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Wednesday, October 03, 2007

映画『クローズド・ノート』

【10月3日特記】 映画『クローズド・ノート』を観てきた。

『DEATH NOTE』の時も書いたんだけど、それを言うならノートじゃなくてノートブックなんだけどなあ・・・。映画の中に出てくるノートにはちゃんとそう書いてあるんだけどなあ・・・。でも、NOTE BOOK と2語になっているところがまたおかしいよなあ・・・。ま、いっか。

三池崇史とか山下敦弘とか、最近では1年の間に複数本の作品が公開される(つまりそれだけ短期間に2本以上撮っている)監督が目立つが、これもそう。ついこの間見たばかりの『遠くの空に消えた』に次ぐ行定勲監督作品。

多作であることは大いなる能力であり強力な武器である。前作が不作であった場合は特にそうだ。明らかにこっちのほうが本領発揮の感がある。

いかにも誰かが作りました、みたいな作り物感漂うストーリーである。細部を考えると現実はあまりこの通りになりそうもない。加えて先行きが見え見えである。「見え見えである」と書くと、ストーリーのさわりの部分を知っている人は「あ、そうなのか?」と思うだろうが、そうなのである。

そういう見え見えの話で観客をどう動かすか──監督の力量が問われるところである。

主人公の大学生・香恵(沢尻えりか)は、ある日雰囲気のある古いアパートに越してくる。そこで前の住人のものと思われるノート(内容は日記)を見つける。その人はどうやら小学校の先生であったらしい。

それが真野伊吹(竹内結子)である。襞の細かいプリーツ・スカートを穿いてスクーターに乗るような、そんな女性教師だ。偶然ではあるが香恵も教師を目指していることもあり、あんまりそういうものを覗くべきではないと思いながらつい読み始めてしまったのだが、内容に釣られて毎日少しずつどんどん読み進んでしまう。

そこには教師としての学校での生活のほかに、隆という男性との恋についても書いてある。そしてたまたま香恵の許に現れた画家・石飛リュウ(伊勢谷友介)に魅かれた香恵は伊吹と隆の恋を追体験してしまうのである。

そこから先は書かない。書かないが、先ほども書いたようにいくつかの先行きが見え見えだ。

ロケが良いねえ。日本のあちこちで撮ったみたい。香恵のアパートが急な階段を下ったところに立っていて2階の香恵の部屋はその階段の上のほうの段と同じ高さにある。そのロケーションをうまく活かしたカメラワークだと思う(冒頭からそういう画だ)。他にも校舎の窓とか、不登校になった児童の家の2階とか、高さを意識した画作りだ。

そして、伊勢谷友介がめちゃくちゃ良い。男の僕が沢尻も竹内もそっちのけで伊勢谷を褒めてどうする?というところなのだが、いやあ、ほんとうに良い。文句なく巧いし、何よりも存在が光ってる。

多分僕が最初に彼を見たのは、彼が自ら監督した『カクト』だったと思うのだが、あの時はこんなに化けるとは夢にも思わなかった。

そして、ここのところ何かと人騒がせだった沢尻えりかだが、恋に悩んだり尻込みしたりする中で時折り垣間見せる「この女、気が強そう」という感じ。こういうの、巧い、と言うかぴったりだよね。ポキンと折れてしまいそうな強さ。

それに比べて竹内結子の優しくて暖かくて芯が強い女性。多分本物の女性教師って学校に行くときはもっとパンツ穿いてることが多いのではないかと思うのだが、体育の授業のシーンを除いて徹底的にスカートを穿かせ、しかもその大部分がプリーツ・スカートだったところに、なんか衣装担当者の意図を感じた。

基本的にベタベタの映画なんだけどね。ベタベタの映画の割には僕としては褒めているつもりである。見え見えのものをしっかり作ってある。ストーリー上の小道具のあしらい方も巧い。

人を描いて恋を描いて・・・。うーむ、おっさんだと言われるだろうが、僕としてはもう少し性を描いても良かったのではないかと思う。

良い映画か悪い映画かと問われれば躊躇なく良い映画だと答える。ただし、間違っても賞を獲るほどのものではない。なんか間違って賞を獲ってしまいそうな嫌な予感もしないではないが。

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