映画『蟲師』
【3月24日特記】 映画『蟲師』を観てきた。うーむ、イマイチよく解らんぞ。
しかし、世の中にはよく解らなくて面白くないものと、よく解らなくて面白いものがある。これはよく解らなくて面白かった。ただし、一緒に見た妻は事前の期待が大きすぎた分だけ手ごたえに欠けた感じだったようだ。
原作を全く知らないのだが、読んでいたらもっと解るのだろうか?
でも、一方この程度の解り方で良いような気もする。
妻は「面白かったけど、あまり山もないし・・・」と言ったが、うん、意図的に大きな山はなかったのかもしれない。
やめてほしいなと思うのは映画から何か教訓を読み取ろうとすること。パンフレットにもそんなことを書いている人がいたけど、現代の日本では失われてしまった○○を取り戻す必要があるのではないだろうか、云々。
これって小中学校の国語の授業やテストで繰り返し問われる「作者がこの文章で言いたかったことは何か」というトレーニングの悪弊なんでしょうね。僕はもっと全体をそのまま全体として捉えたい。
僕が強烈に抱いた感想は「ああ、日本だなあ」ということだった。それが良いとも悪いとも思わない。ひょっとしたら現代の日本には残っていない日本かもしれないし、いやいまだにどこか山の中に残っている日本なのかもしれない。いずれにしても、ともかく日本なのである。
こういう映画ではとかくCGやVFXが取りざたされるが、その背景になっている風景や人、風俗、習俗が、特に凝った画作り感もないのに(大道具・小道具は凝っていたけど)際立って日本的なのである。そういう意味ではやはり大友克洋という人はただの映像作家ではないなと思った。
虫と言えば我々が思い出すのはまず蝉やカブト虫などの昆虫である。あるいはそれらの幼虫であることもあるだろう。しかし、日本には古来「虫の知らせ」とか「虫が好かない」とか「腹の虫」とか「疳の虫」とかいう微妙な表現がある。
この映画で描かれていた「蟲」はどこかでそういうものに通じているのではないかな、などと思った。
今回はほとんど映画の内容に触れないまま、この記事を終わろうと思う。もう少し余韻を楽しみたい気分だから。
★この記事は以下のブログからTBさせていただきました。


Comments
こんにちは。TBありがとうございました。
この作品からあえてメッセージを読み取るとするなら、
>全体をそのまま全体として捉えたい
これに尽きるような気がします。意味や理由を問うのではなく、あるものをあるものとして受け入れるというか。
と個人的に思っていたので、レビューに共感しました。読ませていただいて気持ちよくなりました。
超自然的なものを筆頭に、世の中、成り立ちのわからないものがたくさんありますからね。好きな感じの映画です。
Posted by: april_foop | Monday, March 26, 2007 at 04:21