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Monday, September 17, 2007

映画『ベクシル』

【9月17日特記】 映画『ベクシル 2077日本鎖国』を観てきた。

アニメやCGには全然詳しくないのだが、結構好きで時々観ている。しかし、時々見るにすぎないので、描き方や技術についてはよく解らない。せいぜい観ながら「おっ、結構リアルに描けてるやん」と呟く程度。

・・・なんだけど、この映画については「おっ、めっちゃリアルに、迫力満点に描けてるやん!」と叫びたいレベル。僕は相当な高水準だと思ったのだが、はて、アニメやCGの専門家からすればどうなんだろう?

3Dライブアニメと言うらしい(なんか凡庸なネーミングですね)。モーション・キャプチャーとトゥーン・シェーダーを組み合わせた技法とのこと。

難しいことはよう解らんが、人間については、眉毛以外はほぼ完璧ですね。

登場人物がみんな瞬きするんだもんね──あれになんかすごく魅かれた。大昔はストーリーの進行に関係のない瞬きなんて絶対誰も描かなかったけどね。ただし、髪の毛だけは何故かみんなハード系の整髪料使ってるらしくて、細かく風にそよぐなんてのはゼロ──ま、そこまで責めるのは気の毒か? どっかで手抜きしないとね。

無生物についてはもう完璧と言って良いと思う。特に劇中に出てくる鉄屑の化け物みたいな「ジャグ」はものすごい迫力と臨場感を持って描かれていた。疾走シーン、破壊、風景、人ごみ、機械──どれもがリアルで、印象は強烈だった。

ストーリーのほうは、アンドロイド開発に対する国連の規制に反発した日本がハイテク鎖国に入るというワン・アイデアからスタートしており、このアイデア自体は秀逸だったけど、ま、米国が侵入を試みようとするのは当然として、その後が巧く続かなかったなあという感じは残る。

特にイタクラ議長の決断のあたりに「なんじゃそれ」感が出てしまった。あと、複数の国の人間が出てくる小説やアニメではよくあることなのだが、「こいつら一体何語で喋ってるのかな」という点が妙に引っかかった。

それから、大和重鋼が日本全土を掌握するに当たって、政府組織と癒着して一体化し、やがてそれを乗っ取って行く(あるいは過去形で「乗っ取って行った」)様がもっと描かれてしかるべきである。

なーんて、あんまりいろいろ注文を付けるのも気の毒だね。これが1年間のテレビアニメ・シリーズならそこまで描く余裕もあっただろうが、2時間ではどこかを端折るしかない。

さて、なんか欠点あげつらってしまったので誤解されているかもしれないが、実は僕は見終わって満足感たっぷりなのでありました。主人公の女性キャラ(米国特殊部隊隊員)ベクシルもなかなか可愛かったしね。

これだけのセンスの持ち主がこの世界に何人くらいいるのかという根本的な問題は置いといて、ここまでのクオリティを求めるとなると一体いくらの金とどれくらいの期間を用意すれば良いのだろう? その点がとても気になった。

本物らしく描くという前に、1)どの角度からのカメラで切り取るか、2)どの方向からどんな光を当てるか、を想定しなければならないはずで、そのことを考えるとやっぱり僕は曽利監督に大いなる尊敬の念を抱いてしまうのであった。

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