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Thursday, July 26, 2007

やさしい気持ち

【7月26日更新】 ちょっと前の話なのですが思い出したので書いておきます。

僕の知人でブログをやっている女性がいるのですが、彼女と話していると、彼女に関して僕が知らないことを知っていて当然のように言うので僕が怪訝な顔をしていると、彼女はこう言いました。

「あ、さてはブログ読んでくれてないな?」

悪意があって言うのではないのですが、そんなもん読んでるわけがないでしょう。

確かに彼女からブログのURLを紹介されて読みました。で、なんか褒め言葉を返したと思います。それは単なるお世辞じゃなくて本心から素晴らしいと思った点を素直に述べた記憶があります。その後も何度か読みに行った記憶もあります。

でも、だからと言って、ずっと続けて読むとは限りません。てゆーか、そのうち2度と読まなくなることのほうが一般的だと考えるべきではないでしょうか?

知人のサイトであるという理由で読み始めた場合往々にしてそうなってしまうのです。全然知らない人のサイトであっても自分の興味にフィットするジャンルであり、自分の興味から読み始めたものなら続きます。でも、たまたま知人のブログがそういうサイトであることは滅多にありませんから。

そして、知人であるかないかに関わりなく、「書いたものは読まれない、あるいは読み飛ばされる、たまさか読まれても確実に忘れ去られる」のがウェブの鉄則であり、ウェブで文章を書く者はそういう心構えが必要なのではないかと思うのです。

「ライターはニヒリストであれ」という主張ではありません。「どの読者に対しても初めての読者を迎える親切さを持って書け」ということです。

それはハイパーリンクや再掲など、丁寧にやろうということにも通じます。そして僕の場合は、あくまで知人ではなく不特定多数の未知の人間を読者として想定するということに繋がっています。

これは(少なくとも僕にとっては)書く場所がどこであろうと不変の原則です。

あるMLで「読み飛ばされるかと思うと哀しくて書く気にならない」と書いた御仁がおられました。「折角書いているんだから、みんな心して読んであげようよ」という主張なんですが、いくらそんなこと書いたって読み飛ばされ、忘れられるものなんです。善意に縋って読んでもらうものではありません。

でも、読み飛ばし、忘れてしまった読者がたまにまた読みに来てくれたり、「そう言やそんなこと書いてたな」と思い出してくれたり、あるいは初めて読みにきてくれた方が(どうせそのうち忘れてしまうとは言え)とりあえずその場は面白いなと思ってくれたりするサイトになったらいいなあ、なんて考えながら僕は毎日いろいろ書いているわけです。

ええ、あなたのサイトを読んでもいませんが、その代わりに、僕のサイトを読んでくれているとも思っていませんし、読んでくれと言う気もありません。もう一度読むかどうかは、書いている人間ではなく読んだ人間が考えることですから。

僕はただ書けることを書くだけです。重ねて書きますが「ライターはニヒリストであれ」という主張ではありません。不特定多数の読者を想定すると優しい気持ちで書くことができるような気がするのです。

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