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Wednesday, May 09, 2007

CX『カノッサの屈辱2007 バブルへGO!!SP』

【5月9日特記】 CX『カノッサの屈辱2007 バブルへGO!!SP』を観た。

放送されたのは今年2月5日(月)の深夜なので、今ごろになって何を書いているのかと思われるかもしれないが、見ようと思いながら見逃してしまったところ突然録画していた人が身近にいることが判って、漸く先ほど貸してもらって見るに至ったのである。

この番組がレギュラーだったのは90年の4月からの1年間。僕は83年に転勤で来て以来東京暮らしが長くなっていたころだ。この当時、関東地区の深夜番組は抜群に面白かったなあ。少なくとも僕は大好きだった。大阪のベタベタの笑いに比べて、なんとも洗練されてしかも面白かった。

この番組は確か構成作家・小山薫堂の名前を一躍有名にした番組だった。一般人には「ふーん、構成作家なんて商売があったのか」と思わせ、業界人に対しては「安いギャラで放送局を梯子してる便利屋」というイメージを払拭した感がある。

後々彼らは(年収)2000万プレイヤー、3000万プレイヤーの花形となって行ったのである(ところで余談だが、小山薫堂は時々、名前を逆さに読んだ「うどん熊奴」という名前でも仕事をしている)。

『カノッサの屈辱』は(全然ご存じない方のために荒っぽいまとめ方をしてしまうと)流行りものの歴史パロディだった(なんて言われても余計何のことか解らんか?)。

出演者は教授役の仲谷昇だけ。あとは非常にチープなコラージュと絵と模型でごまかしながら、如何にも低予算で工夫して作った番組だった。

そして、この時代に生まれた他の番組にも共通することなのだが、「こういう堅い話題/素材でも、こんな風に料理すれば、肩も凝らず結構面白いじゃないか」ということを身を以て示してくれた番組だった。

ただし、それはTVに新しい題材をもたらしたというわけではない。流行りものの分析も歴史ものも、随分前からTVの中にはあった。しかし、それは「ニュース特集」であったりドキュメンタリであったり、あるいは民放マンなら誰しも小恥ずかしくて真似しなかった"NHK的なるもの"であった。

それを「こう料理すれば、ちゃんとバラエティになるじゃないか」と示してくれたのが、たとえばこの番組だった。逆に視聴者側から見れば、「こんな面白い切り口があったのか」と感心するような作りだった。

今回(ったって3か月も前ですが)のスペシャルはCXの出資映画『バブルへGO!!』の公開に掛けたもので、従って今は亡き仲谷昇の後を、同映画の出演者である伊武雅刀が務めている。

で、番組が始まっていきなりテロップで出てきた「演出 田中経一」というクレジットを見て「あっ!」と声を挙げそうになってしまった。そう、この番組は日本テレワークの制作だったのだ。

だからと言って、この番組と『あるある』を直線的に結びつけようとするのは間違いだが、しかし、それにしてもいろんな思いが脳裏に去来する。

『カノッサ』では今までは考えられなかった素材を使うために、その素材を活かしておいしく料理するための味付けをひたすら研究していた感があったのに、『あるある』では味付けのほうが先に決まっていて、そこに合わせるために素材の持ち味をどう曲げるかに心血が注がれていたような気がする。

いや、やっぱり、こんな分析は単純すぎるな。なにごとも過度に単純化しようとしてはいけない。

ただ、いずれにしても、この番組は(こんなに苦しい駄洒落が多かったかなあ、と苦笑してしまう面はあったが)今見ても面白いし、これが今でも(あるいは今こそ)エンタテインメント系の番組のあり方のヒントになるのではないかな、という気が非常にしたのである。

書き忘れたが、今回のSPは携帯電話の歴史がテーマだった。また機会があれば単発的に復活してほしい名作企画である。

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