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Friday, April 20, 2007

リアルな本棚とインチキな全体像

【4月20日特記】 会社の帰りに本屋に寄ってきた。

リアル・ストアで本を買うことがほとんどなくなってからもう暫くになるが、それでも本屋にはちょくちょく足を運んでいる。大抵は家に帰ってからネットで注文するのだが、その場で買うこともある。

実際手にしてみないと解らないという面はある。

特にコンピュータ関係の教科書であるとか楽器の教則本であるとか、そういう実用書の類はなおさら手に取ってから買うかどうかを決めたい。小説や評論などの場合でも実際に手に取ってみないと買う決心がつかないものもある。

でも、それがリアル・ストアに足を運ぶ大きな理由ではない。

Amazon のリコメンド機能が結構バカだということもある(もっとも、僕はCDやDVDは Amazon だが、本を買うのはもっぱら bk1 なのだが・・・)。

あなたと同じこの本を買った人は他にこんな本も買ってますよ、などとご親切に教えてくれるのだが、その判断は短絡的で(当たり前だが)人間味がない。

たとえば僕がいつもと随分毛色の違った商品を買っても、それは以前買った他の商品と平等に扱われる。

これが相手が人間だったら、その毛色の違う商品を僕らしくないチョイスであり一時の気まぐれであるとして重みを外すか、あるいは逆に僕の新しい志向性だと捉えて猛烈にプッシュしてくるかのどちらかだ。

それは相手が僕の反応をチェックしながら決めてくる。機械的なリコメンド・システムにはそんな芸当はできない。でも、それがリアル・ストアに足を運ぶ大きな理由でもない。

そこに行くことの一番大きなメリットは、リアル・ストアに行くと意外な広がりが得られるからである。今まで自分が選びそうになかった本をふと手に取って少し立ち読みし、挙句の果てに買ってしまったりするのである。

これが町の小さな本屋さんだったりすると、店主の嗜好で、ある本の隣にとんでもない本が置いてあったりするのも楽しい。

なぜ広がるかと言えば、本屋には一覧性があるからである。PCの一番の弱点は一覧性がないところである。

今売れ筋の商品はこれこれで、最近発売になった商品はこれこれで、あなたが買ったのと同じ商品を買った人は他にこんな商品を買っている、などとバーチャル・ストアはいろんなことを教えてくれて、我々はそれにプラスしてちょっと自分が興味を持っているジャンルを検索したりしてみて、それで今の商品の全体像を得たような気になってしまうのだが、それはインチキの全体像である。

我々が本屋に行くと、特に大書店に行くと、眼前にドーンと広がるのが、ま、全体ではないが、それに近い像である。そのたくさんの本が全部僕らの目に留まるわけではなく、たまたま前のほうにあったとか目立つ色のカバーだったとか、なんかそんないい加減なことで僕らは本を手に取ってしまう。そんなことで広がって行く。

全体像に近いものを見ても、そんなことでしか本を手に取らないのであればあまり意味がないように思われるかもしれないが、それでも僕らは本屋に行くことでバーチャル・ストアで買うよりも何倍もの俯瞰像を目と心に焼きつけているのである。

そして、バーチャル・ストアで調べて買うと何となく出版界の全体像をつかんだような気になってしまうのだが、リアル・ストアでどれだけの本の山に囲まれようとも、我々は全体像を掴んだなどとは思わないのである。

そこがリアル・ストアの良いところである。

皆さん、本は最終的にどこで買っても良いけど、本屋には足を運ぼう。
そこはスリリングな四次元空間なのである。

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