると生まれ故郷の関西弁が出てしまう加藤雅也の、その関西弁の憎たらしいこと! この辺りも見事。

騙される女たちもそれぞれ個性的で、しかも見ている者を納得させる力があった。──登場順に、鈴木蘭々、星野真里、夏樹陽子、東ちづる、秋本奈緒美、そして鶴田真由。それに加えて、自身は何も騙し取られてはいないが、真実を知っても加藤を庇おうとする電話秘書の満島ひかり。

いやいや、本当に見ごたえがあった。

警察で内村が鈴木蘭々の調書を取っているシーンで突然机の下が映し出されてサンダル履きの2人の足が見えるところとか、東ちづるの部屋で加藤が立ち上がった途端に彼が積んでいたマッチ棒の城が崩れるシーンとか、鶴田の若い部下が「僕は言われたことはやりました。僕は悪くありません」と言い訳するところとか、そういう、筋だけを追っていたら絶対に思いつかないシーンが出てくる。

──それが映画なのだ。それが映画のリアリティを固め、ストーリーや台詞からは出てこないある種のイメージを付加して行くのである。

その辺りを見ても、これが如何に洗練された完成度の高い作品かが判る。

ところで金子修介監督の代表作って何なんだろう? 多分一連のガメラものということになるんだろうか(僕は1本も見ていないけど)。あるいは最近の『デスノート』2作か?

僕が初めて映画館で観たのは『OL百合族19歳』だった。それから(映画館で観たものだけで)8本観てるけど、作品は非常にバラエティに富んでいて、しかもどれを見ても非常に安定感がある。

これを見てまた評価が上がってしまった。いやぁ、ホントに面白かった。

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