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Tuesday, May 08, 2007

ひょんなところからコミュニケーション論

【5月8日特記】 自分で言うのもなんだが、僕は常日頃からこの拙い文章を読んでくださっている皆さんに対して、割合懇切丁寧な表現を心掛けている。

ただし、親切に書くことだけがあるべきコミュニケーションの姿だとは思っていなくて、意図的にそうではない書き方をすることもある。

たとえば、僕は昨日の記事に「今は村上訳の『ロング・グッドバイ』に相当時間を費やしている」と書いたが、本来ならこれは「今はレイモンド・チャンドラー著、村上春樹訳の『ロング・グッドバイ』に・・・」と書くべきところだ。「(早川書房)」とでも添えておけば、それこそ僕らしい完璧な書きっぷりになるだろう。

しかし、昨日これを書いた時には「村上訳の『ロング・グッドバイ』」で分からない人には別に分かってもらえなくて良い、と言うか、分かってもらう必要がないやという気分だったのである。

そういう気分の夜もある、という話ではない。そういう類の情報もある、という話である。

「村上訳の『ロング・グッドバイ』」で村上春樹、『長いお別れ』という2つの固有名詞が思い浮かばない人にとっては、これはどうでも良い情報だろう。書いた僕のほうも、そういう方々に敢えて届いてほしいと思っている情報ではない。

この本が出版されたことを知りそびれていても、ここを読んだだけで、「え? ひょっとして春樹が今度はチャンドラーを訳したのか」などと思ってくれる人にこそ届いてほしい情報なのである。そして、もしかして清水俊二という固有名詞をも思い出してしまうような人にこそ届いてほしい情報なのである。

大地に水を撒くように、即ち、どこに種子が植わっていてどこから芽が出てくるか判らないまま何も当てにせず大地を潤すのもコミュニケーションであるし、逆に、特定の物質にしか反応しないと分かっている薬液を全体に降り注ぐのもコミュニケーションである。

だからこそ、コミュニケーションは面白い。

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