映画『机のなかみ』
【5月26日特記】 映画『机のなかみ』を観てきた。普段からこまめにチェックしていると、たまにこういうちょっとした掘り出し物の映画に当たるのである。
何も知らずに見るのが一番良い映画のような気がするので、極力情報を出し惜しみして書くが、あべこうじ扮する大学生・馬場が鈴木美生が演じる女子高生・望の家庭教師をする話である。もう最初の最初から馬場は望に対する下心まるだしである。
で、見始めてまず気になったのが、あべこうじの演技が下手だということ。これじゃまるで「よしもと新喜劇」である。イライラして見ていられない。
でも、それが人間のコミュニケーションの間の悪さというところに繋がって行くので、この辺り計算ずくなのかそうでないのか判らないが、結果オーライではある。
で、後半あべこうじがいなくなると映画がぐっと締まってくる。そもそも学習机に向ってる2人を正面から捉えるだけで面白みのなかったカメラワークに工夫が出てくるし、俳優たちの演技が演技らしく、ドラマがドラマらしくなってくる。
何故あべこうじがいなくなる(厳密に言うといなくなるわけではないが)かと言えば、この映画の構成に1つの工夫があるからである。知ってる観客ならまず間違いなく『運命じゃない人』を思い出すだろう。あれと似たような仕掛けである。もっとも、あそこまで複雑でも緻密でもないが・・・。
ほんで、見せ場は後半なのである。最後の展開に辿り着くところまでの「持って行きよう」がまことにもって見事。
ミス・マガジンの鈴木美生のアイドル映画かと思ったら結構キツイところを突いて来る。性的な色合いも意外に濃くてちょっとびっくり。
で、可愛い少女の一途さを演じた鈴木美生に対抗するように、不細工な女の一途な愛を演じた「踊子あり」(これが役者の名前です)が凄かったね。
こういうふうに演技のできるブスの役者はちゃんといるんだから、安易にしずちゃんなんか引っ張り出さないようにしてほしい。
そして、この2人から一途に慕われる2人の男性がなんとも情けない。見ていてげっそりする。
でもなあ、一方ですごくよく解るんだよね。一途に慕われるとウザい。いや、それ僕だけじゃないよね、男性だけでもないよね、きっとみんなそうなんだよね。って、なんかとても後味の悪い映画。
こういう風に考えさせてくれる映画って、とても良い映画なのだと思う。
★この記事は以下のブログからTBさせていただきました。


Comments