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Monday, October 01, 2007

自分の成長、達成感

【10月1日特記】 これはひとつのデータに対するあくまでひとつの解釈である──そのことを明記した上で思ったことを書く。

今日の日経の朝刊に載っていた記事──日経新聞が行った調査によると、「あなたが働きがいを感じる要素は何ですか」という問い(複数回答あり)に対して、一番多かったのは自分の成長の46%、次いで達成感の43%、以下、職場への貢献社会への貢献顧客からの評価会社からの評価賃金(31%)と続く。

これは何を物語っているか?

労働者はもはや自分がどんなに一生懸命働いても、どれだけ大きな成果を上げても、会社は決してそれを評価しないし、給料も上げてくれないということを充分すぎるほど認識しているということだ。

これは決して負け犬の遠吠えなどではない。今の状況が危ういのは、仲間に先んじて昇給や昇進を手にした者もまた、それは決して自分の働きが評価されたからではなく単なるたまたまであるということを知っていることである。

かつて会社はより高い地位、より高い賃金を餌に労働者を競わせて生産性を高めてきた。「俺だって頑張れば出世もできるし豊かな暮らしも手に入るんだ」という同市民的幻想を労働者に抱かせ、彼らを互いに競わせることによって労働者の団結を分断し、そういう手法で労働者を駆り立てて資本を自己増殖させてきた。

ところが、そのシステムは疲弊して、破綻してしまった。同市民的幻想は破れたのである。

だから彼らは働くことによって会社からの評価が上がることを期待していない(むしろ顧客からの評価が上がることのほうがまだありそうなことだと捉えている)。給料が上がることなんかもっと期待していない。

そして、上では第7位までの選択肢を紹介したが、この記事には続きがあって、会社や組織の業績が23%、出世が僅か5%だったという。

自分の労働が会社の業績を押し上げるという希望もないし、そういうことを積み重ねて出世しようという野望もない。

でも、人は働く上で何らかのモティヴェイションが必要である。だから彼らは新しい指標をそこに持ち込んだ──それが自分の成長であり、達成感である。

このことが何を意味しているか?

労働者はかなり独りよがりの状況で働いているということ、つまり、彼らのうちの何割かは確実に勘違いしているということである。

「会社にはマイナスになったけど、自分が成長できたからいいや」「上司や同僚から猛反対されたけど、決して曲げずにやり通したので達成感で一杯だ」等々。

「違うよ、それは」と誰かが教えてやらなければならないのではないだろうか?

労働は明らかに集団作業、ティームプレイである。その成果が個に集約されているところがとても危うい。いや、確かに最終的には成果は個に達しなければならない。それでなければ個人は働くことをしないだろう。ただ、今、労働者個人は「個」と言うよりもむしろ「孤」と呼ぶべき危うい地平に立っているのではないだろうか?

誰かがそれを、もっと社会的な地平に引き戻してやらなければならないのではないだろうか?

そして、そのためには昇進と昇給を人事考課と直結させていた(でも結局はうまく結び付かなかった)旧時代の処方をできるだけ早く放棄して、それに代わる評価方法を見つけて適用して行かなければならない。さもないと早晩日本の会社という会社がダメになって行くのではないかと思うのである。

会社側としては個々の従業員に対して「君たちのことをちゃんと解っている」というサインを送ってやる必要があるのである。どうすればそれができるのか?

「会社は解ってくれない」と思い始めた日本のサラリーマンたちは今、会社側から見て明らかに間違ったモティヴェイションで働き始めている。それは会社の責任ではないか?

どうする? 潰れるぞ。

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